AUTHENTIC RECIPE
Confit de Canard aux Pommes Sarladaises鴨のコンフィ サルラ風ポテト
フランス南西部ペリゴールに伝わる保存食の技法から生まれた主菜。鴨もも肉を塩漬けにしてから低温の脂でゆっくり煮ることで、驚くほどしっとりと柔らかい身に仕上がる。仕上げに皮目をパリッと焼き、鴨脂とにんにくで炒めたサルラ風ポテトを添える。時間はかかるが工程の大半は待ち時間であり、家庭でも本物のコンフィが再現できる。
本場バスクと南西部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 鴨もも肉(骨付き)4本1本200〜250g。通販・輸入食材店で入手可。冷凍の場合は解凍して水気を拭く
- 鴨脂800g缶詰・通販で入手可。コンフィ後は漉して冷蔵すれば数回使い回せる
- 粗塩40g塩漬け用。肉全体にすり込む
- タイム4枝塩漬け用
- ローリエ2枚塩漬け用。ちぎって使う
- にんにく6片2片は塩漬け用に潰す。4片はじゃがいも用にみじん切り
- 黒胡椒(粗挽き)小さじ1塩漬け用
- じゃがいも600gメークインなど煮崩れしにくいもの。7mm厚の輪切り
- 塩小さじ0.5サルラ風ポテトの味付け用
- パセリ4枝みじん切り。にんにくと合わせてサルラ風の仕上げにする
作り方
材料を扱う
- 1 鴨もも肉の水気をキッチンペーパーで拭く
- 2 にんにく2片を包丁の腹で潰す
- 3 バットに鴨ももを並べ、粗塩40g・タイム4枝・ちぎったローリエ2枚・潰したにんにく・粗挽き黒胡椒小さじ1を全体にすり込む
味をなじませる
- 1 バットにラップをかけ、冷蔵庫で12時間塩漬けする。
完了の目安
肉の表面から水分が出て、身がしっとりと締まった状態になれば漬かっている。
食材を下処理する
- 1 鴨ももの塩とハーブを流水でさっと洗い流し、キッチンペーパーで水気を完全に拭く。
- 2 水分が残っていると脂に入れたときにはねる。
火入れを進める
- 1 厚手の鍋に鴨脂800gを弱火で溶かし、鴨ももを皮目を下にして完全に沈める。
- 2 油面がかすかに揺れ、小さな泡がぽつぽつと上がる程度(85〜90℃)を保ち、2時間煮る。
- 3 ぐつぐつ沸かさない(沸くと身が縮んでパサつく)。
完了の目安
骨の際に竹串がすっと入り、身が骨から外れかけたら完成。
材料を準備する
- 1 鴨ももを網じゃくしでそっと取り出し、バットにのせて油を切る
- 2 じゃがいも600gの皮をむき、7mm厚の輪切りにして水に5分さらし、キッチンペーパーで水気を完全に拭く(水分が残ると脂がはねて焼き色もつかない)
- 3 にんにく4片をみじん切りにする
- 4 パセリ4枝をみじん切りにする
材料を合わせる
- 1 フライパンにコンフィの鴨脂大さじ3をすくって中火で熱し、じゃがいもを重ならないように並べる。
- 2 あまり動かさず片面5〜6分ずつ、両面にこんがり焼き色がつき竹串がすっと通るまで焼いたら弱火に落とす。
注意点
塩小さじ1/3を振り、みじん切りにしたにんにくを加えて30秒炒め、香りが立ったら火を止めてパセリを和える。
休ませて落ち着かせる
- 1 並行(じゃがいもを焼く間に)別のフライパンを中火で熱し、鴨ももを皮目を下にして置く。
- 2 油はひかない(コンフィの脂がにじみ出る)。
- 3 4〜5分焼き、皮が濃いきつね色になってパリッと音が立ったら裏面を30秒だけ温める。
- 4 皿にサルラ風ポテトと盛り合わせる。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
鴨のコンフィ サルラ風ポテトは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
鴨もも肉(骨付き)の代わりに
骨付き鶏もも肉
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
鴨の赤身のコクと香りが失われ、鶏のコンフィという別の料理に近づく。技法の体験としては成立する
低温で煮る時間を90分に短縮する
鴨脂の代わりに
オリーブオイル+ラードの混合
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
鴨脂特有の甘い香りが薄れ、風味がやや軽く中立になる。しっとりした食感はほぼ同等に出る
オリーブオイル500mlとラード300gを鍋で合わせて溶かし、同じ温度帯(85〜90℃)で煮る
この料理について
フランス南西部のペリゴール地方は、鴨とくるみと森の産物で知られる農業地帯です。コンフィは冷蔵技術のなかった時代に、鴨肉を塩と脂の力で長期保存するために生まれた技法です。
かつての農家では冬の初めに鴨を処理し、塩漬けした肉を脂ごと壺に収めて、冬から春にかけての蓄えとしました。脂の層が空気を遮断するため、肉は数か月保存でき、必要な分だけ取り出して温め直せば食卓が整います。保存の知恵がそのまま調理法になった料理です。
現在では南西部のビストロや家庭で一年を通して親しまれ、鴨脂とにんにくで炒めたじゃがいも「ポム・サルラデーズ」を添えるのが定番の組み合わせです。サルラはペリゴールの中心的な町の名で、この付け合わせにも土地の名前が刻まれています。
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