AUTHENTIC RECIPE
Tarte Tropézienneタルト・トロペジェンヌ
あられ糖を散らして焼いたブリオッシュを横半分に切り、クレーム・パティシエールとバターを合わせたクリームをたっぷり挟む、南仏サン=トロペ生まれの菓子。オレンジフラワーウォーターの香りが南仏らしさの核になる。ブリオッシュの発酵と、二種を合わせるクリームの乳化という二つの技術を一皿で組み立てる。1955年、映画撮影に訪れた女優ブリジット・バルドーが名付けたという逸話でも知られる。
本場プロヴァンスと南東部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 強力粉250gブリオッシュ生地用
- 生イースト10g牛乳で活性化させてから使う
- 牛乳(成分無調整)60mlイースト活性化用。35℃程度に温める
- 卵(生地用)2個
- グラニュー糖(生地用)30g
- 塩4g生地用
- バター(生地用・無塩)80gポマード状に柔らかくする
- あられ糖(ワッフルシュガー)30g焼く前に表面に散らす。トロペジェンヌの顔になる。製菓材料店・通販で入手可
- 牛乳(クリーム用)250ml
- 卵黄(クリーム用)3個
- グラニュー糖(クリーム用)70g
- コーンスターチ25gクリームのとろみづけ
- オレンジフラワーウォーター小さじ1トロペジェンヌの香りの核。製菓材料店・通販で入手可
- バター(クリーム用・無塩、常温)120gクレーム・パティシエールと合わせてムースリーヌ状のクリームにする
作り方
材料を合わせる
- 1 牛乳(生地用)60mlを35℃程度に温めてボウルに入れ、生イースト10gを崩し入れて溶かす。
食材を戻す
- 1 常温で10分置く。
- 2 表面に細かい泡が立てば活性化した合図。
仕上げにまとめる
- 1 ボウルに強力粉250gと塩4gを入れて混ぜ、中央にくぼみを作り、卵(生地用)2個・グラニュー糖(生地用)30g・発酵させた牛乳を加えて混ぜる
- 2 台に取り出して10分こね、柔らかくしたバター(生地用)80gを3回に分けて加え、そのつどこね込む。つやが出て手につかなくなったら丸めてボウルに戻す。
材料を扱う
- 1 並行(生地の一次発酵と並行して)クレーム・パティシエールを作る。
- 2 鍋に牛乳(クリーム用)250mlを入れて沸騰直前まで温める
- 3 ボウルに卵黄3個分とグラニュー糖(クリーム用)70gをすり混ぜ、コーンスターチ25gを混ぜる
- 4 オレンジフラワーウォーター小さじ1を加えて混ぜ、バットに広げてラップを密着させ冷蔵庫で冷やす。
注意点
牛乳を少しずつ加えて鍋に戻し、絶えず混ぜながらとろみがつくまで加熱し、沸いてから1分練って火を止める
材料を合わせる
- 1 生地にラップをかけ、暖かい場所(27〜30℃目安)で1時間30分、2倍の大きさになるまで一次発酵させる。
- 2 クリームはこの間に冷やしておく。
完了の目安
生地が2倍にふくらみ、粉をつけた指で押したくぼみがゆっくりとしか戻らなければ次へ。
形を整える
- 1 天板にオーブンシートを敷く。
- 2 発酵した生地のガスを軽く抜き、直径20cm程度の平たい円盤状に整えて天板に乗せる。
- 3 布巾をかけ、暖かい場所で45分二次発酵させる。
オーブンを整える
- 1 オーブンを180℃に予熱し始める。
- 2 二次発酵が終わった生地の表面に溶き卵(分量外・あれば)または牛乳を薄く塗り、あられ糖30gを全体に散らす。
焼き上げる
- 1 180℃のオーブンで20〜25分焼く。
- 2 全体が均一なきつね色になり、底を軽く叩くと乾いた音がしたら焼き上がり。
- 3 網の上で完全に冷ます。
ソースを作る
- 1 クリームを仕上げる。
- 2 常温に戻したバター(クリーム用)120gをボウルで白っぽくなるまで練り、冷えたクレーム・パティシエールをゴムべらでほぐして3回に分けて加え、そのつどなめらかになるまで混ぜる。
完了の目安
つやのある均一なクリームになったら完成。
注意点
クリームとバターの温度差があると分離する。パティシエールは冷えすぎを避け、バターは必ず常温に戻してから合わせる。
材料を準備する
- 1 冷めたブリオッシュを横半分に切る。
- 2 下半分に丸口金をつけた絞り袋でクリームを厚く絞り、上半分をかぶせて軽く押さえる。
- 3 冷蔵庫で1時間冷やしてクリームを落ち着かせてから切り分ける。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
