AUTHENTIC RECIPE
Cailles aux Raisinsカイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)
葡萄の収穫期(ヴァンダンジュ)に仕立てるブルゴーニュの古典的な小禽料理。背脂のバルド(脂身の薄板)で覆って糸で縛ったうずらを鍋で色よく焼き、マール・ド・ブルゴーニュと白ワインでデグラッセし、皮を剥いて種を抜いた白葡萄を最後に温める。焼き汁と鶏のフォンを煮詰め、生クリームと冷たいバターで繋いだソースを、バターで焼いたクルトンに載せたうずらにかける。小禽の火入れと葡萄の食感を壊さない温め加減が要となる。
本場リヨンとブルゴーニュで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(2人分)
- うずら(丸鶏)4羽内臓処理済みのもの。首と足先を落とし、水気を完全に拭き取る。1人2羽
- 背脂のバルド(脂身の薄板)4枚厚さ2mm・幅8cm程度にスライスしたもの。うずらの胸を覆い、調理用の糸で縛って乾燥を防ぐ
- 白ぶどう300g種なし、または種を除く。特定の外国品種を必須としない。
- 鶏のフォン250ml準備済みの無塩の鶏のフォン。濃縮品は表示どおり薄めた量。
- 辛口白ワイン100mlシャルドネなど樽香の強すぎないもの。デグラッセに使う
- マール・ド・ブルゴーニュ30ml火を止めてから注ぎ、着火させずに煮立ててアルコール分を飛ばす
- 生クリーム(乳脂肪40%前後)60ml液状の乳製品の生クリーム。
- 無塩バター60gクルトン15g、肉の焼き付け15g、ソース30g。
- エシャロット60g2個程度。極細のみじん切り
- グレープシードオイル10mlバターの焦げ止めとして焼き始めに加える
- 食パン(クルトン用)2枚厚さ1.5cm。耳を落として1辺8cmの正方形に切り、うずらを載せる台にする
- タイム2本生の枝。うずらの腹に1/2本ずつ詰める
- ローリエ1枚鍋での火入れ中に加え、ソースを漉す前に取り除く
- 塩5g下味3g、ソース2g。
- 黒胡椒1g仕上げに挽きたてを使う
- チャービル4本盛り付け直前に添える
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買い物リストをつくる作り方
白葡萄をモンデして果肉だけにする
- 1 鍋に湯1Lを沸かし、別に氷水を張ったボウルを用意する。
- 2 白葡萄300gを房から外し、沸騰した湯に10〜15秒だけ浸してから、すぐに氷水に取る。
- 3 冷めた葡萄の皮を指先とペティナイフでつまむように剥く(モンデ=湯むきして皮と種を除く下処理)。
- 4 皮を剥いた葡萄を縦半分に割り、ナイフの先で種をすべて取り除き、ボウルに入れて冷蔵庫に置く。
完了の目安
300g分すべての皮と種が除かれ、果肉が透き通って崩れていない状態になっていること。
うずらにタイムを詰めて脂身を巻く
- 1 うずら4羽の腹の中と表面の水気をペーパーで完全に拭き取る。
- 2 タイム2本をそれぞれ半分に折り、各うずらの腹に1/2本ずつ詰める。
- 3 塩5gのうち3gを、4羽の表面と腹の内側に均等に振る。
- 4 背脂のバルド(脂身の薄板)1枚を各うずらの胸に被せ、調理用の糸で胸から腿を巻き込むように縛り、脚を体に沿わせて留める(バルデ=脂で覆って縛る)。
完了の目安
4羽が胸を覆われた状態で崩れず縛られ、クルトンが両面きつね色で乾いていること。
注意点
糸を強く締めると、加熱中に皮が裂ける。
うずらに焼き色を付けて火を通す
- 1 並行(うずらを加熱する間に)オーブンを80℃に温め、エシャロット60gを極細のみじん切りにする。
- 2 厚手の鍋(うずら4羽が重ならない大きさ)にグレープシードオイル10mlとバター15gを入れ、中火で泡が細かくなるまで熱する。
- 3 うずらを背を下にして並べ、各面2分ずつ転がしながら計8分ほど焼き、全面に均一なきつね色をつける。
- 4 ローリエ1枚を鍋に加え、蓋をして弱めの中火で8分、2分おきに向きを変えながら火を入れる。
- 5 糸とバルドを外し、胸の表面を1〜2分焼く。清潔な温度計で胸肉と腿肉の中心75℃以上で1分以上を確認する。
- 6 網付きバットへ移し、アルミ箔を軽くかぶせ、80℃のオーブンでソースができるまで保温する。
完了の目安
表面に焼き色が付き、胸肉と腿肉が中心75℃以上で1分以上加熱されていれば次へ。
エシャロットを炒め、マールと白ワインでデグラッセする
- 1 並行(煮詰めている間に)バター70gの残り30gを1cm角に切り、冷蔵庫で冷やしておく。
- 2 うずらを焼いた鍋の脂を大さじ1だけ残し、余分な脂を捨てる。
- 3 刻んだエシャロット60gを入れ、弱めの中火で2分炒める。
