AUTHENTIC RECIPE

Spaghetti con le Cozzeスパゲッティ・コン・レ・コッツェ(ムール貝のスパゲッティ)

合計
1時間6分
難易度
★★★★☆
分量
4人分
  • 準備 43分
  • 調理 23分
Spaghetti con le Cozze「スパゲッティ・コン・レ・コッツェ(ムール貝のスパゲッティ)」
難易度★★★★☆ 準備43分 調理23分 分量4人分 地方南イタリア・ナポリ

ナポリ湾岸の漁師料理を起源とする、ムール貝のスパゲッティ。にんにくと唐辛子の香りを移した油に貝の汁を合わせ、スパゲッティと手早く和えて乳化させる。

ナポリで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピです。分量と時間だけでなく、次の工程へ進む目安となる状態も書いています。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

このスコアは、標準レシピの食材と手順で作った場合の値です。代わりに使える食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とあわせてスコアが変わります。

材料(4人分)

100本格度
4
  • スパゲッティ400gブロンズダイス製法の乾燥スパゲッティ(1.9〜2.0mm)。表示茹で時間の2分前に上げて鍋で仕上げるAmazonで探す楽天市場で探す
  • ムール貝(ムラサキイガイ)1500g殻付き・生きているもの。足糸を引き抜き、殻同士をこすり合わせて付着物を落とすAmazonで探す楽天市場で探す
  • にんにく3片皮をむき、芯を取って軽くつぶす。2片は蒸し開け用、1片は薄切りにしてソース用
  • エキストラバージンオリーブオイル100ml20mlを貝の蒸し開けに、60mlをソースのベースに、20mlを仕上げの乳化と香り付けに使うAmazonで探す楽天市場で探す
  • 辛口白ワイン80ml貝の殻が開き始めた段階で鍋肌から加える。蓋をして煮立てアルコールを飛ばすAmazonで探す楽天市場で探す
  • ミニトマト200g半分に切る。ナポリ風の軽い赤みと酸味を加えるAmazonで探す楽天市場で探す
  • 赤唐辛子1本種を取り除き、小口切りにするAmazonで探す楽天市場で探す
  • イタリアンパセリ15g葉を粗みじん切り、茎は蒸し開け時に鍋へ入れる
  • 粗塩(パスタ茹で用)40g水4Lに対し10g/Lで溶かす。貝汁が塩辛いためソースには追加の塩を入れないAmazonで探す楽天市場で探す
  • 黒こしょう1g仕上げに挽きたてを振るAmazonで探す楽天市場で探す

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作り方

1約20分
ムール貝の下処理と選別

ムール貝の下処理と選別

  • 1 ムール貝1.5kgをボウルに入れ、流水を当てながら殻同士をこすり合わせて表面の付着物と泥を落とす。
  • 2 殻の隙間から出ている足糸(ヒゲ)を殻の蝶番側へ強く引き抜いて取り除く。
  • 3 殻の表面に固着したフジツボや石灰質を、ナイフの背かたわしでこすり落とす。
  • 4 口が開いたままの貝を作業台で軽く叩き、10秒待っても閉じない貝と、殻が割れている貝を取り除いて捨てる。
  • 5 洗い終えた貝をざるに上げ、水気を切って冷蔵庫に入れておく。

完了の目安

すべての貝の足糸が取れ、殻表面がざらつきなく滑らかで、閉じている貝だけが残っている状態。

注意点

足糸を蝶番と逆方向(殻の先端側)に引くと身が千切れて汁が濁る。必ず蝶番側へ引く。

死んだ貝が1個混じるだけで貝汁全体が生臭くなる。叩いても閉じない貝は迷わず捨てる。

補足

ムール貝は真水に長時間浸すと弱って旨みが抜けるため、はせず洗浄のみに留めるのがナポリの慣習。

2約10分
香味野菜とトマトの準備

香味野菜とトマトの準備

  • 1 にんにく3片の皮をむき、縦半分に割って芯の芽を取り除く。うち2片は包丁の腹で軽くつぶし(蒸し開け用)、1片は薄切りにする(ソース用)。
  • 2 赤唐辛子1本のヘタを落として縦に割り、種をすべてかき出してから小口切りにする。
  • 3 イタリアンパセリ15gを葉と茎に分け、葉は粗みじん切りにして皿に取り、茎はそのまま束ねて蒸し開け用に取り分ける。
  • 4 ミニトマト200gを縦半分に切り、ボウルにまとめておく。

