AUTHENTIC RECIPE
Far Bretonファー・ブルトン
プルーンを沈めた生地を高温で焼き上げる、ブルターニュ地方の濃密な家庭菓子。穀物粥を起源とし、プリンともケーキとも違うもっちりと締まった質感が身上である。生地を1時間休ませて粉をしっかり水和させることが、この質感を生む鍵になる。紅茶で戻したプルーンの酸味と香りが、素朴な生地を引き締める。
本場ブルターニュと西部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 種抜きプルーン200g濃いめに淹れた紅茶に15分漬けて戻すとふっくらする
- 紅茶(ティーバッグ)1袋プルーンを漬ける用。熱湯250mlで濃いめに淹れる
- 卵4個
- 牛乳(成分無調整)750ml
- 薄力粉125gふるって加える
- グラニュー糖125g
- 塩1つまみ
- バター(型用・無塩)20g耐熱皿の内側にたっぷり塗る
作り方
材料を合わせる
- 1 耐熱の器に熱湯250mlを注ぎ、紅茶のティーバッグ1袋を入れて濃いめに淹れる。
- 2 種抜きプルーン200gを紅茶に浸し、そのまま15分置いて戻す。
味をなじませる
- 1 並行(プルーンを漬けている間に)アパレイユを作る。
- 2 ボウルに卵4個・グラニュー糖125g・塩1つまみを入れ、泡立てずにすり混ぜる
- 3 薄力粉125gをふるい入れ、粉気がなくなるまで混ぜる
- 4 牛乳750mlを少しずつ加えてのばす。だまのない、さらりとした生地になったら完成。
食材を戻す
- 1 生地にラップをかけ、室温で1時間休ませる。
- 2 そば粉文化圏ブルターニュの名残で粉をしっかり水和させる工程。
- 3 休ませることで焼き上がりがもっちりと締まる。
オーブンを整える
- 1 オーブンを200℃に予熱し始める。
- 2 20×25cm程度の耐熱皿の内側にバター20gをたっぷり塗る
- 3 紅茶から引き上げたプルーンの水気をキッチンペーパーで軽く拭く。
- 4 並行(予熱を待つ間に)
休ませて落ち着かせる
- 1 耐熱皿にプルーンを全体に散らし、休ませた生地をもう一度軽く混ぜてから静かに注ぐ。
- 2 200℃のオーブンで15分焼き、180℃に下げてさらに30〜35分焼く。
- 3 表面が濃いきつね色になり、大きく膨らんだあと少し落ち着いたら焼き上がりの合図。
- 4 皿を軽く揺らして中央がプルンと一体に揺れ、液状に波打たなければ中まで焼けている。
休ませて落ち着かせる
- 1 常温まで冷めたら四角く切り分けて供する。
完了の目安
型のまま粗熱が取れるまで置く。
ファーは冷める過程で生地が締まり、もっちりした質感が完成する。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
ファー・ブルトンは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
種抜きプルーンの代わりに
レーズン
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
プルーンの深い酸味と黒い果実感が軽い甘みに変わる。ブルターニュでも使われる分かりやすい置き換え
紅茶に漬ける時間は10分に短縮する(小粒で戻りが早い)
牛乳(成分無調整)の代わりに
低脂肪乳
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
生地のコクがやや軽くなるが、もっちりした質感は保たれる
この料理について
フランス北西端のブルターニュ地方は、大西洋に突き出た半島に牧草地と港町が続く土地です。「ファー」の名はラテン語で穀物を意味する「far」に由来し、もとは小麦やそばの粉を牛乳で炊いた粥として、肉料理に添えられる素朴な食べものでした。小麦の育ちにくいこの土地でそば粉の食文化が発達した歴史と、地続きの菓子です。
時代とともに卵と砂糖を加えて焼き固める甘い菓子へと姿を変え、干しプルーンを沈めた「ファー・オ・プリュノー」が定番の形になりました。プルーンは長い航海の保存食として港町に馴染みのあった果実だと伝えられています。
現在ではブルターニュ中のパン屋やクレープリーに当たり前に並び、家庭では日曜や人の集まる日にオーブンで大きく焼かれます。どっしりと切り分けて常温で食べる、飾り気のない日常の菓子です。
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