AUTHENTIC RECIPE

Pasta e Zuccaパスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)

Pasta e Zucca(パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ))
難易度★★☆☆☆ 準備15分 調理1時間 分量2人分 地方南イタリア・ナポリ

ナポリの家庭で秋から冬にかけて作られる「パスタ・エ・ズッカ」。かぼちゃをにんにくと唐辛子の香味油でゆっくり崩れるまで煮て、そこへパスタ・ミスタ(余りものの混合ショートパスタ)を直接投入し、熱湯を少しずつ足しながらリゾットのように炊き上げる(パスタ・リゾッタータ)。ブロードを引かず水だけで炊くのが家庭の一般的な形で、茹でこぼさずデンプンを鍋に留めることで、生クリームを使わずに濃厚でとろりとしたひと皿になる。火加減と水分追加のタイミングだけが技術のすべて。

本場南イタリアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。

材料(2人分)

2
  • かぼちゃ(栗かぼちゃ)600g皮と種・わたを除いた正味。300gを2cm角、300gを5mm角に切り分ける(前者は崩してソースに、後者は食感として残す)
  • パスタ・ミスタ(混合ショートパスタ)180gディタリーニ、トゥベッティ、折ったスパゲッティなど乾燥パスタ数種を混ぜたもの
  • 水900ml小鍋で沸かして保温し、300ml+200ml+100ml×2回の計700mlを調理に使い、残り200mlは濃度調整用に取り置く
  • 玉ねぎ60g5mm角のみじん切りにして香味油用
  • エクストラヴァージンオリーブオイル40ml30mlを香味油のベースに、10mlを仕上げのマンテカーレに使う
  • プロヴォローネ・ピカンテ(すりおろし)40g火を止めてから加え、余熱で溶かす。輸入チーズ店や通販で入手できるAmazonで探す楽天市場で探す
  • にんにく2片皮をむき、包丁の腹で軽くつぶして芯を除く
  • 乾燥赤唐辛子1本種を除いて半分にちぎる
  • バジル(生)8枚5枚は煮込みの終盤に、3枚は仕上げ用に取り分ける
  • パルミジャーノの皮15g表面を包丁で削ぎ洗いし、煮込みに沈める。仕上げ前に取り出す
  • 塩6gかぼちゃの煮込みに3g、パスタの仕上げ調整に3g
  • 黒胡椒小さじ0.5仕上げに挽きたてを2皿へ分けて振る

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作り方

1約15分

湯900mlを沸かして保温し、かぼちゃを二段に切り分けて香味をそろえる

  • 1 並行(湯が沸くのを待つ間に)かぼちゃと香味の下ごしらえを進める。
  • 2 まず小鍋に水900mlを入れ、中火にかけて沸かす。
  • 3 沸いたらごく弱火に落とし、沸騰直前の状態で保温する。
  • 4 かぼちゃの皮と種・わたをスプーンと包丁で除き、正味600gを用意する。
  • 5 かぼちゃ300gを2cm角に切り、ボウルに入れる。
  • 6 残りのかぼちゃ300gを5mm角に切り、別のボウルに入れる。
  • 7 にんにく2片の皮をむき、包丁の腹で軽くつぶして中心の芽を取り除く。
  • 8 玉ねぎ60gを5mm角のみじん切りにする。
  • 9 乾燥赤唐辛子1本のヘタを落として種をかき出し、手で半分にちぎる。
  • 10 パルミジャーノの皮15gの表面を包丁で薄く削ぎ落とし、流水で洗って水気を拭く。
  • 11 バジル8枚を洗って水気を拭き、煮込み用5枚と仕上げ用3枚に分けておく。

完了の目安

湯900mlが湯気の立つ状態で小鍋に保温され、2cm角と5mm角のかぼちゃが別々の器に分かれ、にんにく・玉ねぎ・唐辛子・チーズの皮・バジルが手元にそろっていれば次へ進む。