完了の目安

にんにく(つぶし2片・薄切り1片)、唐辛子、パセリの葉と茎、切ったトマトがそれぞれ別々に取り分けられている状態。

注意点

にんにくの芯を残すと蒸し開けの高温で焦げ、貝汁に苦みが移る。

補足

パセリの茎は葉より香りが強く、蒸し開けの短時間加熱で貝汁に青い香りを与える。

3約10分
ムール貝を蒸し開けて貝汁(acqua delle cozze)を取る

ムール貝を蒸し開けて貝汁(acqua delle cozze)を取る

  • 1 並行(貝を蒸している間に)パスタ用の鍋に水4Lを入れ、強火にかけ始める。
  • 2 直径28cm以上の深い鍋にオリーブオイル20ml、つぶしたにんにく2片、パセリの茎を入れ、弱火で2分加熱してにんにくの縁が薄く色づくまで香りを引き出す。
  • 3 水気を切ったムール貝1.5kgをすべて鍋に入れ、すぐに蓋をして強火にし、30秒おきに鍋ごと大きく上下に揺すりながら2分蒸す。
  • 4 殻が開き始めたら蓋を取って白ワイン80mlをから注ぎ、ただちに蓋を戻して強火のまま2〜4分、30秒おきに鍋を揺すって貝の上下を入れ替えながら蒸す。
  • 5 貝の9割以上が開いたら火を止め、トングで貝だけをバットに取り出して広げ、を取る。
  • 6 バットに広げた貝を1個ずつ確認し、加熱後も口が開いていない貝と身が崩れた貝を選び出して捨てる。
  • 7 鍋に残った貝汁を、ボウルに重ねたざるへ晒し布(またはキッチンペーパー2枚)を敷いた上から静かに注いで漉す。鍋底に沈んだ砂は流し込まずに捨てる。

完了の目安

漉した貝汁が濁りなく澄み、300〜400ml前後たまっている状態。

バットには口の開いた貝だけが残り、開かなかった貝が1個も混じっていない状態。

注意点

蒸しすぎると身が縮んで硬くなる。9割開いた時点で必ず火を止める。

白ワインを注いだら蓋を戻すまでの時間を空けない。開けたままだと鍋の温度が落ちて蒸気が回らない。

貝汁を最後の一滴まで注ぐと鍋底の砂が入る。底に1cmほど残して切り上げる。

加熱後も開かない貝は死んでいた可能性があるため食べずに捨てる。

補足

この貝汁がこの料理唯一の塩気であり旨みの主軸。塩は後から一切加えない。

ナポリでは白ワインを先に煮詰めず、殻が開き始めた段階で加えて貝の汁と一緒に煮立てる。ワインの香りが貝汁に溶け込みやすい。

4約8分
貝の身の取り分けと貝汁の計量

貝の身の取り分けと貝汁の計量

  • 1 の取れたムール貝のうち、盛り付け用に殻付きのまま24個(1人6個)を選んでバットの端に寄せる。
  • 2 残りの貝はすべて殻から身を外し、ボウルにまとめてラップをかける。
  • 3 バットに溜まった汁も晒し布で漉して、ステップ3の貝汁に合わせる。
  • 4 合わせた貝汁を計量カップに移して総量を確認し、そのまま置いておく。

完了の目安

殻付き24個、むき身のボウル、総量を把握した貝汁が揃っている状態。

注意点

身を外すのが遅れて完全に冷めると殻から外れにくくなる。温かいうちに作業する。

補足

殻付きを各皿6個ずつ残して盛るのはナポリの慣習で、皿に海の景色を作り食べ応えを与える。

貝汁が300mlに届かない場合はステップ6でパスタの茹で湯を足して補う。

5約2分
パスタを茹で始め、皿を温める

パスタを茹で始め、皿を温める

  • 1 並行(パスタが茹で上がるまでの間に)ステップ6のソースのベース作りに着手し、麺投入から6分後に貝汁を注げるよう進める。
  • 2 沸騰した水4Lに粗塩40gを加えて溶かす。
  • 3 再沸騰したらスパゲッティ400gを放射状に入れ、菜箸で沈めて全体を湯に浸し、この瞬間を麺投入0分として時計を見る。
  • 4 最初の1分だけ絶えずかき混ぜ、以後は中強火で沸きを保つ。
  • 5 盛り付け用の皿4枚に熱湯を張って温めておく。

