AUTHENTIC RECIPE

Tarte Normandeタルト・ノルマンド

Tarte Normande(タルト・ノルマンド)
難易度★★★★☆ 準備1時間46分 調理1時間15分 待ち時間4時間 分量6人分 地方ブルターニュと西部・カーン

ノルマンディーの林檎とクレーム・フレッシュ、カルヴァドスを重ねた古典的な焼き込みタルト。砂糖を10gだけに抑えたパート・ブリゼを空焼きし、卵白を塗って焼く目止めをしてから、アーモンドパウダー入りの濃厚なアパレイユ(流し込む卵液)を注ぎ、放射状に並べた林檎をゆっくり焼き固める。冷たいバターの粒を残す生地作り、角まで密着させた敷き込みと空焼きでの浮き・縮み防止、林檎の水分とアパレイユの凝固を合わせる火加減の見極めが要で、手間をかけた分だけ底の歯切れと林檎の輪郭が残る。直径22cmの型で焼き、室温まで完全に冷ましてから、供する直前に粉糖を振って仕上げる。

本場ブルターニュと西部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。

材料(6人分)

6
  • 薄力粉130gパート・ブリゼ用。使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく
  • 打ち粉用の薄力粉10g台と麺棒に振る。生地を伸ばすために使う
  • 無塩バター(生地用)70g1.5cm角に切って冷凍庫で15分冷やす。パート・ブリゼの層を作る
  • グラニュー糖(生地用)10gパート・ブリゼは砂糖を控え、歯切れを残す
  • 塩3g生地に2g、アパレイユに1g
  • 卵黄(生地用)1個冷水と合わせて生地をまとめるバインダー。卵白は目止め用に取り置く
  • 卵白(目止め用)1個生地に使った卵の卵白。空焼き後の目止めに10g使う
  • 冷水20ml氷水から取り分ける。生地の水分量を決める
  • 林檎(酸味のある品種)400g紅玉など。皮と芯を除いた正味。厚さ5mmのスライスにそろえる
  • クレーム・フレッシュ(乳酸発酵させた濃厚な生クリーム)100mlアパレイユの主体。乳脂肪30%以上のものAmazonで探す楽天市場で探す
  • 全卵(アパレイユ用)1個常温に戻す。アパレイユを凝固させる
  • グラニュー糖(アパレイユ用)50gアパレイユの甘みと焼き色を決める
  • アーモンドパウダー40g皮なし。アパレイユの水分を受け止めて底を守る
  • カルヴァドス(林檎のブランデー)30mlアパレイユに20ml、林檎のソテーに10ml
  • バニラビーンズ1本縦に割いて種をこそげ、アパレイユに加える
  • 無塩バター(林檎用)15g3回に分けて5gずつ使い、林檎を軽くソテーする
  • 粉糖(仕上げ用)5g供する直前に茶漉しで表面全体に振る

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作り方

1約25分

冷たいバターの粒を残してパート・ブリゼの生地をまとめる

  • 1 並行(バターを冷凍庫で冷やす間に)作業台と麺棒を拭き、打ち粉用の薄力粉10gを小さなボウルに用意しておく。
  • 2 無塩バター(生地用)70gを1.5cm角に切り、バットに広げて冷凍庫で15分冷やす。
  • 3 薄力粉130g、グラニュー糖(生地用)10g、塩2gをボウルに入れて泡立て器で30秒混ぜ、ボウルごと冷蔵庫で冷やしておく。
  • 4 氷水を用意し、そこから冷水20mlを計量して卵黄1個と溶き混ぜ、冷蔵庫に戻す(卵白はラップをして冷蔵庫に取り置く)。
  • 5 冷えた粉のボウルに冷凍したバターを加え、カード(ドレッジ)でバターを粉ごと刻むように切り、5mm角程度のそぼろ状にする。
  • 6 指先でバターを粉に押しつぶしながら素早くすり混ぜ、粗いパン粉状にする。
  • 7 卵黄と冷水の液を3回に分けて回しかけ、その都度カードで切るように混ぜて粉気をなくす。
  • 8 生地を台に出し、手のひらの付け根で向こうへ2〜3回だけ押し伸ばして(フレゼ)まとめ、厚さ2cmの円盤にしてラップで包む。

