AUTHENTIC RECIPE
Strudel di Meleストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)
アルト・アディジェに伝わる、手で透けるまで薄く伸ばした生地でりんごを巻き上げる焼き菓子。市販のパイ生地は使わず、小麦粉・水・油・卵で作った伸展性の高い生地を布の上で紙のように引き延ばす「パスタ・ティラータ」が核心で、ここに技術のすべてが集まる。バターで炒めたパン粉がりんごの果汁を吸って生地を守り、ラム酒に漬けたレーズンと松の実、シナモン、レモンの皮が南チロルらしい香りを与える。
本場北イタリアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(6人分)
- 中力粉200g生地192g、打ち粉8g。00は精製度であり薄力粉と同義ではない。
- ぬるま湯85ml35〜40℃。生地の伸展性を決めるため計量を守る
- ひまわり油20ml生地用。休ませる間に表面へ塗る分も含む
- 卵1個常温。生地用に全卵を溶いて使う
- 塩3g生地用
- 酸味のあるりんご500g紅玉など。皮と芯を除いた正味500g。
- グラニュー糖70g詰め物用
- パン粉(細目・乾燥)50gバターで炒めて果汁を吸わせる。生地が破れるのを防ぐため分量厳守
- バター(食塩不使用)90gパン粉用30g、生地内側20g、巻いた表面20g、焼成途中10gずつ。
- レーズン50gラム酒に30分漬ける
- ダークラム40mlレーズンを漬け込む
- 松の実30gフライパンで乾煎りする
- シナモンパウダー3g詰め物用
- レモンの皮1個国産・ノーワックス。黄色い部分のみすりおろす
- 粉糖10g焼き上がり後、粗熱が取れてから振る
Amazon・楽天市場へのリンクはアフィリエイトリンクです。
買い物リストをつくる作り方
パスタ・ティラータ(手で透けるまで引き伸ばす極薄生地)の生地を捏ね上げる
- 1 中力粉200gのうち大さじ1(約8g)を打ち粉用に小皿へ取り分け、残り約192gをボウルにふるい入れる。
- 2 ふるった粉に塩3gを加え、泡立て器で30秒混ぜ合わせる。
- 3 常温の全卵1個を溶きほぐしてボウルに加え、ひまわり油15mlを注ぐ。
- 4 35〜40℃のぬるま湯85mlを3回に分けて注ぎながら、フォークで粉気がなくなるまで混ぜてひとまとまりにする。
- 5 打ち粉をしていない作業台に生地を出し、手のひらの付け根で押し伸ばして折り返す動作を10〜12分繰り返す。
- 6 生地を台に20〜30回叩きつけ、さらに2分こねて表面を張らせた球形にまとめる。
完了の目安
生地の表面が絹のように滑らかで、指で押すと跡がゆっくり戻る弾力があれば次へ進む。
生地の端を指で薄く引っ張ったとき、破れずに指の腹が透けて見える状態になっていること。
注意点
分量外の粉を足すと、生地が薄く伸びにくくなる。
生地に油膜を張って常温で休ませ、レーズンをラム酒に漬ける
- 1 並行(生地を休ませる間に)レーズン50gとダークラム40mlを小さなボウルで合わせ、ラップをして30分漬ける。
- 2 生地の表面全体に、残しておいたひまわり油5mlを手で薄く塗り広げる。
- 3 ボウルに熱湯を注いで温め、湯を捨てて水気を拭き、伏せて生地にかぶせる。
- 4 そのまま常温(20〜25℃)で40分休ませる。
完了の目安
生地の表面が乾かずしっとりし、押すと抵抗なくやわらかく広がる状態になれば次へ進む。
松の実を乾煎りし、パン粉をバターで炒めて果汁止めを作る
- 1 並行(パン粉を冷ます間に)残りのバター60gを小鍋で溶かし、火から下ろす。
- 2 フライパンに松の実30gを入れ、中火で3〜4分、絶えず揺すりながら薄く色づくまで乾煎りして皿に取り出す。
- 3 同じフライパンにバター30gを入れ、弱めの中火で溶かす。
- 4 バターの泡が細かくなったら細目の乾燥パン粉50gを全量加える。
- 5 木べらで絶えず混ぜながら6〜8分炒める。
- 6 炒め上がったパン粉をバットに広げ、常温で冷ます。
完了の目安
パン粉が均一な淡いきつね色になり、ナッツのような香ばしい香りが立てば炒め上がり。
バットのパン粉が手で触れる温度まで下がっていること。
りんごを3mm厚に切り、香りの副材料とともに合わせる準備をする
- 1 酸味のあるりんごを皮と芯を除いて正味500g用意し、3mm厚のくし切りにする。
- 2 国産・ノーワックスのレモン1個の黄色い皮だけをすりおろし、りんごに加える。
- 3 ラム酒に漬けたレーズンをざるにあげ、手で軽く押さえて汁気を切る。残った漬け汁は本レシピには使わない。
- 4 水気を切ったレーズンと乾煎りした松の実30gをボウルに加え、手で下から2〜3回返して混ぜる。
完了の目安
りんごの厚さがそろい、レーズンと松の実が全体に散っていれば次へ進む。
生地を布の織り目が透ける薄さまで延ばす
- 1 並行(生地を伸ばす間に)オーブンを180℃に予熱する。
- 2 60×80cm程度の綿の布巾を作業台に広げ、取り分けておいた打ち粉用の中力粉を茶こしでごく薄く振る。
- 3 休ませた生地を布の中央に置き、麺棒で直径30cmほどの円形に伸ばす。
- 4 両手の指を軽く握って手の甲を生地の下に差し入れ、中心から外へ向かって少しずつ引き伸ばす。
- 5 生地を少しずつ回しながら手の甲の位置を変え、全体が均一な薄さになるよう40×60cmほどまで広げる。
- 6 縁に残った厚い部分を指先でつまんで引き、最後に厚い縁をナイフで切り落とす。
- 7 穴が開いた場合は切り落とした縁の生地を薄く伸ばし、重ねて貼って塞ぐ。
完了の目安
布の織り目が透けて見え、全体が40×60cm程度に延びていれば次へ。
注意点
爪や指輪が当たると生地が裂ける。
パン粉と詰め物をのせ、布ごと転がして巻き上げる
- 1 生地の全面に、溶かしバター60gのうち20gを薄く塗る。
- 2 手前側3分の1の帯状の範囲に、炒めて冷ましたパン粉を全量広げる。四辺は3cmずつ空ける。
- 3 りんごのボウルにグラニュー糖70gとシナモンパウダー3gを加え、手で20秒だけ手早く混ぜる。
- 4 混ぜた詰め物をパン粉の上に棒状に積み上げ、手で軽く押さえて形を整える。
- 5 左右の縁を3cm内側に折りたたみ、詰め物の両端を閉じる。
- 6 布の手前端を両手で持ち上げ、生地を転がすようにして3〜4回転させて巻き上げる。
