AUTHENTIC RECIPE

Salsicce all'Uvaサルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)

Salsicce all'Uva(サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮))
難易度★★☆☆☆ 準備35分 調理40分 分量2人分 地方中部イタリア

葡萄の収穫期(ヴェンデンミア)に作られる中部イタリアの農家料理。生ソーセージを皮が破れないよう転がしながら脂を引き出し、その脂と白ワインの中で葡萄を崩して果汁を煮詰め、甘酸っぱい濃厚なソースに変える。砂糖も酢も加えず、葡萄そのものの糖と酸だけでソースを作る点に手間をかける価値がある。

本場中部イタリアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。

材料(2人分)

2
  • 生ソーセージ(豚肉・ケーシング入り)400g1本80〜100gのもの4〜5本。穴は開けず、調理25分前に冷蔵庫から出して室温に戻す
  • 種なし黒葡萄(巨峰・ピオーネなど)400g房から外して洗う。300gは半割、100gは丸のまま使う
  • 辛口白ワイン80ml酸のはっきりした樽香のない辛口。鍋底の焦げ旨みを溶かすデグラッセ用
  • エクストラヴァージンオリーブオイル20ml焼き始めの鍋に敷く分
  • ローズマリー1本10cm程度の生の枝。枝ごと加えて仕上げに取り除く
  • 粗塩3gソース調整用。ソーセージ自体に塩分があるため仕上げに味を見て使う
  • 黒胡椒1g粗挽き
  • 田舎パン2枚厚さ1.5cmに切り、両面を焼いて皿に添える

作り方

1約25分

生ソーセージを室温に戻して中心まで火が通る状態にする

  • 1 生ソーセージ400gを冷蔵庫から出し、皿に間隔をあけて並べ、ラップをかけずに室温で25分置く。

完了の目安

表面を触って冷たさが抜け、指で押したときに芯の硬さを感じなくなっていれば次へ進む。

注意点

暑い台所では常温に置く時間を延ばさない。

2約10分

葡萄を粒に外し、半割300gと丸のまま100gに分ける

  • 1 種なし黒葡萄400gを房から一粒ずつ外し、ボウルに張った冷水の中で振り洗いしてざるにあげ、水気を完全に切る。
  • 2 粒のうち300gを縦半分に切り、ボウルにまとめる。
  • 3 残り100gは丸のまま同じボウルに入れる。
  • 4 ローズマリー1本(10cmの枝)を洗い、布巾で水気を拭き取る。

完了の目安

半割300gと丸のまま100gが同じボウルに揃い、表面の水気が切れていれば次へ進む。

3約12分

生ソーセージを転がし焼きして皮を破らずに脂を引き出す

  • 1 テガメ(tegame・素焼きの土鍋、なければ厚手のフライパン)にエクストラヴァージンオリーブオイル20mlを敷き、中火にかける。
  • 2 油が温まったら室温に戻したソーセージ400gを重ならないように並べ、ローズマリー1本を鍋の空いた場所に加える。
  • 3 中火のまま、トングで1〜2分ごとにソーセージを転がし、全面に焼き色をつけながら合計8〜10分焼く。

完了の目安

ソーセージ全面が均一な濃い焼き色になり、鍋底に澄んだ脂が大さじ2程度たまっていれば次へ進む。

ローズマリーの樹脂的な香りが立っていれば次へ進む。

注意点

皮に穴を開けると肉汁が抜ける。

4約4分

白ワインで鍋底の旨みを溶かし、アルコール臭を飛ばす

  • 1 いったん火を止め、辛口白ワイン80mlを鍋の縁から回し入れる。
  • 2 木べらで鍋底をこそげ、焼き付いた茶色い旨みをワインに溶かし込む(デグラッセ(鍋底の旨みを液体で煮溶かすこと))。
  • 3 再び中火にかけ、ワインを煮立てながら1〜2分、鍋をゆすってソーセージにからめる。