完了の目安

生地の表面にバターの大理石模様が筋状に見え、握ると崩れずにまとまる状態。

注意点

こねすぎると焼き縮みしやすい。

2約1時間

生地を冷蔵庫で1時間休ませてグルテンを緩める

  • 1 並行(生地を休ませる間に)直径22cmのタルト型(底取れ式)の内側を乾いた布で拭き、型より大きいクッキングシートを1枚切り、重石(タルトストーン)を計量して用意しておく。
  • 2 ラップで包んだ生地を冷蔵庫の一番冷える段に入れ、1時間休ませる。

完了の目安

生地が全体に均一に締まり、指で押すと跡がゆっくり残る状態。

3約20分

生地を伸ばして22cm型の角まで密着させる

  • 1 打ち粉をした台で生地を直径30cm、厚さ3mmの円形に麺棒で伸ばす。
  • 2 生地を麺棒に緩く巻き取って直径22cmのタルト型の上へ移し、中央から外へ広げる。
  • 3 底の角に生地を落とし込み、側面は指の腹で型の壁に押し当てて角まで密着させる。
  • 4 はみ出した生地は型の縁で麺棒を転がして切り落とす。
  • 5 フォークで底全体に2cm間隔でピケ(空気穴)を開ける。

完了の目安

底と側面の角に空気の入った浮きがなく、型の縁まで均一な厚さで生地が張りついている状態。

注意点

生地を無理に引っ張ると、焼成時に縮みやすい。

補足

生地が硬く割れる場合は室温で3〜5分、柔らかすぎる場合は冷蔵庫で5分置く。

4約30分

型ごと冷やして焼き縮みを止める

  • 1 並行(冷やす間に)オーブンを180℃に予熱する。
  • 2 生地を敷いた型を天板にのせ、ラップをかけずに冷蔵庫で30分冷やす。

完了の目安

生地の表面が乾いて締まり、指で触れても柔らかく凹まない状態。

5約30分

空焼きで縮まない焼き締まった台を作る

  • 1 冷えた生地にクッキングシートを敷き、重石(タルトストーン)を側面の角まで隙間なく詰める。
  • 2 180℃のオーブンの中段で20分焼く。
  • 3 重石とシートを外し、180℃でさらに8分焼き、底が淡いきつね色になったら取り出す。

完了の目安

底面に生焼けの白い部分がなく、全体が均一な淡いきつね色になっている。

側面が型から離れず、高さが保たれている。

6約6分

卵白を焼きつけて底を目止めする

  • 1 取り置いた卵白をフォークで軽くほぐし、そのうち10gを空焼き直後の熱い台の底と側面の内側に刷毛で薄く塗る。
  • 2 型を180℃のオーブンに戻して3分焼き、卵白が乾いて薄い膜になったら取り出して網にのせる。
  • 3 オーブンの設定温度を170℃に下げる。

完了の目安

底一面が薄く光る乾いた膜で覆われ、指で触れてもべたつかない状態。

7約25分

林檎を3回に分けてソテーし、カルヴァドスをまとわせる

  • 1 林檎の皮をむき、芯を除いて正味400gを用意し、厚さ5mmのスライスに切りそろえる。
  • 2 直径26cm程度のフライパンに無塩バター(林檎用)5gを入れて中火で溶かし、泡が細かくなったら林檎の1/3量を重ならないように一層で並べる。
  • 3 中火のまま片面2分焼き、フライ返しで静かに返してさらに2分焼き、薄い焼き色がついたらバットに一列に広げる。
  • 4 残り2回分も同じように、その都度バター5gを溶かして林檎を一層に並べ、片面2分ずつ焼いてバットに広げる。
  • 5 3回分の林檎をすべてフライパンに戻し入れ、火を止めてカルヴァドス10mlを全体に回しかける。
  • 6 再び中火にかけ、フライパンを揺すりながら30〜40秒煮立ててアルコール臭を飛ばす。
  • 7 林檎を重ねずにバットへ広げ、フライパンに残った果汁は加えずに捨てる。