タルト・トロペジェンヌは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
生イーストの代わりに
ドライイースト
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
風味への影響はほぼない
分量を4gに減らし、同様に牛乳で活性化させてから使う
あられ糖(ワッフルシュガー)の代わりに
角砂糖を粗く砕いたもの
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
粒の大きさが不揃いになるが、カリッとした食感の役割は果たせる
角砂糖6個を厚手の袋に入れ、めん棒で粗く砕いてから散らす
オレンジフラワーウォーターの代わりに
オレンジの皮(国産)のすりおろし
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
花の香りが柑橘の皮の香りに変わり、南仏らしい甘い余韻が弱まる
オレンジフラワーウォーターの代わりに、オレンジの皮1/2個分をすりおろして加える
この料理について
地中海に面した港町サン=トロペは、20世紀半ばまでは静かな漁村でした。1955年、この町にパン屋を開いていたポーランド出身の菓子職人アレクサンドル・ミカが、祖母のレシピをもとにクリームを挟んだブリオッシュを売り出します。
同じ年、映画『素直な悪女』の撮影でサン=トロペを訪れた女優ブリジット・バルドーがこの菓子を気に入り、「タルト・トロペジェンヌ(サン=トロペのタルト)と名付けたら」と提案したと伝えられています。映画の成功とともに町は世界的なリゾートとなり、菓子の名も一緒に知られていきました。
クリームの正確な配合は今も創業店の秘密とされています。夏の南仏で、海辺の昼食の締めくくりに冷えたトロペジェンヌを分け合うのが、この町の変わらない光景です。
QUESTIONS
よくある質問
タルト・トロペジェンヌに角砂糖を粗く砕いたものを使ってもいいですか?
使えます。ただしあられ糖(ワッフルシュガー)を角砂糖を粗く砕いたものに替えると本格度が5点下がります。粒の大きさが不揃いになるが、カリッとした食感の役割は果たせる。角砂糖6個を厚手の袋に入れ、めん棒で粗く砕いてから散らす。
タルト・トロペジェンヌにオレンジの皮(国産)のすりおろしを使ってもいいですか?
使えます。ただしオレンジフラワーウォーターをオレンジの皮(国産)のすりおろしに替えると本格度が10点下がります。花の香りが柑橘の皮の香りに変わり、南仏らしい甘い余韻が弱まる。オレンジフラワーウォーターの代わりに、オレンジの皮1/2個分をすりおろして加える。
タルト・トロペジェンヌにドライイーストを使ってもいいですか?
使えます。生イーストをドライイーストに替えるとも本格度への影響はありません。風味への影響はほぼない。分量を4gに減らし、同様に牛乳で活性化させてから使う。
タルト・トロペジェンヌを失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。牛乳を少しずつ加えて鍋に戻し、絶えず混ぜながらとろみがつくまで加熱し、沸いてから1分練って火を止める。クリームとバターの温度差があると分離する。パティシエールは冷えすぎを避け、バターは必ず常温に戻してから合わせる。
タルト・トロペジェンヌを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
4人分で合計4時間45分です(準備55分・調理25分・待ち時間3時間25分)。待ち時間は手を離せるため、他の料理と並行して進められます。
タルト・トロペジェンヌは家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中4で、技術の見極めが要る一皿です。全10工程のうち仕上がりを左右するのは「材料を扱う」「ソースを作る」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
READER REVIEWS
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次の週末は、コース料理を家で。
すべての皿が、いちばんおいしい瞬間に。
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