AUTHENTIC RECIPE
Clafoutis aux Cerisesさくらんぼのクラフティ
さくらんぼをクレープ状のアパレイユに沈めて焼く、リムーザン地方の初夏の家庭菓子。本場では種を抜かずに焼き、種のまわりから立つ杏仁のような香りを生地に移すのが流儀である。混ぜて注いで焼くだけの簡素な工程の中に、果実の熟れ具合と焼き加減の見極めが詰まっている。焼き型のまま食卓に出す、飾らない一皿。
本場パリと中央部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- アメリカンチェリー400g軸を除く。種は抜かないのが本場流(種のまわりから杏仁のような香りが出る)
- 卵3個
- 牛乳(成分無調整)250ml
- 薄力粉60gふるって加える
- グラニュー糖80g
- 塩1つまみ
- バター(型用・無塩)15g耐熱皿の内側に塗る
- 粉糖10g仕上げに茶こしで振る
作り方
オーブンを整える
- 1 並行(オーブンの予熱と並行して)
- 2 オーブンを180℃に予熱し始める
- 3 直径22〜24cmの耐熱皿の内側にバター15gを塗る。
完了の目安
アメリカンチェリー400gを洗って軸を除く。種は抜かない。種のまわりから杏仁のような香りが出て、生地に移るのが本場の味
材料を扱う
- 1 アパレイユを作る。
- 2 ボウルに卵3個・グラニュー糖80g・塩1つまみを入れ、泡立てずにすり混ぜる
- 3 薄力粉60gをふるい入れ、粉気がなくなるまで混ぜる
- 4 牛乳250mlを少しずつ加えてのばす。だまのない、とろりとした薄いクレープ生地状になったら完成。
材料を合わせる
- 1 耐熱皿にチェリーを一面に並べ、アパレイユを静かに注ぐ。
- 2 180℃のオーブンで35〜40分焼く。
- 3 表面全体がふくらんで縁がきつね色になり、中央に竹串を刺して生の生地がついてこなければ焼き上がり。
休ませて落ち着かせる
- 1 型のまま粗熱を取り、食べる直前に粉糖10gを茶こしで全体に振る。
- 2 冷める過程で中央が少し沈むのは正常。
完了の目安
温かいままでも常温でもよい。
補足
種を抜かずに焼いているため、食卓では種が入っていることをひと言伝えてから供する。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
さくらんぼのクラフティは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
アメリカンチェリーの代わりに
アメリカンチェリー(種抜き)
本場のバリエーション · 本格度への影響なし
種由来のほのかな杏仁様の香りは弱まるが、食べやすくなる。本場の家庭でも食べやすさを優先して種を抜くことがある
下処理で種抜き器(または箸)を使って種を抜く
アメリカンチェリーの代わりに
国産さくらんぼ(佐藤錦など)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
酸味が穏やかで実が小さいため、甘く軽やかな仕上がりになる。果汁が少ない分、生地の水分バランスは崩れない
牛乳(成分無調整)の代わりに
低脂肪乳
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
生地のコクがやや軽くなるが、仕上がりの構造は変わらない
この料理について
フランス中部のリムーザン地方は、なだらかな丘陵に牧草地と果樹が続く農業の土地です。さくらんぼが黒く熟す5月から7月、この地方の家庭ではクラフティが焼かれます。名前はオック語の「clafir(満たす)」に由来するとされ、型を果実で満たして生地を注ぐ作り方をそのまま表しています。
もとは農家の菓子で、摘んだばかりのさくらんぼにクレープ状の生地を流して焼くだけの簡素なものでした。種を抜かずに焼くのが本場の流儀で、種のまわりからほのかに立つ杏仁のような香りが生地に移ることが、味の一部と考えられています。
現在ではフランス全土で初夏の定番となり、パン屋や家庭の食卓に季節を告げる菓子として並びます。焼き型のまま食卓に出し、温かいうちに取り分けるのが、リムーザンの家庭で受け継がれてきた食べ方です。
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