- 7 巻き終わりを下にし、オーブンシートを敷いた天板に三日月形に曲げて移す。
- 8 巻いた表面に溶かしバター20gを薄く塗る。
完了の目安
巻き終わりが下で閉じ、表面に破れや果汁のにじみがなければ焼成へ進む。
注意点
砂糖を混ぜてから時間を置くと、果汁で薄い生地が破れやすい。
180℃で焼き、バターを塗り重ねて層を色づける
- 1 天板を180℃に予熱したオーブンの中段に入れ、40〜45分焼く。
- 2 焼き始めから15分後と30分後に、残りの溶かしバターを10gずつ表面に塗り、そのつどオーブンに戻す。
完了の目安
全体が濃いきつね色になり、表面のバターが泡立たず乾いた照りになれば焼き上がり。
端から竹串を刺したとき、りんごに軽い抵抗で通ること。
焼いた生地を落ち着かせる
- 1 天板に乗せたまま20分置いて粗熱を取る。
完了の目安
20分たち、表面を触れる程度まで粗熱が取れれば次へ。
粉糖を振って6等分する
- 1 粗熱が取れたら茶こしで粉糖10gを表面全体に均一に振る。
- 2 波刃のナイフで6等分し、皿へ盛る。
完了の目安
断面がつぶれず、表面に薄く粉糖が付けば完成。
作り方を読み終えたら。
その一皿を、コースにする。
作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。
コーチングとアプリの機能 Download on the App Store
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)は、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
酸味のあるりんごの代わりに
グラニースミス
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
酸味が強く果肉が硬いため、甘さが控えめでシャープな仕上がりになる。
砂糖を10g増やす。
酸味のあるりんごの代わりに
ふじ
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
酸味が乏しく水分が多いため、甘ったるく果汁が出やすい。
レモン汁10mlを加え、砂糖を20g減らす。
パン粉を10g増やして果汁を吸わせる。
グラニュー糖の代わりに
きび砂糖
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
糖蜜の香りが加わり、色も濃く素朴な味になる。
レーズンの代わりに
ドライクランベリー
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
酸味が立ち、りんごの甘さとの対比が強くなる。
ダークラムの代わりに
りんごジュース(果汁100%)
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
樽香とコクが消え、全体が穏やかで素朴な甘さになる。
レーズンをりんごジュースに浸し、弱火で2分温めてから冷まして漬ける。
松の実の代わりに
くるみ(粗く刻む)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
渋みのある濃い香ばしさになり、食感がより力強くなる。
レモンの皮の代わりに
オレンジの皮
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
柑橘の香りが甘く丸くなり、切れ味のある酸の印象が弱まる。
この料理について
アルト・アディジェのりんご菓子には、周辺のアルプス地域とつながる食文化が表れます。シュトゥルーデルはその一つで、山の風景とともに親しまれてきました。
秋の食卓には、りんごを包んだ温かな一切れが似合います。食後にも午後の休憩にも供せる菓子で、このレシピでは薄く引き延ばす生地の版を選んでいます。
QUESTIONS
よくある質問
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)にふじを使ってもいいですか?
作れますが、酸味のあるりんごをふじに替えると本格度が20点下がります。酸味が乏しく水分が多いため、甘ったるく果汁が出やすい。レモン汁10mlを加え、砂糖を20g減らす。
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)にグラニースミスを使ってもいいですか?
使えます。ただし酸味のあるりんごをグラニースミスに替えると本格度が5点下がります。酸味が強く果肉が硬いため、甘さが控えめでシャープな仕上がりになる。砂糖を10g増やす。
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)にきび砂糖を使ってもいいですか?
使えます。ただしグラニュー糖をきび砂糖に替えると本格度が5点下がります。糖蜜の香りが加わり、色も濃く素朴な味になる。
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)を失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。分量外の粉を足すと、生地が薄く伸びにくくなる。爪や指輪が当たると生地が裂ける。砂糖を混ぜてから時間を置くと、果汁で薄い生地が破れやすい。
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)を作るのにどれくらい時間がかかりますか?
6人分で合計3時間です(準備1時間40分・調理1時間20分)。
ストゥルーデル・ディ・メーレ(りんごのストゥルーデル)は家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中4で、技術の見極めが要る一皿です。全9工程のうち仕上がりを左右するのは「パスタ・ティラータ(手で透けるまで引き伸ばす極薄生地)の生地を捏ね上げる」「生地を布の織り目が透ける薄さまで延ばす」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
READER REVIEWS
ユーザーレビュー
この料理を作った感想を教えてください
評価ありがとうございます。確認後に公開されます。