AUTHENTIC RECIPE
Risotto al Nero di Seppia alla Venezianaリゾット・アル・ネロ・ディ・セッピア・アッラ・ヴェネツィアーナリゾット・アル・ネロ・ディ・セッピア(イカスミのリゾット ヴェネツィア風)
- 合計
- 2時間47分
- 難易度
- ★★★★☆
- 分量
- 4人分
- 準備 1時間3分
- 調理 1時間44分
甲イカとその墨に、魚のアラから取ったフュメット(魚のだし)を合わせて米を炊く、ヴェネツィアの定番のプリモ。チーズは加えず、バターだけで仕上げる。
ヴェネツィアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピです。分量と時間だけでなく、次の工程へ進む目安となる状態も書いています。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
このスコアは、標準レシピの食材と手順で作った場合の値です。代わりに使える食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とあわせてスコアが変わります。
材料(4人分)
100本格度- 甲イカ(墨袋つきの丸ごと)1400g内臓・甲・眼・くちばし・皮を外した掃除後の可食部は約800g(歩留まり約57%)。墨袋は破らずに取り出して別置き。可食部のうち550gを煮込み用、250gを仕上げ用に分け、胴は1cm角、足は2cm長さに切るAmazonで探す楽天市場で探す
- イカスミ(パック入り)8g墨袋の中身に加えて使う。温かいフュメット50mlで溶き、煮込み用2/3・リゾット用1/3に分けるAmazonで探す楽天市場で探す
- ヴィアローネ・ナノ米320g洗わずそのまま使用。ヴェネト伝統の短粒種で、汁気の多い「オンダ」の仕上がりに向くAmazonで探す楽天市場で探す
- 白身魚のアラ(頭と中骨)800gえらと血合いを除き、冷水で15分さらしてから使う。フュメット用Amazonで探す楽天市場で探す
- 水(フュメット用)2400ml冷水からアラを入れて加熱する。漉し上がりで約1800ml(墨溶き50ml・煮込み250ml・炊き1350ml+予備)Amazonで探す楽天市場で探す
- 白玉ねぎ200g120gはソッフリット用に極みじん切り、80gはフュメット用にざく切り
- にんじん60gフュメット用に2cm幅の輪切り
- セロリ60gフュメット用に筋を取って3cm長さに切る
- にんにく2片芯を除き、包丁の腹で潰す。ソッフリット用
- イタリアンパセリ25g茎5gは束ねてフュメット用、葉15gはみじん切りにしてイカの煮込みへ、葉5gはみじん切りにして仕上げに散らす
- 辛口白ワイン(ソアーヴェ)100mlトスタトゥーラ後の米に加える。常温に戻しておくAmazonで探す楽天市場で探す
- エキストラバージンオリーブオイル70ml30mlはソッフリット、15mlはトスタトゥーラ、10mlは仕上げ用イカの焼き付け、15mlは仕上げの香りづけAmazonで探す楽天市場で探す
- 冷たいバター(無塩)40g1.5cm角に切り、使う直前まで冷蔵庫で冷やす。マンテカトゥーラ用Amazonで探す楽天市場で探す
- トマトペースト10gイカの煮込みに加え、墨の苦味に丸みを与えるAmazonで探す楽天市場で探す
- 黒こしょう(粒)5粒フュメット用Amazonで探す楽天市場で探す
- 黒こしょう(挽きたて)小さじ0.5仕上げ用Amazonで探す楽天市場で探す
- 塩(細粒)13gイカの煮込みに4g、リゾットの炊き途中(8分)に4g、仕上げに5g。フュメットには塩を入れないAmazonで探す楽天市場で探す
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買い物リストをつくる作り方
甲イカの下処理と墨袋の取り出し
- 1 甲イカ1400gの胴から内臓ごと足を抜き、墨袋を破らずに外して冷蔵庫に入れる。
- 2 胴の白く硬い甲・薄皮・外皮と、足のくちばし・眼・吸盤のリングを除く。
- 3 すすいで水気を拭き、胴を1cm角、足を2cm長さに切り、煮込み用550gと仕上げ用250gに分けて冷蔵する。
完了の目安
墨袋がすべて無傷のまま小皿に取り分けられている。