注意点

硬いかぼちゃは切り口を下にして安定させ、刃の滑りに注意する。

2約12分

オリオ・アーリオ・ペペロンチーノの香味油を立て、玉ねぎを透き通らせる

  • 1 厚手の鍋(直径24cm程度)にエクストラヴァージンオリーブオイル30ml、つぶしたにんにく2片、ちぎった赤唐辛子1本分を入れ、冷たい状態から弱火にかけてオリオ・アーリオ・ペペロンチーノ(オリーブオイル・にんにく・唐辛子の香味油)を立てる。
  • 2 弱火のまま3〜4分、にんにくを時々転がしながら、縁がごく薄いきつね色になるまで加熱する。
  • 3 にんにく2片をトングで取り出して皿に置き(香りは油に移り終えているので、以降この料理には戻さず使わない)、唐辛子は鍋に残す。
  • 4 玉ねぎのみじん切り60gを加え、弱火で6〜8分、木べらで時々混ぜながら炒める。

完了の目安

にんにくと唐辛子の香りが油に移り、玉ねぎが色を付けずに透き通って柔らかくなっていれば次へ進む。

3約7分

かぼちゃに香味油をまとわせ、熱湯300mlを注いで煮立てる

  • 1 2cm角のかぼちゃ300gを鍋に入れ、中火にして木べらで返しながら3分、全面に油をまとわせる。
  • 2 5mm角のかぼちゃ300gを加え、さらに2分、同じく油をまとわせるように混ぜる。
  • 3 塩3gを振り、洗ったパルミジャーノの皮15gを鍋の隅に沈める。
  • 4 保温しておいた小鍋の熱湯300mlを注ぎ、中火でひと煮立ちさせる。

完了の目安

液面がかぼちゃの層の3分の2ほどの高さまで上がり、鍋全体がふつふつと沸き立っていれば次へ進む。

4約20分

弱火でかぼちゃが崩れる手前まで煮る

  • 1 並行(煮込みの間に)小鍋の湯を弱火のまま保温し続ける。
  • 2 弱火に落とし、蓋を少しずらしてのせ、20分煮る。
  • 3 5分おきに木べらで鍋底を一度なぞり、焦げ付きを防ぐ。
  • 4 煮上がり5分前にバジル5枚を鍋に沈める。

完了の目安

2cm角のかぼちゃに竹串がすっと通り、煮汁が減ってかぼちゃの層の3分の1ほどの高さになっていれば次へ進む。

5約3分

2cm角のかぼちゃだけを潰してソース状にする

  • 1 弱火のまま、2cm角のかぼちゃを木べらの背で鍋肌に押し当てて潰し、ソース状に崩す。
  • 2 5mm角のかぼちゃは潰さないよう木べらを当てる位置を選び、そのまま残す。
  • 3 全体を一度だけ大きく混ぜ、崩したかぼちゃと煮汁をなじませる。

完了の目安

鍋全体がぽってりとしたオレンジ色のソースになり、5mm角の角がまだ立っていれば次へ進む。

6約14分

パスタ・ミスタを直接投入し、熱湯を継ぎ足してリゾッタータに炊く

  • 1 並行(炊いている間に)仕上げ用の皿2枚を湯せんまたは60℃のオーブンで温めておく。
  • 2 鍋を中火に戻し、熱湯200mlを加えてひと煮立ちさせる。
  • 3 パスタ・ミスタ(数種の余りショートパスタを混ぜたもの)180gを乾麺のまま鍋に直接入れ、木べらで1分間絶えず混ぜて全体に散らす。
  • 4 中火を保ち、表面がふつふつと沸く状態で、パスタ・リゾッタータ(茹でこぼさず鍋の中で湯を吸わせ、デンプンを鍋に留めて炊く手法)で炊く。
  • 5 水分が減って木べらでなぞると鍋底が一瞬見えるようになったら、熱湯を100ml加える。これを2回行い、湯を合計700ml使い切る。
  • 6 2分おきに鍋底からしっかり混ぜ、パスタが鍋底に張り付かないようにする。
  • 7 投入から8分たったら、最も太い形のパスタを1本取り出して噛み、芯の残り具合を確かめる。以後は1分おきに同じ確認をする。
  • 8 最も太い形の中心にごく細い白い芯が残る状態になったら塩3gを加え、味を見て整える。
  • 9 パルミジャーノの皮を菜箸でつまみ出して捨てる。
  • 10 鍋底が乾いて焦げそうなときは、取り置いた熱湯200mlから50mlずつ足す。

