AUTHENTIC RECIPE
Kouign-Amannクイニーアマン
ブルトン語で「バターの菓子」を意味する、ブルターニュ地方ドゥアルヌネー発祥の折り込み生地の菓子。パン生地にバターと砂糖を生地の重量に迫るほど大量に折り込み、高温で焼き上げることで、外側はパリッと焦がしカラメル状に、内側はしっとりと層をなす。折り込みと焼成の温度管理が仕上がりのすべてを決める、フランス菓子の中でも屈指の技術を要する一品。
本場ブルターニュと西部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 水140ml35℃程度に温める
- 生イースト8g水で活性化させてから使う
- 強力粉250g折り込みに耐えるグルテン形成のため強力粉を使う
- 塩3g生地用
- バター(折り込み用・有塩)180g冷たいまま使う。有塩バターを使うのがブルターニュ流
- 砂糖(折り込み用)180g3回のフォールドに分けて生地に折り込む。この菓子の骨格を作る
- バター(型用)15g型に塗る
- 砂糖(仕上げ用・型と表面用)30g型にまぶし、成形後の表面にも振りかける
作り方
材料を合わせる
- 1 水140mlを35℃程度に温めてボウルに入れる。
- 2 生イースト8gを崩し入れて溶かす。
食材を戻す
- 1 常温で10分置く。
- 2 表面に細かい泡がふつふつと立てば、イーストが活性化した合図。
仕上げにまとめる
- 1 ボウルに強力粉250gと塩3gを入れて混ぜる。
- 2 中央にくぼみを作り、発酵させた水を加え、生地がまとまるまで混ぜる。
- 3 台に取り出し、表面が滑らかになるまで8分ほどこねる。
食材を戻す
- 1 生地を丸めてボウルに入れ、ラップをかけて室温に30分置き、ひとまわり膨らむまで休ませる。
材料を扱う
- 1 生地のガスを軽く抜き、めん棒で一辺20cmの正方形に伸ばす。
- 2 ラップに包んで冷蔵庫へ入れる。
- 3 バター(折り込み用)180gを別のラップに挟み、めん棒で叩いて一辺15cmの正方形の板状に整え、同じく冷蔵庫に入れる。
休ませて落ち着かせる
- 1 生地とバターを冷蔵庫で20分冷やす。
材料を準備する
- 1 冷やした生地を台に置き、バターの板を対角線状に乗せ、生地の四隅を中央に折りたたんでバターを完全に包む。
- 2 めん棒で長さ40cm・幅20cm程度の長方形に伸ばす。
材料を合わせる
- 1 砂糖(折り込み用)180gのうち60gを生地全体に均一に振りかけ、三つ折りにする(1回目のフォールド)。
休ませて落ち着かせる
- 1 ラップに包み、冷蔵庫で20分休ませる。
材料を扱う
- 1 生地を90度回転させ、再び長さ40cm・幅20cm程度の長方形に伸ばす。
- 2 砂糖(折り込み用)の残りのうち60gを振りかけ、三つ折りにする(2回目のフォールド)。
休ませて落ち着かせる
- 1 ラップに包み、冷蔵庫で20分休ませる。
材料を扱う
- 1 生地を90度回転させ、同様に長方形に伸ばす。
- 2 残りの砂糖(折り込み用)60gを振りかけ、三つ折りにする(3回目のフォールド)。
休ませて落ち着かせる
- 1 ラップに包み、冷蔵庫で20分休ませる。
衣をつける
- 1 直径20cmの丸型の内側にバター(型用)15gを塗り、砂糖(仕上げ用)30gのうち15gを振り入れて全体にまぶす。
- 2 生地を一辺24cm程度の正方形に伸ばし、四隅を中央に折りたたんで型に入れる。
- 3 表面に残りの砂糖(仕上げ用)15gを振りかける。
時間を置く
- 1 型に布巾をかぶせ、暖かい場所で45分、生地がひとまわり膨らむまで二次発酵させる。
オーブンを整える
- 1 並行(二次発酵を待つ間に)オーブンを220℃に予熱し始める。
焼き上げる
- 1 220℃のオーブンで25〜28分焼く。
- 2 表面全体が深い飴色になり、縁から溶けた砂糖がふつふつと泡立ってカラメル状になったら焼き上がり。
- 3 焼き色が早くつきすぎる場合はアルミホイルをかぶせる。
注意点
溶けた砂糖は非常に高温になる。オーブンから出した直後は絶対に素手で触れない。
焼き上げる
- 1 オーブンから出し、焼き上がりから5分以内に、温かいうちに型を逆さにして皿の上に外す。
注意点
溶けたカラメルは非常に高温。素手で触れず、必ず厚手のミトンを使う。
材料を準備する