完了の目安

刺すようなアルコール臭が消えて葡萄酒の果実香に変わり、液体が最初の半量ほどになれば次へ進む。

注意点

酒には着火しない。

5約18分

葡萄を一度に加え、半割を崩して果汁だけの甘酸ソースに煮詰める

  • 1 並行(葡萄を煮詰める間に)田舎パン2枚を厚さ1.5cmに切り、別のフライパンかグリルで中火・片面1分30秒ずつ、両面に焼き目がつくまで焼いて取り置く。
  • 2 並行(葡萄を煮詰める間に)盛り付け用の平皿2枚に熱湯を注いで1分置き、湯を捨てて布巾で拭き、温めておく。
  • 3 半割300gと丸のまま100gの葡萄を一度に鍋へ加え、木べらで全体をひと混ぜしてソーセージの間に行き渡らせる。
  • 4 蓋をして弱めの中火で8分、途中2回蓋を取ってソーセージを裏返しながら加熱する。
  • 5 蓋を取り、木べらの背で半割の粒だけを鍋底に押し付けて潰し、果汁を出す。丸のままの粒は潰さずに残す。
  • 6 蓋をせずに弱めの中火で8〜10分、鍋をときどきゆすりながらソーセージに煮汁をかけ回して煮詰める。

完了の目安

果汁が濃い赤紫色に染まり、木べらで鍋底をなぞった跡が1〜2秒残る程度のとろみになれば次へ進む。

丸のままの粒が形を保ったまま張りと艶を持っていれば次へ進む。

ソーセージを押したとき弾力があり、透明な肉汁が上がってくれば火が通っている。

6約3分

ローズマリーを引き上げ、ソースの塩を決める

  • 1 ローズマリーの枝をトングで取り出して捨てる。
  • 2 粗塩3gのうち2gを振って混ぜ、ソースを味見し、塩気が足りなければ残り1gを加える。
  • 3 黒胡椒1gを粗挽きにして鍋全体に振り、火を止める。

完了の目安

鍋の中に枝や散った葉が残っていなければ次へ進む。

ソースが甘みと酸のあとに塩気が立っていれば次へ進む。

注意点

ソーセージの塩分があるため、塩は味見して加減する。

7約3分

温めた皿にソーセージと葡萄のソースを盛り、焼いたパンを添える

  • 1 温めた皿にソーセージを1皿2〜3本ずつ横たえる。
  • 2 鍋に残った葡萄とソースを木べらですくい、ソーセージの上に等分に回しかける。
  • 3 焼いた田舎パン1枚を皿の縁にソースにかからないよう添える。

完了の目安

ソースがソーセージを覆って艶を保ち、皿の底に流れ広がっていなければ完成。

Chef Authen

作り方を読み終えたら。

その一皿を、コースにする。

作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。

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INGREDIENT OPTIONS

手に入る食材で、本格の輪郭を保つ

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)は、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。

生ソーセージ(豚肉・ケーシング入り)の代わりに

粗挽き豚肉と羊腸で自家充填したソーセージ

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

肉の粒感が強くなり、脂の甘みがはっきりする。

生ソーセージ(豚肉・ケーシング入り)の代わりに

ルガーネガ(渦巻き生ソーセージ)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香辛料が穏やかになり、葡萄の甘みがより前に出る。

渦巻き状のまま切らずに鍋に丸く収めて焼き、転がす代わりに5分ごとにフライ返しで裏返す。

煮込みの間もトングでなくフライ返しで持ち上げて裏返す。

盛り付け時に一人分ずつ2〜3巻きに切り分ける。

生ソーセージ(豚肉・ケーシング入り)の代わりに

生チョリソー

代わりに使える食材 · 本格度 -35点

パプリカの燻香が支配的になり、葡萄の繊細な酸と喧嘩する。

赤みの強い脂が多く出るため、焼き上がりで鍋を傾け、大さじ1分だけ脂を残して残りはスプーンで除いてからデグラッセに移る。

種なし黒葡萄(巨峰・ピオーネなど)の代わりに

デラウェア

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

粒が小さく皮が残りやすいが、酸味が強くソースは引き締まる。

粒が小さいため半割にせず400g全量を丸ごと加える。

皮が薄く崩れやすいので、蓋を取ってからの煮詰めを6〜8分に短くする。

種なし黒葡萄(巨峰・ピオーネなど)の代わりに

マスカット(白葡萄)

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

ソースの色が薄い金色になり、香りが華やかで軽くなる。

色が出ないため、煮詰まりの判断は色ではなく木べらでなぞった跡の残り方だけで見る。

種なし黒葡萄(巨峰・ピオーネなど)の代わりに

キャンベル・アーリー(種あり黒葡萄)

