AUTHENTIC RECIPE

Cailles aux Raisinsカイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)

Cailles aux Raisins(カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮))
難易度★★★☆☆ 準備40分 調理1時間 分量2人分 地方リヨンとブルゴーニュ・ボーヌ

葡萄の収穫期(ヴァンダンジュ)に仕立てるブルゴーニュの古典的な小禽料理。背脂のバルド(脂身の薄板)で覆って糸で縛ったうずらを鍋で色よく焼き、マール・ド・ブルゴーニュと白ワインでデグラッセし、皮を剥いて種を抜いた白葡萄を最後に温める。焼き汁と鶏のフォンを煮詰め、生クリームと冷たいバターで繋いだソースを、バターで焼いたクルトンに載せたうずらにかける。小禽の火入れと葡萄の食感を壊さない温め加減が要となる。

本場リヨンとブルゴーニュで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。

材料(2人分)

2
  • うずら(丸鶏)4羽内臓処理済みのもの。首と足先を落とし、水気を完全に拭き取る。1人2羽
  • 背脂のバルド(脂身の薄板)4枚厚さ2mm・幅8cm程度にスライスしたもの。うずらの胸を覆い、調理用の糸で縛って乾燥を防ぐ
  • 白ぶどう300g種なし、または種を除く。特定の外国品種を必須としない。
  • 鶏のフォン250ml準備済みの無塩の鶏のフォン。濃縮品は表示どおり薄めた量。
  • 辛口白ワイン100mlシャルドネなど樽香の強すぎないもの。デグラッセに使う
  • マール・ド・ブルゴーニュ30ml火を止めてから注ぎ、着火させずに煮立ててアルコール分を飛ばす
  • 生クリーム(乳脂肪40%前後)60ml液状の乳製品の生クリーム。
  • 無塩バター60gクルトン15g、肉の焼き付け15g、ソース30g。
  • エシャロット60g2個程度。極細のみじん切り
  • グレープシードオイル10mlバターの焦げ止めとして焼き始めに加える
  • 食パン(クルトン用)2枚厚さ1.5cm。耳を落として1辺8cmの正方形に切り、うずらを載せる台にする
  • タイム2本生の枝。うずらの腹に1/2本ずつ詰める
  • ローリエ1枚鍋での火入れ中に加え、ソースを漉す前に取り除く
  • 塩5g下味3g、ソース2g。
  • 黒胡椒1g仕上げに挽きたてを使う
  • チャービル4本盛り付け直前に添える

作り方

1約20分

白葡萄をモンデして果肉だけにする

  • 1 鍋に湯1Lを沸かし、別に氷水を張ったボウルを用意する。
  • 2 白葡萄300gを房から外し、沸騰した湯に10〜15秒だけ浸してから、すぐに氷水に取る。
  • 3 冷めた葡萄の皮を指先とペティナイフでつまむように剥く(モンデ=湯むきして皮と種を除く下処理)。
  • 4 皮を剥いた葡萄を縦半分に割り、ナイフの先で種をすべて取り除き、ボウルに入れて冷蔵庫に置く。

完了の目安

300g分すべての皮と種が除かれ、果肉が透き通って崩れていない状態になっていること。

2約20分

うずらにタイムを詰めて脂身を巻く

  • 1 うずら4羽の腹の中と表面の水気をペーパーで完全に拭き取る。
  • 2 タイム2本をそれぞれ半分に折り、各うずらの腹に1/2本ずつ詰める。
  • 3 塩5gのうち3gを、4羽の表面と腹の内側に均等に振る。
  • 4 背脂のバルド(脂身の薄板)1枚を各うずらの胸に被せ、調理用の糸で胸から腿を巻き込むように縛り、脚を体に沿わせて留める(バルデ=脂で覆って縛る)。

完了の目安

4羽が胸を覆われた状態で崩れず縛られ、クルトンが両面きつね色で乾いていること。

注意点

糸を強く締めると、加熱中に皮が裂ける。

3約30分

うずらに焼き色を付けて火を通す

  • 1 並行(うずらを加熱する間に)オーブンを80℃に温め、エシャロット60gを極細のみじん切りにする。
  • 2 厚手の鍋(うずら4羽が重ならない大きさ)にグレープシードオイル10mlとバター15gを入れ、中火で泡が細かくなるまで熱する。
  • 3 うずらを背を下にして並べ、各面2分ずつ転がしながら計8分ほど焼き、全面に均一なきつね色をつける。
  • 4 ローリエ1枚を鍋に加え、蓋をして弱めの中火で8分、2分おきに向きを変えながら火を入れる。
  • 5 糸とバルドを外し、胸の表面を1〜2分焼く。清潔な温度計で胸肉と腿肉の中心75℃以上で1分以上を確認する。
  • 6 網付きバットへ移し、アルミ箔を軽くかぶせ、80℃のオーブンでソースができるまで保温する。

