AUTHENTIC RECIPE
Gratin Dauphinoisグラタン・ドフィノワ
ドフィネ地方に伝わるじゃがいものグラタン。本場の定義ではチーズを一切載せず、じゃがいも・牛乳・生クリーム・にんにくだけで作る。水にさらさないじゃがいものでんぷんがつなぎとなり、牛乳での下茹でとクリームでの焼き上げが一体のソースを生む。チーズを載せれば隣のサヴォワ地方の別料理になる——その境界線こそがこの皿の本格の証である。
本場リヨンとブルゴーニュで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- じゃがいも(男爵)1000g男爵系の粉質品種。煮崩れ気味に火が入ることででんぷんが溶け出し、ソースのとろみになる。3mm厚の薄切りにし、水にさらさない
- 牛乳500ml成分無調整のもの
- 生クリーム(乳脂肪35%以上)300ml植物性ホイップは分離しやすいため使わない
- にんにく1片半分は切り口をグラタン皿にこすり付け、残り半分は潰して牛乳に加える
- バター(食塩不使用)10gグラタン皿に塗る
- 塩小さじ1牛乳に加える
- ナツメグ小さじ0.5
- 白胡椒小さじ0.5
作り方
材料を準備する
- 1 じゃがいも1kgの皮をむき、3mm厚の薄切りにする。切った後は水にさらさない(表面のでんぷんがソースのつなぎになる)
- 2 にんにく1片を半分に切り、切り口をグラタン皿の内側全体にこすり付けて香りを移す。残り半分は包丁の腹で潰す
- 3 グラタン皿の内側にバター10gを塗る
オーブンを整える
- 1 厚手の鍋に牛乳500ml・潰したにんにく・塩小さじ1・ナツメグ小さじ1/4・白胡椒小さじ1/4を入れて中火にかける
- 2 沸く直前まで温まったらじゃがいもを加え、鍋底に張り付かないよう時々底から混ぜながら弱めの中火で10分下茹でする
- 3 並行(下茹での間にオーブンを160°Cに予熱し始める)
完了の目安
牛乳に軽くとろみがつき、じゃがいもの縁が少し透き通ったら次へ。
盛り付ける
- 1 じゃがいもを牛乳ごとグラタン皿に移し、表面を平らにならす
完了の目安
生クリーム300mlを全体に回しかけ、皿を軽く揺すって全体になじませる
焼き上げる
- 1 160°Cのオーブンで50〜60分焼く。
- 2 表面が濃い黄金色になり、中央にナイフを刺してすっと通れば焼き上がり。
休ませて落ち着かせる
- 1 オーブンから出して10分休ませる。
- 2 クリームが落ち着き、切り分けても層が崩れなくなったら供する。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
グラタン・ドフィノワは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
じゃがいも(男爵)の代わりに
メークイン
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
煮崩れにくくでんぷんが少ないため、ソースのとろみと全体の一体感が弱まる。形は保ちやすい
生クリーム(乳脂肪35%以上)の代わりに
グリュイエール載せ(生クリーム+チーズ焼き上げ)
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
チーズのコクと香ばしい焼き色が加わり満足感は増すが、じゃがいもと乳だけの繊細な味の輪郭は薄れる。フランスでも家庭によっては載せるが、本場ドフィネの定義からは外れる
焼く前にすりおろしたグリュイエール80gを表面全体に散らす
この料理について
フランス南東部、アルプスの山並みを望むドフィネ地方は、冷涼な気候とじゃがいも栽培で知られる土地です。グラタン・ドフィノワはこの地方の名を冠した、最もよく知られる郷土料理のひとつです。
記録に初めて登場するのは1788年、ドフィネ地方の役人をもてなした晩餐の献立としてです。以来、日曜の昼食のロースト肉の付け合わせとして、家族の集まる食卓の中心に置かれてきました。
現在ではフランス全土のビストロや家庭の定番となっていますが、本場のドフィネでは今も「チーズを載せない」ことがこの料理の定義とされています。じゃがいもと乳製品だけで完結する構成こそが、この地方の誇りとして受け継がれています。
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