完了の目安

最も太い形のパスタを噛んで中心にごく細い芯が残るアル・デンテになり、鍋の中身がスプーンですくうとゆっくり流れ落ちる程度のとろみになっていれば次へ進む。

注意点

パスタの形で火通りが違うため、最も厚いものの芯を確認する。

7約4分

火を止めてマンテカーレし、オイルと黒胡椒で仕上げる

  • 1 火を完全に止め、1分待って鍋の温度をわずかに下げる。
  • 2 プロヴォローネ・ピカンテのすりおろし40gを全量振り入れ、木べらで鍋底から30秒間力強く混ぜてマンテカーレ(火を止めてからチーズや油を混ぜ込み、デンプンと乳化させてソースにつやととろみを与える仕上げの技法)を行う。
  • 3 エクストラヴァージンオリーブオイル10mlを回しかけ、さらに15秒混ぜて全体につやを出す。
  • 4 とろみが強すぎる場合は、取り置いた熱湯を大さじ1(15ml)ずつ加えて伸ばす。
  • 5 温めた皿2枚に等分に盛り、表面をスプーンの背で軽くならす。
  • 6 仕上げ用のバジル3枚を手でちぎって2皿に散らし、挽きたての黒胡椒小さじ1/2を2皿に分けて振る。

完了の目安

チーズが糸を引かずに均一に溶け、皿に盛ったときにゆっくり広がってすぐには流れ落ちない濃度になっていれば完成。

注意点

チーズを加えてから加熱し続けると分離しやすい。

Chef Authen

作り方を読み終えたら。

その一皿を、コースにする。

作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。

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INGREDIENT OPTIONS

手に入る食材で、本格の輪郭を保つ

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)は、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。

かぼちゃ(栗かぼちゃ)の代わりに

バターナッツかぼちゃ

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

水分が多く繊維が細かいため、より滑らかで甘みの穏やかなソースになる。

ステップ3で注ぐ熱湯を300mlから200mlに減らす。

煮崩れにくいのでステップ4の煮込みを20分から25分に延ばす。

パスタ・ミスタ(混合ショートパスタ)の代わりに

ディタリーニ単一

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

食感の変化がなくなり均一な口当たりになるが、火通りは揃う。

ステップ6では形が1種なので、投入から8分後ではなく袋表示時間の2分前から噛んで芯を確かめる。

パスタ・ミスタ(混合ショートパスタ)の代わりに

スパゲッティを3cmに折ったもの

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

デンプンの溶け出しが多く、よりねっとりとした仕上がりになる。

ステップ6では投入後2分間、絶えず木べらで混ぜて束にならないようにする。

水の代わりに

顆粒野菜ブイヨンを溶いた湯

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

甘みの層が単調になり、旨み調味料由来の塩気が前に出る。

ステップ1で沸かす水900mlに顆粒野菜ブイヨン小さじ2を溶かしてから保温する。

塩気が加わるため、ステップ3で振る塩3gを1.5gに減らす。

水の代わりに

野菜のブロード

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

香味野菜の甘みと旨みが重なり、かぼちゃの甘さに厚みのある土台がつく。

ステップ1では水を沸かす代わりに、鍋に水1200mlと4つ割りの玉ねぎ80g・皮つき2cm輪切りのにんじん80g・3cm長さのセロリ60gを入れ、蓋をせず中火にかけ、沸いたら弱火で30分煮出す。

ざるで漉して野菜を除き(押し潰さない)、900mlに足りなければ湯を足して900mlに合わせ、小鍋でごく弱火に保温する。かぼちゃと香味の下ごしらえはこの30分の間に済ませる。