可食部が約800g得られ、煮込み用550gと仕上げ用250gの2つのボウルに分かれている。
イカの身の表面に水滴が残っていない。
注意点
墨袋は薄く破れやすい。内臓を引き抜くときに強く引っ張ると胴の中で破裂し、身が黒く染まって墨が回収できなくなる。
水気が残ったまま炒めると温度が下がり、イカから水分が出て硬くなる。
フュメットを仕込む
- 1 並行(アラをさらしている間に)白玉ねぎ80gをざく切り、にんじん60gを2cm幅の輪切り、セロリ60gを筋を取って3cm長さに切る。
- 2 アラ800gのえらとを除き、冷水に15分さらして洗い、鍋に入れる。
- 3 切った野菜、パセリの茎5g、粒こしょう5粒、冷水2400mlを鍋に加えて中火にかける。
完了の目安
アラと香味野菜が冷水2400mlに完全に浸かっている。
さらし水に血の色が出ておらず、アラにの赤黒い部分が残っていない。
注意点
を残すと生臭さと濁りの原因になる。
(魚の出汁)には塩を入れない。リゾットで煮詰まるため塩辛くなる。
補足
ヴェネトではスズキ・ヒラメ・ホウボウなど白身のアラを使い、青魚は脂と臭みが強いため避ける。
フュメットを煮出して漉し、保温する
- 1 並行(を煮出している間に)白玉ねぎ120gを極みじん切りにし、にんにく2片は芯を除いて包丁の腹で潰す。
- 2 沸騰直前に弱火にしてを取り、液面が震える程度(85〜90℃)で蓋をせず25分煮出す。
- 3 ペーパーを敷いたざるで別鍋に押さずに漉し、湯を足して1800mlにし、弱火で80℃前後に保つ。
完了の目安
が透明感のある淡い琥珀色になり、生臭さのない澄んだ香りがしている。
漉して調整した液体が1800mlある。
注意点
ぐらぐら沸騰させると白濁し、魚臭さと苦味が出る。
25分を超えて煮出すと骨の苦味とえぐみが溶け出す。
補足
1800mlの内訳は墨溶き50ml・イカの煮込み250ml・リゾットの炊き1350ml、残り150mlが煮汁の補充用の予備。
墨を溶きのばし、二段使い用に分ける
- 1 冷蔵庫の墨袋を茶漉しの中で切り開き、スプーンで押して中身をボウルに落とす。
- 2 イカスミ8gと熱い50mlを加えてダマなく溶き、2/3を煮込み用、1/3をリゾット用に分ける。
完了の目安
墨液が均一なとろりとした黒い液体になり、底に粒が沈んでいない。
煮込み用2/3とリゾット用1/3の2つの小鉢に分かれている。
注意点
溶き残しのダマがあるとリゾットに黒い粒として残り、口当たりが悪くなる。
ソッフリットを作り、イカと墨を合わせる
- 1 28cmの厚手鍋(リゾットまで使う)でオリーブオイル30mlと潰したにんにく2片を弱火で4分、薄く色づくまで炒めて取り出す。
- 2 刻んだ白玉ねぎ120gを加え、弱めの中火で8〜10分、透明になるまで炒める。
- 3 煮込み用のイカ550gを加え、中火で3分、白く縮むまで炒め、トマトペースト10gを加えて1分炒める。
- 4 パセリの葉のみじん切り15gと煮込み用の墨液を混ぜ、250mlと塩4gを加えて煮立てる。
完了の目安
イカと玉ねぎが墨をまとって均一な黒褐色になり、鍋の縁まで煮立っている。
鍋底に焦げつきがなく、墨のざらつきが液体に完全に溶けている。
注意点
イカを強火で長く炒めると水分が抜けてゴムのように硬くなる。
墨を加えたあとは焦げやすいので、を注ぐまで30秒以上放置しない。
補足
イカを2回に分けて火入れするのは、長時間煮て柔らかくなった身と、最後に短時間で焼き付けた歯ごたえのある身の両方を一皿に共存させるため。
イカを20分煮込んで柔らかくする
- 1 並行(煮込みの間に)バター40gを1.5cm角に切り、使う直前まで冷蔵庫で冷やす。
- 2 蓋を少しずらし、弱火で20分煮込んで火を止める。煮汁がイカの半分の高さを切ったら予備150mlから50mlずつ足す。煮込んだイカと煮汁をボウルに移し、鍋底の水分を拭き取る。
完了の目安
イカ片を箸で挟むと、弾力の中に柔らかさが感じられる。
煮汁がイカの高さの半分程度まで減り、黒くとろみのある濃さになっている。
注意点
煮汁が完全になくなると墨が鍋底で焦げて苦味が出る。
強火で煮立て続けるとイカが締まって硬くなる。液面が静かに揺れる程度の弱火を保つ。
補足
この20分でイカの繊維がほどけ、墨の生臭さと角が抜けて丸い旨みに変わる。ここが seppie in nero の核心。

