AUTHENTIC RECIPE
Pastiera Napoletanaナポリ風リコッタと小麦のタルト
ナポリのイースターを象徴するタルト。煮た小麦(グラーノ・コット)・リコッタ・卵・砂糖・オレンジフラワーウォーターで作るフィリングをパスタ・フロッラに詰めて焼く。少なくとも1日置いてから食べるのが鉄則。
本場南イタリアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(10人分)
- 薄力粉(生地用)400g
- ラード(または無塩バター)200g伝統的にはラードを使う
- 砂糖(生地用)150g
- 全卵+卵黄(生地用)3個全卵1個+卵黄2個
- グラーノ・コット(缶詰の煮た小麦)400gイタリア食材店または輸入食材店で入手。前処理済みで便利
- 全乳(小麦煮込み用)200ml
- バター(小麦煮込み用)30g
- 羊乳リコッタ400g容器の水分を捨て、ペーパーで軽く押さえて水切りする
- 砂糖(フィリング用)250g
- 全卵(フィリング用)5個卵黄と卵白に分ける
- オレンジフラワーウォーター30mlパスティエーラの特徴的な香り。量を惜しまないこと
- キャンディドオレンジ・シトロンピール100g
- シナモン(粉)3g
- バニラ(ペーストまたはエッセンス)5ml
作り方
リコッタを水切りする
- 1 羊乳リコッタ400gの容器内の水分を捨てる。
- 2 キッチンペーパーで表面を軽く押さえる。
完了の目安
30分。水分が十分に切れれば次へ。
注意点
水分が多いとフィリングが水っぽくなる。しっかり水切りする。
グラーノ・コットを煮る
- 1 レモンの表皮だけをすりおろす。
- 2 グラーノ・コット400gを鍋に入れ、牛乳200ml・バター30g・すりおろしたレモンの皮を加える。
- 3 中火で15〜20分、牛乳を吸ってクリーム状になるまで混ぜ続ける。
- 4 冷ます。
完了の目安
15〜20分。牛乳を吸ってクリーム状になれば次へ(冷めるまで待つ)。
注意点
底が焦げないよう混ぜ続ける。
パスタ・フロッラを作り休ませる
- 1 ラード200gを薄力粉400gに擦り込む。
- 2 砂糖150g・卵3個を加えて素早くまとめる。
- 3 ラップして冷蔵庫で1時間休ませる。
完了の目安
まとまりのある生地になれば次へ(冷蔵庫で1時間後)。
注意点
こねすぎない。
フィリングを作る
- 1 水切りしたリコッタ400gと砂糖250gを滑らかになるまで混ぜる。
- 2 卵黄・オレンジフラワーウォーター30ml・バニラ・シナモン・刻んだキャンディドシトラスを加える。
- 3 冷ました小麦クリームを加えてよく混ぜる。
完了の目安
均一に混ざれば次へ。
注意点
オレンジフラワーウォーターを惜しまない。パスティエーラの香りの核心。
卵白を折り込む
- 1 卵白5個を固めに泡立てる。
- 2 リコッタ混合物に2回に分けてさっくり折り込む。
完了の目安
白い筋がなくなれば次へ。
注意点
泡をなるべく消さないよう折り込む。
型に詰め格子を飾る
- 1 オーブンを180℃に予熱する。
- 2 直径30cmのタルト型に生地の2/3を薄く敷き込む(側面も)。
- 3 フィリングを型の9割まで流し込む。
- 4 残りの生地で幅1cmの帯を作り格子状に飾る。
完了の目安
格子模様が完成すれば次へ。
パスティエラを焼く
- 1 180℃で65〜70分焼く。
完了の目安
表面がきつね色に、フィリングが固まれば焼き上がり。
注意点
表面が割れるのは正常。
冷まして寝かせる
- 1 完全に冷めてから冷蔵庫へ入れる。
- 2 最低1日置いてから提供する。
完了の目安
最低1日(できれば2日)。置くほど風味が一体化する。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
ナポリ風リコッタと小麦のタルトは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
ラード(または無塩バター)の代わりに
無塩バター
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
風味が若干変わるが完全に代替可能
グラーノ・コット(缶詰の煮た小麦)の代わりに
スペルト小麦(乾燥・前日から水に浸して茹でる)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
風味が若干変わるが代替として最適
乾燥状態から:前日に水に浸し、翌日30〜40分茹でる
羊乳リコッタの代わりに
牛乳リコッタ
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
風味のコクが若干落ちる
この料理について
ナポリではパスティエーラを「泣いていたフェルディナンド1世を笑わせた菓子」として語る伝説があります。国王を笑顔にするほどのものだという誇張は、この菓子のナポリにおける位置づけをよく表しています。
最重要の素材はオレンジフラワーウォーター(アクア・ディ・フィオーリ・ダランチョ)です。グラーノ・コット(煮た小麦)の素朴さ、リコッタのコク、シナモン・バニラ——全ての要素がこの香りによって一体化します。オレンジフラワーウォーターのない「パスティエーラ」は、根本的に異なる菓子です。
「焼いた翌日以降に食べる」という指示は慣習ではなく、機能的な理由があります。焼き立ては各素材が別々に主張しますが、一晩置くことで層が馴染み、香りが全体に行き渡ります。時間が料理の最後の工程になっています。
QUESTIONS
よくある質問
ナポリ風リコッタと小麦のタルトに無塩バターを使ってもいいですか?
使えます。ただしラード(または無塩バター)を無塩バターに替えると本格度が5点下がります。風味が若干変わるが完全に代替可能。
ナポリ風リコッタと小麦のタルトにスペルト小麦(乾燥・前日から水に浸して茹でる)を使ってもいいですか?
使えます。ただしグラーノ・コット(缶詰の煮た小麦)をスペルト小麦(乾燥・前日から水に浸して茹でる)に替えると本格度が5点下がります。風味が若干変わるが代替として最適。乾燥状態から:前日に水に浸し、翌日30〜40分茹でる。
ナポリ風リコッタと小麦のタルトに牛乳リコッタを使ってもいいですか?
使えます。ただし羊乳リコッタを牛乳リコッタに替えると本格度が5点下がります。風味のコクが若干落ちる。
ナポリ風リコッタと小麦のタルトを失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。水分が多いとフィリングが水っぽくなる。しっかり水切りする。底が焦げないよう混ぜ続ける。こねすぎない。
ナポリ風リコッタと小麦のタルトを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
10人分で合計27時間40分です(準備2時間30分・調理1時間10分・待ち時間24時間)。待ち時間は手を離せるため、他の料理と並行して進められます。
ナポリ風リコッタと小麦のタルトは家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中5で、技術の見極めが要る一皿です。全8工程のうち仕上がりを左右するのは「リコッタを水切りする」「グラーノ・コットを煮る」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
READER REVIEWS
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次の週末は、コース料理を家で。
すべての皿が、いちばんおいしい瞬間に。
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