AUTHENTIC RECIPE

Minestra di Ceci e Castagneミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)

Minestra di Ceci e Castagne(ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ))
難易度★★☆☆☆ 準備35分 調理2時間25分 待ち時間12時間 分量2人分 地方中部イタリア

乾燥ひよこ豆と干し栗をそれぞれ12時間水戻しし、同じ鍋でゆっくり煮崩して一体化させるトスカーナ山間部の冬のミネストラ。豆のでんぷんと栗の甘みが溶け合ってとろみが生まれるため、粉や生クリームは一切使わず、煮汁の量と火加減の管理だけで濃度を決めるのが要点。仕上げは焼いた硬いトスカーナパンの上に注ぎ、生のオリーブオイルと粗挽き黒胡椒で香りを立てる。浸水12時間は調理時間とは別に必要。

本場中部イタリアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。

材料(2人分)

2
  • 乾燥ひよこ豆180g重曹を加えた水に12時間浸して戻す。割れた豆や小石を除く
  • 干し栗120g別のボウルで12時間水戻しし、残った渋皮や黒ずみを取り除く
  • 水3100mlひよこ豆の浸水に1000ml、干し栗の浸水に600ml、煮込みに1200ml、目減り分の差し湯に最大300ml
  • エクストラヴァージン・オリーブオイル45ml30mlをソッフリットに、15mlを仕上げの生がけに使う
  • カンパーニュなどの素朴なパン(硬くなったもの)2枚伝統的には無塩のパンを使う地域もある。国内で入手できる甘くないパンを用いる。
  • 赤玉ねぎ60g5mm角に刻む
  • にんにく2片1片はつぶして炒め用、1片は焼いたパンにこすりつける用
  • ローズマリー1本10cm程度の枝。枝ごと油に香りを移して煮込み、仕上げ前に取り出す
  • セージ2枚生葉。枝ごとの香味と一緒に煮込み、仕上げ前に取り出す
  • ローリエ1枚煮込み用。仕上げ前に取り出す
  • ホールトマト(缶)80g手で細かくつぶす
  • 塩9g豆が柔らかくなってから加える
  • 黒胡椒小さじ0.5仕上げに粗く挽いて2皿に振る
  • 重曹2gひよこ豆の浸水水1Lに溶かし、皮を柔らかくする

作り方

1約12時間

ひよこ豆と干し栗を別々に12時間水戻しする

  • 1 並行(12時間の浸水の間に)干し栗の水が濁ったら一度替え、栗全体が水面下に沈むよう皿などで押さえておく。
  • 2 乾燥ひよこ豆180gをボウルに広げ、割れた豆・変色した豆・小石を取り除く。
  • 3 別のボウルに水1000mlを入れ、重曹2gを溶かし切る。
  • 4 重曹水にひよこ豆を沈め、ラップをかけて常温の暗所で12時間置く。
  • 5 さらに別のボウルに干し栗120gと水600mlを入れ、同じく常温の暗所で12時間置く。

完了の目安

ひよこ豆が元の2倍以上にふくらみ、指で挟むと表面がわずかにへこむ状態になれば戻し終わり。

干し栗が角の丸い弾力のある状態になり、爪が軽く入れば戻し終わり。

注意点

浸水は冷蔵庫で行い、常温に長く置かない。

2約20分

戻した豆と栗の下処理を終え、香味を刻む

  • 1 ひよこ豆をざるにあけ、流水で重曹水のぬめりがなくなるまでよく洗い、水気を切る。
  • 2 干し栗をざるにあけて戻し汁を捨て、1粒ずつ確認して残った渋皮や黒ずんだ部分を包丁の先で削り取る。
  • 3 干し栗の大きいものは半分に割り、すべて2cm大に揃える。
  • 4 赤玉ねぎ60gを5mm角に刻む。
  • 5 にんにく1片を包丁の腹でつぶして皮をむく(もう1片は仕上げのパン用に皮つきのまま取り置く)。
  • 6 ホールトマト80gをボウルに入れ、手で細かくつぶす。
  • 7 ローズマリー1本とセージ2枚、ローリエ1枚を水洗いして水気を拭き、枝葉のまま煮込み用にまとめておく。