完了の目安

湯が対流を保ったまま沸き続け、麺が張り付かず分散している状態。

注意点

ソースには塩を一切足さないため、茹で湯の塩分10g/L(水4Lに40g)を必ず守る。

補足

貝汁がすでに塩辛いので、茹で湯以外の塩分源はない設計になっている。

6約9分
ソースのベースを作り、貝汁を煮詰める

ソースのベースを作り、貝汁を煮詰める

  • 1 並行(ソースを煮詰めている間に)パスタの鍋のそばにトングと計量カップを置き、麺投入から9分で引き上げられるよう準備する。
  • 2 麺を入れた直後に、フライパン(直径28cm以上)にオリーブオイル60ml、薄切りにんにく1片、小口切りの赤唐辛子を入れ、弱火で3分かけてにんにくが薄いきつね色になるまで香りを移す。
  • 3 半分に切ったミニトマト200gを切り口を下にして加え、中火で3分、皮が縮んで果汁がにじむまで加熱する。
  • 4 パスタの茹で汁をお玉で計量カップに200ml取り置く。
  • 5 貝汁を計量し、300mlに足りない場合は取り置いた茹で汁を足して正確に300mlに合わせる(余った貝汁は使わない)。
  • 6 麺投入から6分の時点で貝汁300mlをフライパンに注ぎ、中強火で3分煮立てて全体量が2割ほど減るまで煮詰める。

完了の目安

ソースがわずかにとろみを帯び、フライパンの底を木べらでなぞると一瞬筋が残る状態。

注意点

にんにくを濃い茶色まで焼くと苦みが出て貝の甘みを覆う。薄いきつね色で止める。

貝汁は煮詰めるほど塩気が凝縮する。2割減を超えて煮詰めない。

補足

トマトを切り口から加熱すると果汁が油に溶け出し、の土台になる。

表示茹で時間11分のスパゲッティなら、麺投入0分=にんにく開始、6分=貝汁投入、9分=引き上げというリズムになる。

7約4分
パスタを鍋で仕上げて乳化させ、殻付きの貝を温める

パスタを鍋で仕上げて乳化させ、殻付きの貝を温める

  • 1 表示時間の2分前(麺投入から約9分)にスパゲッティをトングで引き上げ、湯を切りすぎずにソースのフライパンへ直接移す。
  • 2 中強火にし、トングでパスタを鍋底から持ち上げるように絶えず返しながら2分加熱する。
  • 3 水分が減ってきたら取り置いた茹で汁を50mlずつ加え、常にソースが軽く波打つ状態を保つ。
  • 4 むき身のムール貝をすべて加え、30秒だけ全体を混ぜて温める。
  • 5 火を最弱に落とし、残りのオリーブオイル20mlを回しかけ、フライパンを手前に煽りながらトングで15秒混ぜてソースをとろりとまとめる。
  • 6 刻んだパセリの葉の2/3量を加えてひと混ぜし、火を止める。
  • 7 殻付きのムール貝24個をパスタとソースの上に並べ、火を止めた鍋のまま30秒置いてで温める。

完了の目安

ソースが白く濁ってとろみを持ち、麺に絡んで皿に流れ落ちない状態。

パスタが芯にわずかな歯応えを残すになっている状態。

殻付きの貝の身に触れるとぬるくなく温かい状態。

注意点

むき身を早く入れすぎると加熱しすぎて硬くゴムのようになる。仕上げ30秒前に入れる。

仕上げのオイルは火を最弱にしてから加える。強火のまま加えると鍋の温度が上がりすぎてが切れ、油が浮く。

茹で汁を一度に大量に入れるとが壊れて水っぽくなる。50mlずつ足す。

補足

南イタリアの魚介パスタにチーズは合わせない。貝汁とオイルのだけでコクを出す。

(バターやチーズでさせる仕上げ)は弱火でもでも成立する。重要なのは油を加える瞬間の鍋の温度を上げすぎないこと。

8約3分
盛り付け

盛り付け

  • 1 温めた皿4枚の湯を捨て、布巾で内側の水気を拭き取る。
  • 2 トングでパスタを高さを出すように巻いて4皿に等分に盛る。
  • 3 フライパンに残ったソースを均等に4皿へ回しかける。
  • 4 殻付きのムール貝を1皿6個ずつ、パスタの周囲と上に立てるように配置する。
  • 5 残りのパセリの葉を各皿に散らし、黒こしょう1gを4皿に挽き分けて振る。

完了の目安

ソースが皿の底にわずかに溜まり、貝殻とパセリの緑が見えている状態。

注意点

盛り付けに時間をかけるとソースが冷めてが戻り硬くなる。30秒以内に仕上げて供する。

補足

皿を温めておくと、最後までソースの絡みが保たれる。

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ポッツオーリの街並み・風景
Pozzuoliポッツオーリ 写真:miga42GO · CC BY-SA 3.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