完了の目安

表面に焼き色が付き、胸肉と腿肉が中心75℃以上で1分以上加熱されていれば次へ。

4約10分

エシャロットを炒め、マールと白ワインでデグラッセする

  • 1 並行(煮詰めている間に)バター70gの残り30gを1cm角に切り、冷蔵庫で冷やしておく。
  • 2 うずらを焼いた鍋の脂を大さじ1だけ残し、余分な脂を捨てる。
  • 3 刻んだエシャロット60gを入れ、弱めの中火で2分炒める。
  • 4 いったん火を止め、マール・ド・ブルゴーニュ30mlを注ぎ、木べらで鍋底の焼き付いた旨みをこそげ落としてデグラッセ(鍋底の旨みを液体で煮溶かすこと)する。
  • 5 中火に戻し、30〜40秒煮立ててアルコール臭を飛ばす。
  • 6 辛口白ワイン100mlを注ぎ、中火で3〜4分煮詰めて半量にする。

完了の目安

鍋底の焦げ付きがすべて溶け出し、液面から鋭いアルコールの匂いが立たなくなっていること。

白ワインが半量になり、とろりと鍋肌を伝う状態であること。

注意点

蒸留酒には着火しない。

5約15分

ソースを煮詰めてモンテ・オ・ブールで繋ぎ、葡萄を温める

  • 1 並行(フォンを煮詰める間に)食パン2枚の耳を除き、バター15gで両面を焼く。盛り付け皿2枚を温める。
  • 2 ソース仕上げ用バター30gを1cm角に切り、冷蔵しておく。
  • 3 鶏のフォン250mlを鍋に加え、中火で7〜8分煮詰めて約1/3量(80ml前後)にする。
  • 4 ローリエを取り除き、ソースをシノワ(目の細かい漉し器)で小鍋に漉し、エシャロットをへらで軽く押して汁を絞る。
  • 5 生クリーム60mlを加え、弱めの中火で3分、ソースが木べらの背を膜状に覆うまで煮詰める。
  • 6 休ませたうずらのバットに溜まった肉汁を鍋に加えて混ぜる。
  • 7 火を弱火にし、冷やしたバター30gを2〜3個ずつ加え、鍋を回しながら溶かして乳化させる(モンテ・オ・ブール=冷たいバターでソースを繋ぐ技法)。
  • 8 塩2gと黒胡椒0.5gで味を調える。
  • 9 モンデした葡萄を加え、弱火で1分、鍋を揺すって全体に絡めながら温める。

完了の目安

ソースに照りが出て、スプーンを引いたときに線が数秒残る濃度になっていること。

葡萄が温まりつつ形と張りを保ち、ソースが分離していないこと。

注意点

バターを加えてから沸騰させると分離する。

6約5分

クルトンにうずらを載せ、葡萄のソースをかけて仕上げる

  • 1 温めた皿の中央にクルトンを1枚ずつ置く。
  • 2 うずらを1皿につき2羽、胸を上にしてクルトンの上に載せる。
  • 3 葡萄ごとソースをスプーンですくい、うずらの上からクルトンに染み込むようにかける。
  • 4 黒胡椒0.5gを挽きかけ、チャービル4本を1皿2本ずつ添える。

完了の目安

クルトンがソースを吸い、うずらの表面全体に照りのあるソースと葡萄が行き渡っていること。

Chef Authen

作り方を読み終えたら。

その一皿を、コースにする。

作りたい料理を選ぶと、Tabelia アプリが献立の買い物リストと当日の段取りをひとつに束ねます。調理中の疑問には、Chef Authen が具体的な判断基準で答えます。

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INGREDIENT OPTIONS

手に入る食材で、本格の輪郭を保つ

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)は、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。

白ぶどうの代わりに

巨峰(皮を剥いたもの)

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

甘みが強く果汁が多いため、ソースが甘ったるく緩みやすい。

皮と種を除いて半割りにし、ソースの最後に加える。

白ぶどうの代わりに

マスカット(種なし・皮薄)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香りは華やかになるが果肉が締まりやすく、酸味がやや弱い。