- 4 いったん火を止め、マール・ド・ブルゴーニュ30mlを注ぎ、木べらで鍋底の焼き付いた旨みをこそげ落としてデグラッセ(鍋底の旨みを液体で煮溶かすこと)する。
- 5 中火に戻し、30〜40秒煮立ててアルコール臭を飛ばす。
- 6 辛口白ワイン100mlを注ぎ、中火で3〜4分煮詰めて半量にする。
完了の目安
鍋底の焦げ付きがすべて溶け出し、液面から鋭いアルコールの匂いが立たなくなっていること。
白ワインが半量になり、とろりと鍋肌を伝う状態であること。
注意点
蒸留酒には着火しない。
ソースを煮詰めてモンテ・オ・ブールで繋ぎ、葡萄を温める
- 1 並行(フォンを煮詰める間に)食パン2枚の耳を除き、バター15gで両面を焼く。盛り付け皿2枚を温める。
- 2 ソース仕上げ用バター30gを1cm角に切り、冷蔵しておく。
- 3 鶏のフォン250mlを鍋に加え、中火で7〜8分煮詰めて約1/3量(80ml前後)にする。
- 4 ローリエを取り除き、ソースをシノワ(目の細かい漉し器)で小鍋に漉し、エシャロットをへらで軽く押して汁を絞る。
- 5 生クリーム60mlを加え、弱めの中火で3分、ソースが木べらの背を膜状に覆うまで煮詰める。
- 6 休ませたうずらのバットに溜まった肉汁を鍋に加えて混ぜる。
- 7 火を弱火にし、冷やしたバター30gを2〜3個ずつ加え、鍋を回しながら溶かして乳化させる(モンテ・オ・ブール=冷たいバターでソースを繋ぐ技法)。
- 8 塩2gと黒胡椒0.5gで味を調える。
- 9 モンデした葡萄を加え、弱火で1分、鍋を揺すって全体に絡めながら温める。
完了の目安
ソースに照りが出て、スプーンを引いたときに線が数秒残る濃度になっていること。
葡萄が温まりつつ形と張りを保ち、ソースが分離していないこと。
注意点
バターを加えてから沸騰させると分離する。
クルトンにうずらを載せ、葡萄のソースをかけて仕上げる
- 1 温めた皿の中央にクルトンを1枚ずつ置く。
- 2 うずらを1皿につき2羽、胸を上にしてクルトンの上に載せる。
- 3 葡萄ごとソースをスプーンですくい、うずらの上からクルトンに染み込むようにかける。
- 4 黒胡椒0.5gを挽きかけ、チャービル4本を1皿2本ずつ添える。
完了の目安
クルトンがソースを吸い、うずらの表面全体に照りのあるソースと葡萄が行き渡っていること。
作り方を読み終えたら。
その一皿を、コースにする。
作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。
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INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)は、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
白ぶどうの代わりに
巨峰(皮を剥いたもの)
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
甘みが強く果汁が多いため、ソースが甘ったるく緩みやすい。
皮と種を除いて半割りにし、ソースの最後に加える。
白ぶどうの代わりに
マスカット(種なし・皮薄)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りは華やかになるが果肉が締まりやすく、酸味がやや弱い。
種抜きが不要なため、湯むき後は半割りにするだけでよい。
鶏のフォンの代わりに
水+無添加チキンブイヨン
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
ゼラチン質が不足してソースの粘りととろみが弱くなる。
表示に従って無塩の鶏のスープ250mlを用意する。煮詰めは時間だけでなく木べらを薄く覆う濃度で判断する。
鶏のフォンの代わりに
ジビエのフォン(フォン・ド・ジビエ)
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
より野性的で深いコクになり、秋の一皿としての輪郭が強まる。
表示に従って無塩の鶏のスープ250mlを用意する。煮詰めは時間だけでなく木べらを薄く覆う濃度で判断する。
辛口白ワインの代わりに
ノンアルコール白ワイン
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
酸の厚みとアルコール由来の香りの広がりが減り、ソースが平板になる。
同量を用い、液量が半分になるまで煮詰める。
マール・ド・ブルゴーニュの代わりに
白ワイン+白ワインビネガー小さじ1/2
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
蒸留酒の香りの芯が失われ、酸主体の軽いソースになる。