完了の目安

ひよこ豆の洗い水が泡立たず澄んでいれば重曹が落ちている。

干し栗に黒い渋皮の残りが見えず、大きさが2cm前後に揃っていれば下処理完了。

注意点

重曹の洗い残しは、えぐみの原因になる。

3約15分

ソッフリットを立ててトマトを煮詰める

  • 1 並行(玉ねぎを炒めている間に)別の鍋かケトルで水1200mlを沸かし始める。
  • 2 厚手の鍋にエクストラヴァージン・オリーブオイル30mlを入れ、弱火でつぶしたにんにく1片を加えて2〜3分、香りが立つまで温める。
  • 3 赤玉ねぎ60gを加え、弱めの中火で8〜10分、色づけずに透き通ってしんなりするまで木べらで混ぜながら炒め、ソッフリット(香味野菜を油でゆっくり炒めた土台)を作る。
  • 4 セージ2枚、ローリエ1枚、ローズマリーの枝1本を加え、弱火で1分炒めて香りを油に移す。
  • 5 つぶしたホールトマト80gを加え、中火で4〜5分、水分が飛んで油とトマトが分離し始めるまで木べらで混ぜながら煮詰める。

完了の目安

玉ねぎが透明で甘い香りになり、焦げ色がついていなければソッフリットは完成。

トマトの水分が飛んで鍋底に赤い油が浮き、木べらでなぞると筋が数秒残れば煮詰まり完了。

4約10分

豆と栗を鍋に合わせ、沸かしてアクを引く

  • 1 ソッフリットの鍋に水気を切ったひよこ豆と下処理した干し栗を加え、木べらで2分ほど返して油と香味をからめる。
  • 2 沸かしておいた熱湯1200mlを注ぎ、強火にして表面が沸くまで加熱する。
  • 3 浮いてきた白い泡状のアクをお玉で3〜4回すくって捨てる。

完了の目安

鍋全体が沸き立ち、すくうべき灰白色の泡がほぼ出なくなれば次へ進む。

5約1時間30分

ごく弱火で90分煮て、豆と栗を柔らかくする

  • 1 並行(煮込みの間に)ローズマリーの枝から葉が落ちて散らばっていないか確認し、枝だけになっていたら菜箸で取り出す。
  • 2 蓋を少しずらしてのせ、ごく弱火にして表面が時折ポコッと揺れる程度を保ち、90分煮る。
  • 3 30分ごとに鍋底から木べらで静かに混ぜ、焦げつきがないか確認する。
  • 4 水面が具材より下がっていたら、その都度熱湯を100mlずつ(合計300mlまで)足し、具材が2cmかぶる状態に保つ。

完了の目安

ひよこ豆を指で潰すと抵抗なく崩れ、干し栗が箸ですっと割れるようになれば煮込みは終わり。

まだ豆の芯が硬ければ、さらに15分単位で煮続ける判断をする。

6約35分

塩を入れ、一部をつぶして煮汁に濃度をつける

  • 1 並行(30分煮る間に)甘くない田舎パンを厚さ1.5cmに2枚切り、皮つきにんにく1片を半分に切って準備しておく。
  • 2 ローリエ1枚、ローズマリーの枝、セージの葉を菜箸で取り出して捨てる。
  • 3 塩9gを加え、木べらで全体を混ぜて溶かす。
  • 4 お玉で豆と栗を1/3量だけ別のボウルに取り出し、フォークかマッシャーで粗くつぶしてから鍋に戻す。
  • 5 蓋を外したまま弱火で30分、5〜8分おきに鍋底をこそげるように混ぜながら煮て濃度をつける。