種抜きが不要なため、湯むき後は半割りにするだけでよい。

鶏のフォンの代わりに

水+無添加チキンブイヨン

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

ゼラチン質が不足してソースの粘りととろみが弱くなる。

表示に従って無塩の鶏のスープ250mlを用意する。煮詰めは時間だけでなく木べらを薄く覆う濃度で判断する。

鶏のフォンの代わりに

ジビエのフォン(フォン・ド・ジビエ)

代わりに使える食材 · 本格度への影響なし

より野性的で深いコクになり、秋の一皿としての輪郭が強まる。

表示に従って無塩の鶏のスープ250mlを用意する。煮詰めは時間だけでなく木べらを薄く覆う濃度で判断する。

辛口白ワインの代わりに

ノンアルコール白ワイン

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

酸の厚みとアルコール由来の香りの広がりが減り、ソースが平板になる。

同量を用い、液量が半分になるまで煮詰める。

マール・ド・ブルゴーニュの代わりに

白ワイン+白ワインビネガー小さじ1/2

代わりに使える食材 · 本格度 -20点

蒸留酒の香りの芯が失われ、酸主体の軽いソースになる。

アルコール度数が低いため、注いだ後の煮立ては20秒で切り上げる。

マール・ド・ブルゴーニュの代わりに

コニャック

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

葡萄の搾りかす由来の野太い香りが、より丸く甘い樽香に変わる。

生クリーム(乳脂肪40%前後)の代わりに

サワークリーム

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

軽い乳酸の酸味が加わり、葡萄の甘さが締まって感じられる。

分離しやすいため、火を弱めてから加え、沸騰させずに1〜2分で仕上げる。

エシャロットの代わりに

玉ねぎ(新玉ねぎ)

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

甘みが強く香りが粗くなり、ソースの繊細さがやや損なわれる。

水分が多いため、炒め時間を1分延ばして透明になるまで火を入れる。

グレープシードオイルの代わりに

太白ごま油

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

ごくわずかに香ばしさが加わるが、仕上がりへの影響は小さい。

食パン(クルトン用)の代わりに

バゲット(斜め厚切り)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

歯応えが強くなり、ソースの吸い込みが穏やかになる。

目が粗く焦げやすいため、バターで片面1分ずつ弱めの中火で焼く。

タイムの代わりに

ドライタイム

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香りがやや乾いた印象になり、青い清涼感が減る。

腹に詰められないため、小さじ1/2をうずらの表面にまぶしてから焼く。

パリ・アラゴ大通りのロティスリーの街並み・風景
Boulevard Arago, Parisフランスの風景 · パリ・アラゴ大通りのロティスリー 写真:Adrian Scottow from London, England · CC BY-SA 2.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

小さな丸鳥にぶどうを添えるカイユ・オ・レザンは、フランスで親しまれる、鳥と果実を合わせる定番の主菜です。果実が実る秋の食卓には、白ぶどうを合わせた姿が似合います。

客を迎える夕食では、丸鳥を一人ずつ取り分けられることも魅力です。大きなローストを切り分ける日とは違う、少人数の集いの中心になります。

QUESTIONS

よくある質問

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)に巨峰(皮を剥いたもの)を使ってもいいですか?

作れますが、白ぶどうを巨峰(皮を剥いたもの)に替えると本格度が20点下がります。甘みが強く果汁が多いため、ソースが甘ったるく緩みやすい。皮と種を除いて半割りにし、ソースの最後に加える。

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)に水+無添加チキンブイヨンを使ってもいいですか?

使えます。ただし鶏のフォンを水+無添加チキンブイヨンに替えると本格度が10点下がります。ゼラチン質が不足してソースの粘りととろみが弱くなる。表示に従って無塩の鶏のスープ250mlを用意する。煮詰めは時間だけでなく木べらを薄く覆う濃度で判断する。

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)にノンアルコール白ワインを使ってもいいですか?

使えます。ただし辛口白ワインをノンアルコール白ワインに替えると本格度が10点下がります。酸の厚みとアルコール由来の香りの広がりが減り、ソースが平板になる。同量を用い、液量が半分になるまで煮詰める。

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)を失敗せずに作るコツはありますか?

つまずきやすいのは次の点です。糸を強く締めると、加熱中に皮が裂ける。蒸留酒には着火しない。バターを加えてから沸騰させると分離する。

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)を作るのにどれくらい時間がかかりますか?

2人分で合計1時間40分です(準備40分・調理1時間)。

カイユ・オ・レザン(うずらの葡萄煮)は家庭で作るのが難しいですか?

難易度は5段階中3です。全6工程のうち仕上がりを左右するのは「うずらにタイムを詰めて脂身を巻く」「エシャロットを炒め、マールと白ワインでデグラッセする」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。

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