ブロードには塩を入れず、以降の手順で「熱湯」とある箇所はすべてこのブロードに置き換える。

プロヴォローネ・ピカンテ(すりおろし)の代わりに

パルミジャーノ・レッジャーノ

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

ミルクのコクが減り、塩味と旨みがより鋭くなる。

プロヴォローネ・ピカンテ(すりおろし)の代わりに

ペコリーノ・ロマーノ

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

塩味と羊乳の香りが強く、かぼちゃの甘みと対比的な味になる。

塩味が強いため、ステップ6で加える塩を3gから1.5gに減らす。

にんにくの代わりに

乾燥にんにくスライス

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

生の刺激的な立ち上がりが弱く、香ばしく乾いた香りになる。

ステップ2では冷たい油から始めず、オイルが温まってから乾燥にんにくスライス3gを加え、1分で色づく前に取り出す。

乾燥赤唐辛子の代わりに

粗挽き唐辛子フレーク

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

辛みが早く強く立ち、香油の香りがやや単調になる。

ステップ2では冷たい油に入れず、にんにくを取り出した直後に小さじ1/3を加え、20秒後に玉ねぎを入れる。

バジル(生)の代わりに

ミント(生)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

より清涼感のある後味になり、かぼちゃの甘さが軽く感じられる。

パルミジャーノの皮の代わりに

省略

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

旨みの奥行きが減り、かぼちゃの甘さが前面に出る。

ステップ3で皮を鍋に沈める操作と、ステップ6で取り出す操作を省く。

ナポリ/カンパーニャの街並み・風景
Napoli, Campaniaナポリ/カンパーニャ 写真:Armando Mancini · CC BY-SA 2.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

ナポリでは、パスタに一種類の野菜や豆を合わせて鍋ひとつで炊く「パスタ・エ・〜」の料理が、家庭の食卓を支えてきました。パスタ・エ・ファジョーリやパスタ・エ・パターテと並び、かぼちゃを使うパスタ・エ・ズッカもそのひとつです。

秋になると、ナポリの市場の八百屋には大きなかぼちゃが並び、切り分けて量り売りされます。保存のきくかぼちゃは冬まで台所にあり、秋から冬の昼食や夕食に繰り返し作られてきました。

使うパスタは、数種類の短いパスタを混ぜたパスタ・ミスタです。かつては量り売りの底に残った半端な麺を寄せ集めたもので、現在ではパスタ工場が最初から混ぜた状態で売っています。ブロードを引かずに炊く形も、家庭料理として受け継がれてきました。

QUESTIONS

よくある質問

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)にペコリーノ・ロマーノを使ってもいいですか?

使えます。ただしプロヴォローネ・ピカンテ(すりおろし)をペコリーノ・ロマーノに替えると本格度が10点下がります。塩味と羊乳の香りが強く、かぼちゃの甘みと対比的な味になる。塩味が強いため、ステップ6で加える塩を3gから1.5gに減らす。

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)にディタリーニ単一を使ってもいいですか?

使えます。ただしパスタ・ミスタ(混合ショートパスタ)をディタリーニ単一に替えると本格度が5点下がります。食感の変化がなくなり均一な口当たりになるが、火通りは揃う。ステップ6では形が1種なので、投入から8分後ではなく袋表示時間の2分前から噛んで芯を確かめる。

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)にスパゲッティを3cmに折ったものを使ってもいいですか?

使えます。ただしパスタ・ミスタ(混合ショートパスタ)をスパゲッティを3cmに折ったものに替えると本格度が5点下がります。デンプンの溶け出しが多く、よりねっとりとした仕上がりになる。ステップ6では投入後2分間、絶えず木べらで混ぜて束にならないようにする。

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)を失敗せずに作るコツはありますか?

つまずきやすいのは次の点です。硬いかぼちゃは切り口を下にして安定させ、刃の滑りに注意する。パスタの形で火通りが違うため、最も厚いものの芯を確認する。チーズを加えてから加熱し続けると分離しやすい。

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)を作るのにどれくらい時間がかかりますか?

2人分で合計1時間15分です(準備15分・調理1時間)。

パスタ・エ・ズッカ(かぼちゃのパスタ)は家庭で作るのが難しいですか?

難易度は5段階中2で、イタリア料理のなかでは作りやすい部類です。全7工程のうち仕上がりを左右するのは「湯900mlを沸かして保温し、かぼちゃを二段に切り分けて香味をそろえる」「パスタ・ミスタを直接投入し、熱湯を継ぎ足してリゾッタータに炊く」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。

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