完了の目安

林檎の角が丸まらず形が保たれ、表面に薄い焼き色がついている。

フライパンの底に液体がほとんど残らず、アルコールの刺すような匂いが消えている。

注意点

カルヴァドスには着火しない。

8約15分

アーモンド入りアパレイユを均一に仕上げる

  • 1 並行(アパレイユ(流し込む生地・卵液)を作る間に)林檎を広げたバットを風の当たる場所に置き、粗熱を取る。
  • 2 ボウルに全卵1個とグラニュー糖(アパレイユ用)50gを入れ、泡立て器で白っぽくなるまで1分混ぜる。
  • 3 バニラビーンズ1/2本を縦に割き、ナイフの背で種をこそげてボウルに加える。
  • 4 クレーム・フレッシュ(乳酸発酵させた濃厚な生クリーム)100mlと塩1gを加え、泡立てないようにゆっくり20回混ぜる。
  • 5 アーモンドパウダー40gを篩い入れ、ゴムべらで粉気がなくなるまで混ぜる。
  • 6 カルヴァドス20mlを加えて10回混ぜ、目の細かい漉し器で別のボウルに漉す。

完了の目安

表面に粉のダマや卵の白い筋がなく、とろりと均一に流れる状態。

林檎が手で触れてぬるいと感じる程度まで下がり、湯気が立たなくなった状態。

注意点

空気を含ませすぎると、焼成後に大きく沈む。

9約10分

林檎を放射状に並べてアパレイユを縁下3mmまで注ぐ

  • 1 目止めしたタルト台に、冷ました林檎のスライスを中心から外へ放射状に、少し重ねながら隙間なく並べる。
  • 2 アパレイユを林檎の隙間からゆっくり注ぎ、型の縁から3mm下まで満たす。
  • 3 型を天板にのせ、表面を軽く揺すってアパレイユを水平にならす。

完了の目安

アパレイユが林檎の間まで行き渡り、縁から3mm下で水平になっている状態。

10約45分

170℃でアパレイユをゆっくり焼き固める

  • 1 天板ごと170℃のオーブンの中段に入れ、42〜45分焼く。
  • 2 焼き上がったら型ごと取り出し、網にのせる。

完了の目安

表面が全体に淡い黄金色になり、中心を軽く揺らしたとき波打たずぷるんと一体で動く状態。

竹串を中心に刺して、液状のアパレイユが付いてこない状態。

11約2時間30分

室温で2時間半冷ましてアパレイユを落ち着かせる

  • 1 型ごと網にのせたまま、直射日光と風の当たらない室温に2時間30分置いて完全に冷ます。

完了の目安

型の底に触れても熱が残らず、型を持ち上げても中心が揺れない状態。

12約5分

型から外し、粉糖を振って供する

  • 1 底取れ式の型の側面を下げて外し、パレットナイフを底板との間に差し込んでタルトを外し、皿に移す。
  • 2 供する直前に、茶漉しで粉糖5gを表面全体に薄く振る。

完了の目安

表面全体が均一に白く覆われ、林檎の起伏が粉糖越しに見える状態。

Chef Authen

作り方を読み終えたら。

その一皿を、コースにする。

作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。

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INGREDIENT OPTIONS

手に入る食材で、本格の輪郭を保つ

タルト・ノルマンドは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。

薄力粉の代わりに

薄力粉+強力粉(9:1)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

生地がやや締まり、ほろほろ感が減って香ばしさが増す。

薄力粉の代わりに

中力粉

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

ほぼ同じだが、わずかに歯切れが強くなる。

グラニュー糖(生地用)の代わりに

粉糖

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

生地の表面がなめらかになり、ほろつきよりも口溶けが前に出る。

粉糖は薄力粉と一緒に篩ってから混ぜる。

塩の代わりに

細粒の海塩

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

ミネラル感が加わり、林檎の甘みがわずかに立つ。

林檎(酸味のある品種)の代わりに

ふじ

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

酸味が弱く甘さが前に出て、煮崩れしにくいため輪郭が強く残る。

甘みが強い分、アパレイユのグラニュー糖を40gに減らす。

水分が出にくいので、ソテーは片面2分30秒ずつに延ばして焼き色を濃くつける。

林檎(酸味のある品種)の代わりに

グラニースミス

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

はっきりした酸味と固い果肉で、より引き締まった味になる。

クレーム・フレッシュ(乳酸発酵させた濃厚な生クリーム)の代わりに

生クリーム(乳脂肪38%)+プレーンヨーグルト15g

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

乳酸の香りが弱まり、甘さがやや平板になる。

生クリーム85mlとヨーグルト15gを泡立て器で均一に混ぜてからアパレイユに加える。

クレーム・フレッシュ(乳酸発酵させた濃厚な生クリーム)の代わりに

サワークリーム

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

酸味が強く出て、より締まった口当たりになる。

グラニュー糖(アパレイユ用)の代わりに

カソナード(きび砂糖)

