AUTHENTIC RECIPE
Pasta 'ncasciataシチリア風焼きパスタ
メッシーナ周辺で作られるシチリアの焼きパスタ。乾燥マッケローニを肉のラグー、揚げナス、カチョカヴァッロ、ゆで卵と重ね、オーブンで表面を香ばしく焼く。家庭料理でありながら、ソース・揚げ物・組み立てが必要な週末向けの大皿料理。
本場イタリア島嶼部で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- マッケローニ(乾燥)360g
- ナス600g1.5cm厚の半月切り。塩をふって水分を抜く
- 合いびき肉350g
- パッサータ(トマトピューレ)700ml
- カチョカヴァッロ180g1cm角に切る。仕上げ用に30gを取り分ける
- 卵2個固茹でにして8等分のくし形に切る
- グリーンピース100g
- 玉ねぎ1個みじん切り
- にんにく2片みじん切り
- 赤ワイン80ml
- パルミジャーノ・レッジャーノ50g
- エクストラバージンオリーブオイル180mlナスの揚げ焼き用120ml、ラグー用60ml
- パン粉30g型にまぶして香ばしい外側を作る
- 塩40gナスの水出し用5g、パスタ茹で水用30g、ラグー調味用5g
- 黒胡椒2g
作り方
材料を準備する
- 1 ナス600gを1.5cm厚の半月切りにし、塩小さじ1を全体にふる。
- 2 ザルに広げて20分置き、水分が表面ににじんだらキッチンペーパーでしっかり拭き取る。
湯を沸かす
- 1 並行(ナスを揚げ焼きにする間に)大鍋に湯3Lを沸かし始める。
- 2 フライパンにエクストラバージンオリーブオイル120mlを中火で熱し、ナスを2〜3回に分けて揚げ焼きにする。
- 3 片面2〜3分ずつ、表面が濃いきつね色で中心が柔らかくなったら取り出して油を切る。
材料を準備する
- 1 玉ねぎ1個とにんにく2片をみじん切りにする。
- 2 カチョカヴァッロ180gは1cm角に切り、30gを仕上げ用に取り分ける。
茹でる
- 1 卵2個を水から入れて中火にかけ、沸騰後10分茹でる。
- 2 冷水に取って殻をむき、1個を4等分のくし形に切る。
注意点
黄身が固まり、切っても流れなければよい。
香味を炒める
- 1 厚手の鍋にエクストラバージンオリーブオイル60mlを入れ、中火で玉ねぎを6〜7分炒める。
- 2 透明になって甘い香りが立ったら、にんにくを加えて1分炒める。
材料を準備する
- 1 合いびき肉350gを加え、木べらで粗くほぐしながら強めの中火で炒める。
- 2 肉の赤みが消え、鍋底に薄い焼き色がついたら赤ワイン80mlを加え、2〜3分煮立ててアルコールを飛ばす。
材料を合わせる
- 1 パッサータ700ml、グリーンピース100g、塩小さじ1/2、黒胡椒を加える。
注意点
弱めの中火で25分煮込み、木べらで鍋底をなぞると一瞬底が見える濃度になったら火を止める。
ソースを作る
- 1 並行(ラグーを煮込む間に)沸かしておいた湯を再沸騰させる。
- 2 塩30gを加え、マッケローニ360gを袋表示より3分短く茹でる。
- 3 茹で汁100mlを取り置く
オーブンを整える
- 1 オーブンを190℃に予熱する。
- 2 耐熱皿にオリーブオイル小さじ1を塗り、パン粉30gを底と側面にまぶす。
完了の目安
余分なパン粉を落とし、薄い層で覆われた状態にする。
ソースを作る
- 1 茹でたマッケローニをラグーの鍋に入れ、パルミジャーノ50gと茹で汁50mlを加えて混ぜる。
完了の目安
パスタの表面に濃いラグーがまとい、鍋底に水っぽい汁が残らなければよい。
形を整える
- 1 耐熱皿にパスタの半量を敷き、揚げナスの半量、卵の半量、カチョカヴァッロの半量を重ねる。
- 2 残りも同様に重ね、仕上げ用カチョカヴァッロ30gを表面に散らす。
- 3 2分ほどかけて表面を平らにし、チーズが全体に点在していれば焼成に進む。
焼き上げる
- 1 190℃のオーブンで25分焼く。
- 2 表面のチーズが溶けて薄い焼き色がつき、縁のパスタが少しカリッとしたら取り出す。
- 3 10分休ませ、切り分けたときに層が崩れにくくなったら完成。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
シチリア風焼きパスタは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
マッケローニ(乾燥)の代わりに
リガトーニ
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
筒状でソースを抱え込むため近い。やや大ぶりで食感が強くなる
マッケローニ(乾燥)の代わりに
ペンネ・リガーテ
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
入手性は高いが、焼き上がりの一体感は少し弱くなる