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

野性的な香りと高い酸が出て、ソースが引き締まる。

種があるため300gは半割にしてナイフの先で種を取り除き、丸のまま使う100gは種ごと煮て食べるときに出す。

辛口白ワインの代わりに

白葡萄ジュース(無糖・果汁100%)

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

アルコールの締まりが消えて甘さが強く出る。

白ワイン80mlの代わりに白葡萄ジュース60mlを鍋の縁から注ぎ、煮立てる時間を4分に延ばして水分を飛ばし、甘さを凝縮させる。

辛口白ワインの代わりに

鶏のブロード

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

果実の香りが弱まり、肉の出汁感が主体のソースになる。

白ワイン80mlの代わりに鶏のブロード80mlを同量で使う。

酸味が不足するため葡萄を500gに増やし、そのうち400gを半割、100gを丸のままにする。

煮詰めは蓋を取ってから10〜12分と長めにとり、とろみを同じ状態まで持っていく。

エクストラヴァージンオリーブオイルの代わりに

ラード(豚脂)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

より濃厚で田舎風のコクが出る。

ラード20gを鍋に入れ、完全に溶けて透明になってからソーセージを並べる。

ローズマリーの代わりに

乾燥ローズマリー

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

樹脂的な香りが弱く、やや薬草っぽさが出る。

焼き始めには加えず、乾燥品2gを指で砕いて白ワインを注ぐときに一緒に加える。

枝がないため仕上げで引き上げず、そのままソースに残す。

ノルチャの街並み・風景
Norciaノルチャ 写真:maury3001 · CC BY 3.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

ウンブリアは、イタリア中部で海に面していない州です。丘の斜面にはオリーブ畑と葡萄畑が広がり、豚肉の加工でも古くから知られてきました。豚肉加工の職人を指す「ノルチーノ」という言葉は、州東部の町ノルチャの名に由来します。

サルシッチェ・アッルーヴァは、9月から10月の葡萄の収穫期、ヴェンデンミアの頃に作られてきた農家の料理です。摘み取りの季節に手元にある熟した葡萄と生ソーセージを、ひとつの鍋で煮合わせます。

現在もウンブリアから隣のトスカーナにかけて、秋のトラットリアの品書きに季節の一皿として現れます。皿に残ったソースはパンで拭って食べ切るのが、この土地の食べ方です。

QUESTIONS

よくある質問

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)に生チョリソーを使ってもいいですか?

作れますが、生ソーセージ(豚肉・ケーシング入り)を生チョリソーに替えると本格度が35点下がります。パプリカの燻香が支配的になり、葡萄の繊細な酸と喧嘩する。赤みの強い脂が多く出るため、焼き上がりで鍋を傾け、大さじ1分だけ脂を残して残りはスプーンで除いてからデグラッセに移る。

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)に白葡萄ジュース(無糖・果汁100%)を使ってもいいですか?

作れますが、辛口白ワインを白葡萄ジュース(無糖・果汁100%)に替えると本格度が20点下がります。アルコールの締まりが消えて甘さが強く出る。白ワイン80mlの代わりに白葡萄ジュース60mlを鍋の縁から注ぎ、煮立てる時間を4分に延ばして水分を飛ばし、甘さを凝縮させる。

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)に鶏のブロードを使ってもいいですか?

作れますが、辛口白ワインを鶏のブロードに替えると本格度が20点下がります。果実の香りが弱まり、肉の出汁感が主体のソースになる。白ワイン80mlの代わりに鶏のブロード80mlを同量で使う。

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)を失敗せずに作るコツはありますか?

つまずきやすいのは次の点です。暑い台所では常温に置く時間を延ばさない。皮に穴を開けると肉汁が抜ける。酒には着火しない。

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)を作るのにどれくらい時間がかかりますか?

2人分で合計1時間15分です(準備35分・調理40分)。

サルシッチェ・アッルーヴァ(生ソーセージの葡萄煮)は家庭で作るのが難しいですか?

難易度は5段階中2で、イタリア料理のなかでは作りやすい部類です。全7工程のうち仕上がりを左右するのは「生ソーセージを室温に戻して中心まで火が通る状態にする」「生ソーセージを転がし焼きして皮を破らずに脂を引き出す」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。

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