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

糖蜜のコクが加わり、焼き色が濃くなる。

アーモンドパウダーの代わりに

アーモンドパウダー(皮付き)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香りが強く、断面に茶色い粒が見える。

アーモンドパウダーの代わりに

薄力粉15g

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

アーモンドの香ばしさとコクが失われ、素朴なフラン状の食感になる。

薄力粉15gを篩ってから加え、混ぜすぎないよう20回以内で止める。

カルヴァドス(林檎のブランデー)の代わりに

アップルブランデー

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

樽香がやや弱く、林檎の香りが素直に出る。

カルヴァドス(林檎のブランデー)の代わりに

シードルを1/4まで煮詰めたもの

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

アルコールの芯がなくなり、酸味と甘みだけの穏やかな林檎感になる。

シードル120mlを小鍋で強めの中火にかけ、30mlになるまで約8分煮詰めて冷ます。

冷めた煮詰めシードルを、カルヴァドスと同じ分量(ソテーに10ml、アパレイユに20ml)で置き換える。

バニラビーンズの代わりに

バニラエクストラクト

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香りが単調になり、黒い斑点が出ない。

バニラエクストラクト小さじ1/2(2.5ml)をアパレイユの最後に加える。

無塩バター(林檎用)の代わりに

有塩バター

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

林檎の表面にかすかな塩気が乗り、甘さが締まる。

ベルトゥーヴィルのりんご園/ノルマンディーの街並み・風景
Berthouville, Normandieフランスの風景 · ベルトゥーヴィルのりんご園/ノルマンディー 写真:Stanzilla · Public domain(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

カルヴァドス県の県庁所在地カーンを含むノルマンディー地方は、林檎とバター、クリームの土地です。雨の多い気候が牧草を育て、牧草地には背の高い林檎の木が並んでいます。

林檎の収穫は9月から11月にかけて続きます。実はシードルやカルヴァドスの原料になるほか、酸味のある品種は菓子にも使われ、タルト・ノルマンドは収穫期の家庭で焼かれてきた菓子です。

林檎、クレーム・フレッシュ、カルヴァドスと、生地以外の主役がすべてこの土地の産物で占められているのが特徴です。現在もノルマンディーのパン屋や菓子店に並ぶ定番で、週末の家族の食卓でも食後に切り分けられています。

QUESTIONS

よくある質問

タルト・ノルマンドに薄力粉15gを使ってもいいですか?

作れますが、アーモンドパウダーを薄力粉15gに替えると本格度が20点下がります。アーモンドの香ばしさとコクが失われ、素朴なフラン状の食感になる。薄力粉15gを篩ってから加え、混ぜすぎないよう20回以内で止める。

タルト・ノルマンドにふじを使ってもいいですか?

使えます。ただし林檎(酸味のある品種)をふじに替えると本格度が10点下がります。酸味が弱く甘さが前に出て、煮崩れしにくいため輪郭が強く残る。甘みが強い分、アパレイユのグラニュー糖を40gに減らす。

タルト・ノルマンドに生クリーム(乳脂肪38%)+プレーンヨーグルト15gを使ってもいいですか?

使えます。ただしクレーム・フレッシュ(乳酸発酵させた濃厚な生クリーム)を生クリーム(乳脂肪38%)+プレーンヨーグルト15gに替えると本格度が10点下がります。乳酸の香りが弱まり、甘さがやや平板になる。生クリーム85mlとヨーグルト15gを泡立て器で均一に混ぜてからアパレイユに加える。

タルト・ノルマンドを失敗せずに作るコツはありますか?

つまずきやすいのは次の点です。こねすぎると焼き縮みしやすい。生地を無理に引っ張ると、焼成時に縮みやすい。カルヴァドスには着火しない。

タルト・ノルマンドを作るのにどれくらい時間がかかりますか?

6人分で合計7時間1分です(準備1時間46分・調理1時間15分・待ち時間4時間)。待ち時間は手を離せるため、他の料理と並行して進められます。

タルト・ノルマンドは家庭で作るのが難しいですか?

難易度は5段階中4で、技術の見極めが要る一皿です。全12工程のうち仕上がりを左右するのは「冷たいバターの粒を残してパート・ブリゼの生地をまとめる」「生地を伸ばして22cm型の角まで密着させる」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。

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