完了の目安

お玉ですくって落としたとき、糸を引かずぽってりと落ちる濃度になれば仕上がり。

粒の形が残る豆と溶けた煮汁が混在し、表面に薄い膜が張る状態になれば火を止めてよい。

注意点

とろみが付くと鍋底が焦げやすい。

7約10分

焼いたパンを敷いて注ぎ、生のオイルと黒胡椒で仕上げる

  • 1 並行(パンを焼く間に)鍋のスープを弱火で温め直し、湯気が立つ状態を保つ。
  • 2 深皿2枚に熱湯を8分目まで注いで1分置き、湯を捨てて布巾で水気を拭き、皿を温めておく。
  • 3 甘くない田舎パン2枚を、乾いたフライパンかグリルで両面を中火で各1分半〜2分、焼き色がつくまで焼く。
  • 4 熱いうちに、半分に切った皮つきにんにくの断面をパンの片面全体にこすりつける。
  • 5 温めた深皿にパンを1枚ずつ敷く。
  • 6 スープを鍋から静かにすくい、パンが完全に隠れるまで各皿に等分して注ぐ。
  • 7 エクストラヴァージン・オリーブオイル15mlを2皿に分け、円を描くように回しかける。
  • 8 黒胡椒小さじ1/2を粗挽きにして2皿に振る。
  • 9 皿のまま3分置き、パンにスープを吸わせる。

完了の目安

パンがスープを吸って底で柔らかくなり、表面にオリーブオイルの香りが立てば食卓に出せる。

Chef Authen

作り方を読み終えたら。

その一皿を、コースにする。

作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。

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INGREDIENT OPTIONS

手に入る食材で、本格の輪郭を保つ

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)は、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。

乾燥ひよこ豆の代わりに

ひよこ豆の水煮(缶)

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

煮汁にでんぷんが出にくく、とろみと豆の風味が薄くなる。

ひよこ豆の浸水と重曹の工程を省く(干し栗の浸水のみ行う)。

下処理では干し栗の渋皮取りと2cm大への切り揃えだけを行い、ひよこ豆の重曹水洗いは省く。

煮込み開始時に注ぐ熱湯を1000mlに減らし、干し栗だけで煮始める。

水気を切って流水で洗った水煮ひよこ豆400gを、90分の煮込みの残り30分の段階で鍋に加える。

とろみが足りない場合は、つぶす量を豆と栗の1/2に増やす。

干し栗の代わりに

生栗(鬼皮つき)

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

甘みは強くなるが、干し栗特有の燻したような凝縮感が消える。

干し栗の浸水を省く(ひよこ豆の浸水のみ行う)。

下処理では、生栗200gの丸い面に十字の切り込みを入れて10分下ゆでし、熱いうちに鬼皮と渋皮をむいて2cm大に割る。

むいた生栗は煮込み開始時ではなく、90分の煮込みの残り40分の段階で鍋に加える。

干し栗の代わりに

蒸し栗(真空パック)

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

栗の風味が穏やかで甘さが前に出て、煮汁に栗の香りが移りにくい。

干し栗の浸水を省く(ひよこ豆の浸水のみ行う)。

下処理での栗の渋皮取りと切り揃えは不要。

蒸し栗150gを90分の煮込みの残り20分の段階で加え、崩れすぎないよう静かに煮る。

水の代わりに

野菜ブロード(無塩)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

下味に厚みが出て、香味野菜の甘みがわずかに強まるが、豆と栗の素朴さは隠れる。

浸水には水を使い、煮込みの熱湯1200mlと差し湯300mlだけを無塩の野菜ブロードに置き換える。

仕上げの塩を8gに減らす。

エクストラヴァージン・オリーブオイルの代わりに

米油+オリーブオイル少量

代わりに使える食材 · 本格度 -35点

青い辛みと果実香が失われ、仕上げの香りの立ち上がりが弱くなる。

ソッフリットには米油25mlとオリーブオイル5mlを合わせて使う。

仕上げの生がけはオリーブオイル15mlのまま変えず、香りが弱いぶん黒胡椒を小さじ3/4に増やして振る。

カンパーニュなどの素朴なパン(硬くなったもの)の代わりに

カンパーニュ(塩入り)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

パン自体の塩気と酸味が加わり、スープの塩味がやや強く感じられる。

スープに加える塩を8gに減らす。

赤玉ねぎの代わりに

黄玉ねぎ

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

甘みが穏やかになり、後味がすっきりする。

にんにくの代わりに

乾燥ガーリック(粗粒)