- 1 網の上で完全に冷ましてから切り分ける。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
クイニーアマンは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
生イーストの代わりに
ドライイースト
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
風味への影響はほぼない
分量を3gに減らし、同様に水で活性化させてから使う
強力粉の代わりに
薄力粉
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
グルテン形成が弱く生地が破れやすくなり、折り込みの層構造が乱れる
生地が破れやすいためフォールドの回数を2回に減らし、伸ばす際は特に慎重に扱う
バター(折り込み用・有塩)の代わりに
無塩バター+塩ひとつまみ
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
有塩バターの塩味の一体感がやや薄れるが、ほぼ同等の仕上がりになる
折り込み前に無塩バター180gに塩ひとつまみを揉み込んでから使う
砂糖(折り込み用)の代わりに
三温糖
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
カラメルの色がより濃くなるが、パリッとした食感は保たれる
この料理について
フランス北西部ブルターニュ地方、大西洋に面した港町ドゥアルヌネーは、クイニーアマンが生まれた土地として知られています。ブルトン語で「バターの菓子」を意味するこの名前が、そのままこの菓子の正体を表しています。
19世紀半ば、地元のパン職人が小麦粉不足の折に、手元に多く残っていたバターと砂糖を生地に折り込んで焼いたのが始まりと伝えられています。バターと砂糖を生地の重量に迫るほど大量に使う配合は、当時としては型破りなものでした。
長らくブルターニュ地方のみで知られる菓子でしたが、20世紀後半以降パリやフランス各地に広まり、現在では世界中のパン屋やパティスリーで作られるようになりました。ドゥアルヌネーでは今も地元の菓子として親しまれ、菓子コンクールも開かれています。
QUESTIONS
よくある質問
クイニーアマンに薄力粉を使ってもいいですか?
作れますが、強力粉を薄力粉に替えると本格度が20点下がります。グルテン形成が弱く生地が破れやすくなり、折り込みの層構造が乱れる。生地が破れやすいためフォールドの回数を2回に減らし、伸ばす際は特に慎重に扱う。
クイニーアマンに無塩バター+塩ひとつまみを使ってもいいですか?
使えます。ただしバター(折り込み用・有塩)を無塩バター+塩ひとつまみに替えると本格度が5点下がります。有塩バターの塩味の一体感がやや薄れるが、ほぼ同等の仕上がりになる。折り込み前に無塩バター180gに塩ひとつまみを揉み込んでから使う。
クイニーアマンに三温糖を使ってもいいですか?
使えます。ただし砂糖(折り込み用)を三温糖に替えると本格度が5点下がります。カラメルの色がより濃くなるが、パリッとした食感は保たれる。
クイニーアマンを失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。溶けた砂糖は非常に高温になる。オーブンから出した直後は絶対に素手で触れない。溶けたカラメルは非常に高温。素手で触れず、必ず厚手のミトンを使う。
クイニーアマンを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
4人分で合計5時間3分です(準備1時間35分・調理28分・待ち時間3時間)。待ち時間は手を離せるため、他の料理と並行して進められます。
クイニーアマンは家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中5で、技術の見極めが要る一皿です。全19工程のうち仕上がりを左右するのは「焼き上げる」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
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次の週末は、コース料理を家で。
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