AUTHENTIC RECIPE
Tarte Tatinタルト・タタン
型の底でりんごをカラメルとともに煮て、パート・ブリゼを被せて焼き上げ、熱いうちにひっくり返す「逆さま」のタルト。ソローニュ地方の姉妹が営んだホテルの名物として知られるようになった菓子である。カラメルのほろ苦さとりんごの酸味が一体になるため、紅玉など酸味の強い品種が最もよく合う。生地を自家製にすることで、カラメルを吸った縁の食感まで本格になる。
本場ブルターニュと西部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- りんご(紅玉)6個紅玉など酸味の強い品種(国産)。皮をむき芯を除いて4等分のくし形に切る
- 薄力粉150gパート・ブリゼ(練り込みパイ生地)用
- バター(生地用・無塩)75gパート・ブリゼ用。冷たいまま1cm角に切って使う
- 冷水45ml生地をまとめる用。冷蔵庫で冷やしておく
- 塩1つまみ生地用
- バター(カラメル用・無塩)80gカラメルでりんごを煮る用
- グラニュー糖120gカラメル用。カラメルがこのタルトの骨格を作る
作り方
材料を扱う
- 1 パート・ブリゼを作る。
- 2 ボウルに薄力粉150gと塩1つまみを入れて混ぜる
- 3 冷たいバター75gを1cm角に切って加え、指先で粉とすり合わせ、全体が黄色っぽいそぼろ状になるまで手早くなじませる
- 4 冷水45mlを回し入れ、練らずに押しまとめる。粉気が消えてひとまとまりになったら次へ。
休ませて落ち着かせる
- 1 生地を平たい円盤状にしてラップに包み、冷蔵庫で30分休ませる。
- 2 休ませることでグルテンが落ち着き、焼き縮みを防げる。
食材を下処理する
- 1 並行(生地を休ませる間に)りんご6個の皮をむき、縦4等分に切って芯を除く。
- 2 切ったそばからバットに並べておく。
材料を扱う
- 1 カラメルを作る。
- 2 直径20cm程度のオーブン対応フライパン(またはタタン型)にバター80gを中火で溶かし、グラニュー糖120gを全体に振り入れる。
- 3 混ぜすぎずに加熱し、全体が濃い琥珀色(薄いコーヒー色)になり香ばしい香りが立ったら次へ。
完了の目安
黒っぽくなると苦みが強すぎるため、色づき始めたら目を離さない。
オーブンを整える
- 1 並行(りんごを煮ている間に)オーブンを180℃に予熱し始める。
- 2 カラメルの上にりんごを丸みを下にして外側から放射状に隙間なく敷き詰め、中央にも詰める
- 3 中火で15〜20分煮る。りんごの縁が透き通り、カラメルが泡立ちながらとろみを帯びたら次へ。
仕上げにまとめる
- 1 休ませた生地を打ち粉をした台で型より一回り大きい円形(厚さ3mm)に伸ばし、りんごの上に被せる。
- 2 縁を型の内側に押し込み、表面にフォークで数カ所穴を開ける。
注意点
火を止める。
焼き上げる
- 1 180℃のオーブンで25〜30分焼く。
- 2 生地全体が濃いきつね色になり、縁からカラメルが泡立って見えたら焼き上がり。
焼き上げる
- 1 型より大きい皿を被せ、オーブンミトンで型と皿を両手でしっかり挟み、一気に返す。
- 2 熱いカラメルが垂れることがあるため、流しの上で行うと安全。
注意点
オーブンから出して5分だけ落ち着かせ、必ず熱いうちにひっくり返す。
冷めるとカラメルが固まって型から外れなくなる。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
タルト・タタンは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
りんご(紅玉)の代わりに
ジョナゴールド
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
酸味がやや穏やかになるが煮崩れしにくく、近い仕上がりになる
りんご(紅玉)の代わりに
ふじ
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
甘みが勝って酸味の輪郭が弱くなり、煮崩れしやすい
煮崩れやすいためカラメルで煮る時間を15分程度に短縮し、りんごの縁が透き通ったらすぐ火を止める
薄力粉の代わりに
市販パイシート
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
層状に膨らむ軽い食感になり、パート・ブリゼのほろりと崩れる質感と素朴な風味が失われる
生地作りと休ませの工程を省き、半解凍したパイシートを被せて焼く
この料理について
パリの南、ロワール川を越えて広がるソローニュ地方は、森と池が続く狩猟の土地です。その中心の町ラモット=ブヴロンで、19世紀末にタタン姉妹が営んでいたホテルの名物として、このタルトは知られるようになりました。りんごを型の底でカラメルとともに煮て、生地を上に被せて焼く「逆さま」の作り方は、姉妹の失敗から偶然生まれたという逸話とともに語り継がれています。
20世紀に入るとパリの有名レストランがメニューに取り上げたことで広まり、いまではフランス全土のビストロで最も定番のデザートのひとつに数えられます。デセールのワゴンや黒板メニューに「タルト・タタン」の名があれば、多くの客がそれを選ぶと言われるほどです。
りんごが出回る秋から冬が本来の季節で、家庭では日曜の昼食の締めくくりに焼かれます。温かいまま切り分け、冷たいクレーム・フレーシュ(発酵クリーム)をひと匙のせて食べるのが、現地でよく見られる食べ方です。
READER REVIEWS
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