AUTHENTIC RECIPE
Coq au Vinコック・オー・ヴァン
コック・オー・ヴァンは「ワインに漬けた雄鶏」を意味する、ブルゴーニュ地方の鶏肉の赤ワイン煮込みである。本来は硬く育った老雄鶏(コック)を長時間の赤ワイン煮込みで柔らかくする料理だったが、雄鶏そのものが入手困難な現在では骨付き鶏ももを使うのが標準になっている。一晩赤ワインに漬け込んだ鶏肉を煮込み、仕上げにバターと小麦粉を練った「ブール・マニエ」でソースにとろみをつける。ブランデーは着火せず必ず煮立ててアルコールを飛ばす、家庭でも安全に作れる仕立てである。
本場リヨンとブルゴーニュで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 骨付き鶏もも肉4本1本250g前後。表面の水気を拭く。本来は雄鶏(コック)を使うが、入手困難なため骨付き鶏ももを標準とする
- 赤ワイン(ブルゴーニュ、ピノ・ノワール種)500mlマリネと煮込みの両方に使う
- ラルドン(燻製豚バラの角切り)120g1cm角の拍子木状。輸入食材店・通販で入手可
- コニャック(またはマール・ド・ブルゴーニュ)60ml鍋に注いだ後、必ず煮立ててアルコール臭を飛ばす。着火しない
- にんじん2本皮をむき、乱切りにする
- 玉ねぎ1個皮をむき、くし切りにする
- にんにく3片みじん切りにする
- タイム3枝ブーケガルニ用
- ローリエ2枚ブーケガルニ用
- パセリ1束茎3本はブーケガルニに使う。葉はみじん切りにして仕上げに散らす
- マッシュルーム250g石づきを落とし、大きければ半分に切る
- 小玉ねぎ200g皮をむく
- バター(無塩)50g鶏肉を焼き付ける用20g・ブール・マニエ用20g・小玉ねぎとマッシュルームを炒める用10g
- 薄力粉20gブール・マニエ(バターと練り合わせてソースにとろみをつける)用
- 塩小さじ1
- 黒胡椒小さじ0.5
作り方
材料を扱う
- 1 骨付き鶏もも肉4本の水気をキッチンペーパーで拭く
- 2 にんじん2本の皮をむき、乱切りにする
- 3 玉ねぎ1個の皮をむき、くし切りにする
- 4 にんにく3片をみじん切りにする
- 5 マッシュルーム250gの石づきを落とし、大きければ半分に切る
- 6 タイム3枝・ローリエ2枚・パセリの茎3本をひとまとめにし、タコ糸で縛ってブーケガルニを作る
- 7 保存容器に鶏もも肉・にんじん・玉ねぎを入れ、赤ワイン500mlを注いでよく浸す
味をなじませる
- 1 ラップをかけて冷蔵庫で一晩(12時間)漬け込む。
完了の目安
ワインが鶏肉に染み込み、皮の色が赤紫色に変われば漬かっている。
味をなじませる
- 1 ざるにボウルを重ね、マリネ液と具材を分ける。
- 2 マリネ液は取り置く。
- 3 鶏肉・にんじん・玉ねぎを分け、鶏肉の水気をキッチンペーパーで拭く。
香味を炒める
- 1 厚手の鍋にラルドン120gを中火で炒め、脂が透き通り軽く色づいたら取り出す。
- 2 同じ鍋にバター20gを足し、鶏もも肉を皮目を下にして並べ、動かさずに焼き付ける。
- 3 皮目が濃いきつね色になったら裏返し、裏面も2〜3分焼いて取り出す。
仕上げにまとめる
- 1 再び中火にかけ、2〜3分煮立ててアルコールの刺激臭を飛ばす。
- 2 マリネのにんじんと玉ねぎを加えて3分炒め、鶏肉とラルドンを戻す。
- 3 取り置いたマリネ液を注ぎ、中火で3〜4分煮立ててアルコール臭を飛ばす。
- 4 ブーケガルニ・にんにく・塩小さじ1・黒胡椒小さじ1/2を加える。
注意点
火を止めて鍋にコニャック60mlを注ぎ、木べらで鍋底の旨みをこそげ落とす。
煮る
- 1 ふたを少しずらしてのせ、弱火で湯面がふつふつと揺れる程度を保ちながら48分煮る。
- 2 途中で浮いてくる脂を取り除く。
完了の目安
鶏肉に竹串を刺すとすっと通り、骨の際の身がほろりとほぐれる柔らかさになったら次へ。
香味を炒める
- 1 並行(鶏肉を煮込む間に)小玉ねぎとマッシュルームを炒める。
注意点
フライパンにバター10gを弱火で溶かし、小玉ねぎを加えてふたをし、焦げ色をつけないよう弱火で8分蒸し煮にする。
マッシュルームを加えてふたを外し、中火で4分炒め、軽く色づいたら火を止める。
食材を下処理する
- 1 鶏肉と小玉ねぎ・マッシュルームを取り出し、ブーケガルニを除く
- 2 バター20gと薄力粉20gを練り合わせてブール・マニエを作る
- 3 煮汁を中火で煮立たせながらブール・マニエを少しずつ加えて溶き入れ、とろみがついて木べらの背に薄い膜が残る濃度になったら鶏肉と小玉ねぎ・マッシュルームを戻す
- 4 弱火で温め、塩・黒胡椒で味を調え、みじん切りにしたパセリを散らす
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
コック・オー・ヴァンは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
赤ワイン(ブルゴーニュ、ピノ・ノワール種)の代わりに
ミディアムボディの赤ワイン(ピノ・ノワール種)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
本場特有の複雑な果実味と土っぽさはやや控えめになるが、酸とタンニンのバランスが近く、マリネ・煮込みとも問題なく機能する
ラルドン(燻製豚バラの角切り)の代わりに
ブロックベーコン(角切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
燻製香がやや軽く、脂の甘みも穏やかになるが、コクの土台としての役割は同等
コニャック(またはマール・ド・ブルゴーニュ)の代わりに
ブランデー(一般的なもの)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りの複雑さがやや単純になるが、煮立ててコクを加える役割は同じ
小玉ねぎの代わりに
普通の玉ねぎ(4等分のくし切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
見た目の丸い一体感は失われるが、甘みと食感を添える役割は変わらない
この料理について
コック・オー・ヴァンは、その名の通り「ワインに漬けた雄鶏」を意味する料理です。年老いて硬くなった雄鶏の肉を、赤ワインで長時間煮込むことで柔らかくするという、限られた食材を無駄にしないフランスの農家の知恵から生まれたとされています。
雄鶏そのものは現在ほとんど流通しておらず、家庭やビストロでは骨付きの鶏もも肉を使うのが一般的です。ブルゴーニュの赤ワインとともに煮込む形式が広く知られていますが、フランスの他の地方でも土地のワインを使った同様の鶏肉煮込みが作られてきました。
現在では特別な日や家族の集まりの食卓に並ぶ、フランス煮込み料理の代表格のひとつです。赤ワインでつやよく煮上がった鶏肉と、とろみのついたソースは、ビストロのメニューでも定番として扱われ続けています。
READER REVIEWS
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