ナポリ湾の沿岸では、古くからムール貝の養殖が行われてきました。ポッツオーリやバイアの入江には、今も海面に養殖の縄が浮かんでいます。

スパゲッティ・コン・レ・コッツェは、貝が開いて出た汁をソースに使う料理です。貝の汁に塩気があるので、塩はほとんど加えません。ナポリでは、トマトを入れない白い仕立ても、トマトを加えた赤い仕立ても食べられています。

夏の昼、湾岸の食堂ではこの一皿を頼む人が絶えず、客は殻を皿の縁に置きながら食べ進めます。

代わりに使える食材

スパゲッティSpaghetti

  • ヴェルミチェッリ本格度: 変化なし

    ナポリで一般的な太めの麺で、より歯応えのある食感になる。

  • リングイネ本格度: -5 pts

    断面が平たくなる分ソースの絡みが増し、より濃厚な口当たりになる。

    工程5・6・7:リングイネは吸水が早いため、表示時間の2分30秒前に引き上げて鍋で仕上げる。/ソースのベースは麺投入から5分30秒後に貝汁を注ぐよう、各工程を30秒早める。

ムール貝(ムラサキイガイ)Cozze

  • あさり本格度: -20 pts

    貝汁がより繊細で塩気の立った味になり、ムール貝特有の甘みとコクは弱まる。

    工程1・3:あさりは足糸取りの代わりに、3%塩水(水1Lに塩30g)に浸して暗所で2時間砂抜きし、その後殻をこすり洗いする。/蒸し開ける時間は強火で合計3〜4分と短くし、白ワインは貝を入れて1分後に加える。/調理開始の2時間前に、あさり1.5kgをバットに広げ、3%の塩水(水1Lに塩30g)を貝が隠れる高さまで注ぐ。新聞紙をかぶせて暗くし、常温で2時間置いて砂を吐かせてからステップ1の下処理に入る。

  • 冷凍ムール貝(殻付き・加熱済み)本格度: -35 pts

    貝汁の旨みが乏しく、身が縮んで水っぽくなるため料理の芯が薄くなる。

    工程3・4・7:蒸し開け工程を省き、解凍時のドリップは使わず、代わりに水250ml・白ワイン80ml・貝10個分を8分煮出した汁を漉して300mlに調整して使う。/殻付き24個と残りのむき身に分ける作業は解凍直後に行い、身は乾かないようラップをかけて冷蔵する。/むき身は仕上げの30秒前ではなく15秒前に加え、殻付きは余熱で30秒温めるだけにする。

にんにくAglio

  • 乾燥ガーリックスライス本格度: -20 pts

    香りが平板で焦げ苦さが出やすく、生にんにくの甘い立ち上がりが失われる。

    工程3・6:蒸し開けの鍋には乾燥スライス4gを油が温まる前に入れ、弱火で1分だけ香りを移してから貝を入れる。/ソースのベースでは乾燥スライス2gを冷たい油に入れ、弱火1分30秒で色づく前に取り出す。

エキストラバージンオリーブオイルOlio extravergine d'oliva

  • ピュアオリーブオイル本格度: -10 pts

    青い果実香と辛みが消え、ソースの輪郭がぼやけた穏やかな味になる。

辛口白ワインVino bianco secco

  • 水+レモン汁(水70ml+レモン汁10ml)本格度: -10 pts

    ワインの厚みと発酵香がなくなり、酸味が直線的で軽い仕上がりになる。

    工程3:水70mlは貝を入れた直後に加え、レモン汁10mlは貝を取り出した後の貝汁に加えて味を締める。

ミニトマトPomodorini ciliegino

  • 使わない(ビアンコ仕立て)本格度: 変化なし

    貝汁の塩気と甘みだけが際立ち、より純粋で潮の香り高い味になる。

    工程6:トマトを加える3分の工程を省き、麺投入から3分後に貝汁を注いで6分煮詰める。

  • ホールトマト缶本格度: -10 pts

    フレッシュな酸味と食感が失われ、煮込んだ丸い甘みが前に出る。

    工程6:ホールトマト150gを手で潰し、にんにくの香りを移した油に加えて中火で6分煮詰めてから貝汁を加える(麺投入から9分後に貝汁を注ぐ計算に変える)。

赤唐辛子Peperoncino fresco

  • 乾燥赤唐辛子本格度: 変化なし

    辛みがより鋭く乾いた印象になり、青い香りは失われる。

黒こしょうPepe nero

  • 白こしょう本格度: -5 pts

    香りが穏やかになり、貝の風味を邪魔しない代わりに刺激が弱まる。

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