トスタトゥーラ(米の焙煎)
- 1 空いた鍋を中火にかけてオリーブオイル15mlを回し入れ、米320gを洗わずに加え、絶えず混ぜて2〜3分炒める。
完了の目安
米粒の外側が透き通り、中心の胚乳部分だけが白く残っている。
米粒が熱く、鍋から乾いた香ばしい匂いが立ちはじめている。
注意点
米を洗うと表面のデンプンが流れ、リゾットのクリーミーさが出なくなる。
米に焼き色がつくと香ばしさが墨の風味を邪魔するため、焦がさない。
補足
トスタトゥーラで米の表面を油膜で覆うことで、粒が崩れずに芯を残したまま炊き上がる。
白ワインを煮切る
- 1 白ワイン100mlを注ぎ、強めの中火で混ぜながら煮立てる。
完了の目安
ワインの酸の刺激臭が消え、鍋底に液体がほとんど残らず「ジュッ」という音に変わっている。
注意点
酒類には決して着火しない。煮立ててアルコールを飛ばす。
煮切る前に次のを注ぐとアルコール臭が残る。
補足
ヴェネトではソアーヴェやガルガーネガ系の辛口白を使い、樽香の強いワインは避ける。
フュメットを注ぎ足しながら16分炊く
- 1 並行(炊き始めから12分頃に)の鍋に蓋をして火を止め、同じコンロでフライパンにオリーブオイル10mlを熱し、仕上げ用イカ250gを30〜40秒焼き付ける。フライパンを下ろしての保温を再開する。
- 2 並行(炊く前に)平皿4枚を70℃のオーブンで温め、盛り付け直前に出す。
- 3 煮込んだイカと煮汁を鍋に戻し、熱い150mlを注いだ時点から時間を計る。米すれすれまで減るたびに120mlずつ足し、中火で1〜2分おきに底から混ぜる。
- 4 炊き始めから8分で塩4g、10分でリゾット用の墨液を加えて混ぜる。
- 5 14分で焼き付けたイカを油ごと加える。米の芯とイカの加熱状態を確かめて火を止める。
完了の目安
米の外側がやわらかく、中心にごく細い芯が残る。イカの中心まで身が白く不透明になっている。
鍋を揺すると表面が波打ち、木べらで線を引くと1秒ほどで跡が閉じる流動性がある。
注意点
混ぜすぎると粒が崩れて粥になり、混ぜなさすぎると鍋底が焦げる。
マンテカトゥーラと盛り付け
- 1 火を止めて鍋を下ろし、冷蔵庫のバター40gを加え、鍋を揺すりながら手早く混ぜてさせる。
- 2 塩5gと挽いた黒こしょう小さじ1/2を混ぜ、蓋をして1分休ませる。
- 3 ひと混ぜして温めた平皿4枚に流し、底を叩いて広げる。
- 4 仕上げのオリーブオイル15mlを4皿に細く回しかけ、パセリの葉のみじん切り5gを4皿に散らす。
完了の目安
表面につやのある黒い膜が生まれ、皿の上でゆるやかに広がって縁が波打っている。
粒が分離せず、全体が一体のクリーム状にまとまっている。
注意点
火にかけたままバターを入れると油が分離してぎらついた表面になる。必ず火を止めてから加える。
盛り付けを待つとで水分が飛んで固まるため、仕上げたら直ちに供する。
この料理について
ヴェネツィアはラグーナと呼ばれる潟の上に築かれた町です。潟の浅瀬では甲イカがよく獲れ、リアルト橋のたもとの魚市場には今も毎朝並びます。
その甲イカを墨袋ごと使い、身と墨を一緒に米に含ませて皿の上を黒一色に染めるのが、リゾット・アル・ネロ・ディ・セッピアです。潟の漁に支えられてきた料理です。
ヴェネツィアのトラットリアでは、看板料理のひとつとして扱われています。
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標準レシピに使う食材
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- 楽天市場で見る
ムッティ トマトペースト(2倍濃縮)
130g
トマトを2倍に濃縮したペースト。ラグーや煮込みのソースに加え、トマトの風味を補います。
代わりに使える食材
甲イカ(墨袋つきの丸ごと)Seppie fresche intere con sacca del nero
-
ヤリイカ(墨袋つき)本格度: -10 pts
身が薄く繊細になり、甲イカ特有のねっとりした甘みとコクが弱まる。
工程1・6:ヤリイカは加熱で硬化しやすいため、煮込み時間を20分から8分に短縮する。/丸ごと重量は歩留まりが高いので1200gとし、可食部800gを同じく550g/250gに分ける。
-
冷凍イカ胴+市販イカスミ増量本格度: -20 pts