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

甘い焙煎香に寄り、生にんにくの立体的な香りが出ない。

炒め用のにんにくの代わりに乾燥ガーリック2gを赤玉ねぎと一緒に炒める。

焼いたパンににんにくをこすりつける工程は省く。

ローズマリーの代わりに

乾燥ローズマリー

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

樹脂的な苦みが強く出て、清涼感のある香りが弱まる。

生の枝の代わりに、乾燥ローズマリー1.5gを茶パックに入れてソッフリットに加える。

茶パックは煮詰め工程の前に取り出す。

セージの代わりに

乾燥セージ

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

乾いた薬草香になり、栗の甘みとの馴染みが弱くなる。

生葉の代わりに乾燥セージ0.5gをソッフリットの香味と一緒に加える。

ローリエの代わりに

省略

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香りの奥行きがやや減るが、豆と栗の味は保たれる。

ソッフリットにローリエを加えず、煮込み後に取り出すのはローズマリーの枝とセージだけにする。

ホールトマト(缶)の代わりに

トマトペースト

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

酸味が減って甘みと濃度が増し、色が濃くなる。

ホールトマトの代わりにトマトペースト20gをソッフリットに加え、1分だけ炒める。

煮込み開始時に注ぐ熱湯を1280mlに増やす。

黒胡椒の代わりに

白胡椒

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

刺激は残るが、粗挽き黒胡椒の香ばしい香りが出ない。

ヴィテルボ・サン・ペッレグリーノ通りの街並み・風景
Viterbo, Via San Pellegrinoヴィテルボ・サン・ペッレグリーノ通り 写真:Sailko · CC BY 3.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

栗とひよこ豆のミネストラは、中部イタリアに伝わる秋の料理です。ヴィテルボの郷土料理にもこの組み合わせが見られ、畑の豆と山の実りが一つの食卓へ集まります。

栗が出回る季節に温かな器を囲み、パンとともに味わいます。土地ごとに香草や豆の扱いは変わりますが、秋の収穫を無駄なく食事へつなぐ楽しみは共通しています。

QUESTIONS

よくある質問

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)にひよこ豆の水煮(缶)を使ってもいいですか?

作れますが、乾燥ひよこ豆をひよこ豆の水煮(缶)に替えると本格度が20点下がります。煮汁にでんぷんが出にくく、とろみと豆の風味が薄くなる。ひよこ豆の浸水と重曹の工程を省く(干し栗の浸水のみ行う)。

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)に蒸し栗(真空パック)を使ってもいいですか?

作れますが、干し栗を蒸し栗(真空パック)に替えると本格度が20点下がります。栗の風味が穏やかで甘さが前に出て、煮汁に栗の香りが移りにくい。干し栗の浸水を省く(ひよこ豆の浸水のみ行う)。

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)に生栗(鬼皮つき)を使ってもいいですか?

使えます。ただし干し栗を生栗(鬼皮つき)に替えると本格度が10点下がります。甘みは強くなるが、干し栗特有の燻したような凝縮感が消える。干し栗の浸水を省く(ひよこ豆の浸水のみ行う)。

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)を失敗せずに作るコツはありますか?

つまずきやすいのは次の点です。浸水は冷蔵庫で行い、常温に長く置かない。重曹の洗い残しは、えぐみの原因になる。とろみが付くと鍋底が焦げやすい。

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)を作るのにどれくらい時間がかかりますか?

2人分で合計15時間です(準備35分・調理2時間25分・待ち時間12時間)。待ち時間は手を離せるため、他の料理と並行して進められます。

ミネストラ・ディ・チェチ・エ・カスターニェ(ひよこ豆と干し栗のスープ)は家庭で作るのが難しいですか?

難易度は5段階中2で、イタリア料理のなかでは作りやすい部類です。全7工程のうち仕上がりを左右するのは「ひよこ豆と干し栗を別々に12時間水戻しする」「戻した豆と栗の下処理を終え、香味を刻む」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。

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