ナスの代わりに
ズッキーニ
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
揚げたナス特有の甘みと油を抱える質感がなくなる
水分が多いため揚げ時間を短くし、しっかり油を切る
合いびき肉の代わりに
牛ひき肉
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りは締まるが、豚肉由来の甘みと脂の丸みが弱まる
パッサータ(トマトピューレ)の代わりに
ホールトマト缶(手でつぶす)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
果肉感が強くなる。焼成後の一体感は少し粗くなる
鍋に入れる前に手でよくつぶす
カチョカヴァッロの代わりに
モッツァレラ(低水分)
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
伸びは出るが熟成チーズの塩気と香りが弱まる
水分が多い場合はキッチンペーパーで30分水切りする
カチョカヴァッロの代わりに
スカモルツァ
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
伸びと燻香が加わり、焼きパスタとしての一体感は保てる
グリーンピースの代わりに
冷凍グリーンピース
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
現実的な代替。甘みと色を補える
解凍せずラグーに加える
赤ワインの代わりに
白ワイン
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
軽い香りになり、ラグーの深みが少し弱まる
パルミジャーノ・レッジャーノの代わりに
ペコリーノ・ロマーノ
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
塩気が強くなり、シチリアらしい力強さは増す
ラグーに加える塩を小さじ1/4減らす
この料理について
パスタ・ンカシアータは、シチリア北東部メッシーナ周辺で親しまれてきた焼きパスタです。名前は「箱に詰める」「型に収める」という意味合いを持つ方言に由来するとされ、具材を重ねて焼き固める料理の姿をよく表しています。
この料理は一つの鍋で完結しません。肉のラグーを作り、ナスを揚げ、卵を茹で、パスタを短めに茹で、チーズとともに層にして焼き上げます。工程は多いものの、それぞれの要素が焼成中に一体化し、切り分けたときにシチリアらしい豊かさが現れます。
作家アンドレア・カミッレーリの小説に登場することでも知られ、シチリア家庭料理の象徴的な一皿として広まりました。大量に作り、家族で分け合うための料理です。
QUESTIONS
よくある質問
シチリア風焼きパスタにズッキーニを使ってもいいですか?
作れますが、ナスをズッキーニに替えると本格度が20点下がります。揚げたナス特有の甘みと油を抱える質感がなくなる。水分が多いため揚げ時間を短くし、しっかり油を切る。
シチリア風焼きパスタにモッツァレラ(低水分)を使ってもいいですか?
作れますが、カチョカヴァッロをモッツァレラ(低水分)に替えると本格度が20点下がります。伸びは出るが熟成チーズの塩気と香りが弱まる。水分が多い場合はキッチンペーパーで30分水切りする。
シチリア風焼きパスタにペンネ・リガーテを使ってもいいですか?
使えます。ただしマッケローニ(乾燥)をペンネ・リガーテに替えると本格度が10点下がります。入手性は高いが、焼き上がりの一体感は少し弱くなる。
シチリア風焼きパスタを失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。黄身が固まり、切っても流れなければよい。弱めの中火で25分煮込み、木べらで鍋底をなぞると一瞬底が見える濃度になったら火を止める。
シチリア風焼きパスタを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
4人分で合計2時間です(準備35分・調理1時間25分)。
シチリア風焼きパスタは家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中4で、技術の見極めが要る一皿です。全12工程のうち仕上がりを左右するのは「茹でる」「材料を合わせる」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
READER REVIEWS
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次の週末は、コース料理を家で。
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