イカ自身の墨と肝の旨みが失われ、塩気主体の平板な味になる。
工程1・4・5・6:墨袋の取り出し工程を省き、冷凍イカ胴800gをそのまま可食部として550g/250gに分ける。/市販イカスミを8gから20gに増やし、フュメット50mlで溶いて2:1に分ける。/冷凍イカは冷蔵庫で12時間かけて解凍し、水気を完全に拭き取ってから切る。/冷凍イカは硬化しやすいため、煮込み時間を20分から10分に短縮する。
イカスミ(パック入り)Nero di seppia in bustina
-
甲イカの墨袋のみで代用(追加なし)本格度: -5 pts
色が漆黒ではなく濃いグレー寄りになるが、風味は最も純粋で角がない。
工程4:墨を溶きのばす工程で市販イカスミを加えず、墨袋の中身のみをフュメット40mlで濾しながら溶き、同じく2:1に分ける。
ヴィアローネ・ナノ米Riso Vialone Nano
-
カルナローリ米本格度: -5 pts
粒の芯がより強く残り、全体がやや締まった食感になる。
工程9:炊き時間を16分から18分に延ばし、フュメットの注ぎ足しを120ml×12回+最初の150ml(合計1590ml)に増やす。
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アルボリオ米本格度: -10 pts
デンプンが出やすく粘りが強くなり、粒立ちが甘くなる。
工程9:フュメットの追加量を1回あたり120mlから80mlに減らし(最初の150ml+80ml×15回=1350ml)、混ぜる回数を1〜2分おきから3分おきに控える。
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日本米(洗わずに使う)本格度: -20 pts
粘りが強く粒の立ちが弱いため、とろりとした仕上がりになる。味は穏やか。
食感:芯の歯ごたえが出にくく、全体が柔らかくまとまる。
米は洗わない/温かいブロードを少量ずつ加え、芯の歯ごたえととろみで仕上がりを判断する
-
日本の短粒米(無洗米以外)本格度: -35 pts
糊化が進んで粥状になり、粒の輪郭とアルデンテ感が失われる。
工程9:米は絶対に洗わず、炊き時間を16分から12分に短縮する。/フュメットの注ぎ足し総量を1350mlから1050mlに減らす(最初の150ml+120ml×7回+90ml×1回)。/墨液の残り1/3を加えるタイミングを炊き始め10分から7分に繰り上げる。/短粒米では炊き始め8分に仕上げ用のイカを焼き始め、10分に鍋へ加える。イカの中心まで白く不透明になるまで炊く。
白身魚のアラ(頭と中骨)Lische e teste di pesce bianco
白玉ねぎCipolla bianca
-
エシャロット本格度: -5 pts
甘みが上品になり、輪郭がやや繊細で軽い味わいになる。
工程5:焦げやすいため、ソッフリットの加熱を弱めの中火8〜10分から弱火6分に変える。
にんにくAglio
-
にんにくパウダー本格度: -20 pts
生にんにくの立ち上がる香りがなく、こもった乾いた香りになる。
工程5:オイルに香りを移す工程を省き、イカを鍋に加える直前に小さじ1/2を振り入れて10秒炒める。
イタリアンパセリPrezzemolo a foglia piatta
辛口白ワイン(ソアーヴェ)Vino bianco secco (Soave)
-
辛口の日本産白ワイン本格度: -5 pts
酸の輪郭がやや穏やかになり、余韻が丸くなる。
-
フュメット100ml+レモン汁小さじ1本格度: -20 pts
ワイン由来の芳香と厚みが失われ、酸味だけが直線的に残る。
工程8:漉した1800mlのフュメットのうち予備分から100mlを取り、追加のレモン汁小さじ1(5ml)とともに注ぐ。/アルコールを飛ばす必要がないため、注いだら30秒煮立てて次のフュメット追加に移る。
トマトペーストConcentrato di pomodoro
-
完熟トマトの果肉(種を除き裏漉し)本格度: -5 pts
凝縮感が減って軽い酸味になり、色味がわずかに赤みを帯びる。
工程5:トマトペーストの代わりに裏漉しトマト40gを加え、炒め時間を1分から3分に延ばして水分を飛ばす。
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