AUTHENTIC RECIPE
Quiche Lorraineキッシュ・ロレーヌ
ロレーヌ地方の農家の食卓から生まれたタルト。粉からパート・ブリゼ(練りパイ生地)を作り、ラルドン(豚バラの拍子木切り)を卵液で焼き固める。本場のキッシュ・ロレーヌにチーズは入らない。卵とクレーム・フレッシュの濃厚な風味とラルドンの塩気だけで完成する、素材の少なさが逆に技術を問う料理だ。
本場アルザスと北東部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 薄力粉200gパート・ブリゼ(生地)用。ふるっておく
- バター(冷えた無塩)100gパート・ブリゼ用。1cm角に切って冷やしておく
- 冷水50ml生地をまとめるためだけに使う。入れすぎない
- ラルドン(豚バラ・拍子木切り)200g幅1cm・長さ3cmの拍子木切り。輸入食材店で入手可
- 卵3個卵液の土台。よく溶きほぐす
- クレーム・フレッシュ(濃厚タイプ)200ml卵液のコクの中心。輸入食材店・一部スーパーで入手可
- 牛乳100ml卵液をゆるめ、口当たりを軽くする
- ナツメグ(パウダー)1つまみ
- 塩小さじ1生地とラルドンの塩気を見てから加減する
- 黒胡椒1少々
作り方
休ませて落ち着かせる
- 1 ボウルに薄力粉200gと塩ひとつまみを合わせ、1cm角に切って冷やしたバター100gを加える。
- 2 指先でバターを粉に素早くすり込み、サラサラの砂状(サブレ状)にする。
- 3 バターが溶けて生地がベタつく前に手早く行う。
材料を準備する
- 1 冷水を大さじ1ずつ様子を見ながら加え、フォークで切るように混ぜて生地をひとまとめにする。
- 2 まとまったら手のひらで軽く押しつぶすように2〜3回こね、扁平な円盤状にしてラップで包み、冷蔵庫で30分休ませる。
完了の目安
生地がベタつかず、指で押しても跡が残らない硬さになれば完了。
オーブンを整える
- 1 並行(生地を休ませる間に)オーブンを200℃に予熱し始める。
- 2 直径22cmのタルト型にバター(分量外)を薄く塗っておく。
休ませて落ち着かせる
- 1 休ませた生地を打ち粉をした台の上で厚さ3mmの円形に伸ばし、タルト型に敷き込む。
- 2 底にフォークで数か所穴をあけ、オーブンシートを敷いて重石をのせ、200℃のオーブンで15分空焼きする。
- 3 縁がうっすらきつね色になったら重石とシートを外し、さらに5分焼いて底を乾かす。
- 4 焼き上がったらオーブンを190℃に下げる。
香味を炒める
- 1 フライパンにラルドン200gを入れ、油をひかずに中火で炒める。
注意点
脂が透明に溶け出し、縁がカリッと色づいたら火を止めてキッチンペーパーで余分な脂を軽く拭き取る。
材料を準備する
- 1 ボウルに卵3個をよく溶きほぐし、クレーム・フレッシュ200ml・牛乳100ml・ナツメグひとつまみ・塩小さじ1(ラルドンの塩気を見て加減する)・黒胡椒少々を加えてなめらかになるまで泡立て器で混ぜる。
香味を炒める
- 1 空焼きしたタルト生地に炒めたラルドンを均等に散らし、卵液を型の縁ぎりぎりまで静かに注ぐ。
- 2 190℃のオーブンで30〜35分焼く。
- 3 粗熱を取ってから切り分ける。
注意点
表面が薄いきつね色に膨らみ、中心を軽く揺すってもプルンと固まっていれば焼き上がり。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
キッシュ・ロレーヌは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
ラルドン(豚バラ・拍子木切り)の代わりに
ブロックベーコン(拍子木切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
豚バラの脂の厚みがやや薄くなるが、燻製香と塩気の輪郭は近い
ブロックベーコンを幅1cm・長さ3cmの拍子木切りにして同量使う
クレーム・フレッシュ(濃厚タイプ)の代わりに
生クリーム(乳脂肪分35%以上)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
クレーム・フレッシュ特有の軽い酸味が消え、まろやかで甘みのある風味になる
この料理について
ロレーヌ地方はフランス北東部、ドイツと国境を接する農業地帯です。かつてこの地方の農家では、小麦粉・卵・豚の塩漬け肉といった保存の効く食材を使い、収穫期の労働の合間に食べられる料理としてキッシュが作られてきました。
本場のキッシュ・ロレーヌにチーズは入りません。パリや他地域で作られるうちにグリュイエールを加えるアレンジが広まりましたが、ロレーヌの伝統的な作り方は卵とクレーム・フレッシュ、ラルドンだけで構成されるシンプルなものです。素材の少なさゆえに、生地の焼き加減と卵液の火入れの精度がそのまま料理の質を決めます。
現在ではフランス全土のパン屋やビストロで日常的に売られる定番の総菜となり、切り分けて温めるだけで食べられる家庭の常備菜としても親しまれています。冷めても美味しく食べられることから、ピクニックや旅先の食事にも重宝される一皿です。
READER REVIEWS
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