アルコール度数が低いため、注いだ後の煮立ては20秒で切り上げる。
マール・ド・ブルゴーニュの代わりに
コニャック
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
葡萄の搾りかす由来の野太い香りが、より丸く甘い樽香に変わる。
生クリーム(乳脂肪40%前後)の代わりに
サワークリーム
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
軽い乳酸の酸味が加わり、葡萄の甘さが締まって感じられる。
分離しやすいため、火を弱めてから加え、沸騰させずに1〜2分で仕上げる。
エシャロットの代わりに
玉ねぎ(新玉ねぎ)
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
甘みが強く香りが粗くなり、ソースの繊細さがやや損なわれる。
水分が多いため、炒め時間を1分延ばして透明になるまで火を入れる。
グレープシードオイルの代わりに
太白ごま油
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
ごくわずかに香ばしさが加わるが、仕上がりへの影響は小さい。
食パン(クルトン用)の代わりに
バゲット(斜め厚切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
歯応えが強くなり、ソースの吸い込みが穏やかになる。
目が粗く焦げやすいため、バターで片面1分ずつ弱めの中火で焼く。
タイムの代わりに
ドライタイム
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りがやや乾いた印象になり、青い清涼感が減る。
腹に詰められないため、小さじ1/2をうずらの表面にまぶしてから焼く。
この料理について
小さな丸鳥にぶどうを添えるカイユ・オ・レザンは、フランスで親しまれる、鳥と果実を合わせる定番の主菜です。果実が実る秋の食卓には、白ぶどうを合わせた姿が似合います。
客を迎える夕食では、丸鳥を一人ずつ取り分けられることも魅力です。大きなローストを切り分ける日とは違う、少人数の集いの中心になります。
QUESTIONS
よくある質問
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)に巨峰(皮を剥いたもの)を使ってもいいですか?
作れますが、白ぶどうを巨峰(皮を剥いたもの)に替えると本格度が20点下がります。甘みが強く果汁が多いため、ソースが甘ったるく緩みやすい。皮と種を除いて半割りにし、ソースの最後に加える。
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)に水+無添加チキンブイヨンを使ってもいいですか?
使えます。ただし鶏のフォンを水+無添加チキンブイヨンに替えると本格度が10点下がります。ゼラチン質が不足してソースの粘りととろみが弱くなる。表示に従って無塩の鶏のスープ250mlを用意する。煮詰めは時間だけでなく木べらを薄く覆う濃度で判断する。
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)にノンアルコール白ワインを使ってもいいですか?
使えます。ただし辛口白ワインをノンアルコール白ワインに替えると本格度が10点下がります。酸の厚みとアルコール由来の香りの広がりが減り、ソースが平板になる。同量を用い、液量が半分になるまで煮詰める。
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)を失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。糸を強く締めると、加熱中に皮が裂ける。蒸留酒には着火しない。バターを加えてから沸騰させると分離する。
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)を作るのにどれくらい時間がかかりますか?
2人分で合計1時間40分です(準備40分・調理1時間)。
カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)は家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中3です。全6工程のうち仕上がりを左右するのは「うずらにタイムを詰めて脂身を巻く」「エシャロットを炒め、マールと白ワインでデグラッセする」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
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