AUTHENTIC RECIPE

Pasta chi Vroccoli Arriminatiパスタ・キ・ヴロッコリ・アッリミナーティ(カリフラワーの練り込みパスタ)

合計
1時間49分
難易度
★★★☆☆
分量
4人分
  • 準備 35分
  • 調理 1時間14分
Pasta chi Vroccoli Arriminati「パスタ・キ・ヴロッコリ・アッリミナーティ(カリフラワーの練り込みパスタ)」
難易度★★★☆☆ 準備35分 調理1時間14分 分量4人分 地方イタリア島嶼部・パレルモ

パレルモの街場を代表するパスタ。シチリアで「ヴロッコロ」と呼ぶ緑のカリフラワーを丸ごと茹で、木べらで潰しながら混ぜてソースにし、アンチョビ、干しぶどう、松の実、サフランの甘じょっぱい味を重ねる。仕上げはチーズではなく、黄金色に炒ったパン粉(muddica atturrata)。

パレルモで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピです。分量と時間だけでなく、次の工程へ進む目安となる状態も書いています。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

このスコアは、標準レシピの食材と手順で作った場合の値です。代わりに使える食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とあわせてスコアが変わります。

材料(4人分)

100本格度
4

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作り方

1約15分

下ごしらえ(干しぶどう・アンチョビ・パン粉・玉ねぎ・カリフラワー)

  • 1 並行(干しぶどうを戻す15分の間に)アンチョビのと、パン粉・玉ねぎ・カリフラワーの下処理を進める。
  • 2 干しぶどう50gをぬるま湯200mlに浸す。
  • 3 塩漬けアンチョビ6尾を流水で20〜30秒洗って表面の塩を落とし、指で開いて中骨と尾を外し、身12枚にしてペーパーで水気を拭く。
  • 4 固くなったパンの中身100gを手で粗くほぐし、5mm前後の不揃いな粒にする。
  • 5 白玉ねぎ150gを2mm厚の薄切りにする。
  • 6 緑カリフラワー900gの外葉を落とし、芯の底を平らに切り落として丸ごとの形のまま水でよく洗う。
  • 7 浸してから15分たった干しぶどうを両手で水気をしっかり絞る。

完了の目安

干しぶどうがふっくら戻っている。

アンチョビの身に塩の粒が残っておらず、中骨が抜けている。

カリフラワーが丸ごとの形で洗い上がり、玉ねぎとパン粉が別々の器に揃っている。

注意点

アンチョビを水に長く漬け込むと旨みまで抜ける。塩を落とすのは流水で数十秒にとどめる。

パン粉をフードプロセッサーで細かくしすぎると、仕上げのざらついた食感が出ない。

カリフラワーはこの時点で房に分けない。丸ごと茹でるのがこの料理の型。

補足

パレルモではこのパン粉を muddica atturrata と呼び、チーズの代わりに使う。貧しい時代の名残で「貧者のパルミジャーノ」とも言われる。

干しぶどうの戻し汁は雑味が出るため料理には使わない。

2約25分

カリフラワーを丸ごと茹で、茹で汁を確保する

  • 1 並行(湯が沸くまでの間に)サフランを浸す小さな器とトマトペーストを溶く器、カリフラワーを受けるバットを用意しておく。
  • 2 直径26cm以上の深い大鍋に水4Lと粗塩40gを入れ、強火で沸騰させる。
  • 3 沸騰した湯にカリフラワー1個を芯を下にして丸ごと入れ、浮く場合は木べらかで沈め、中火で15〜18分茹でる。
  • 4 竹串が芯の中心まで抵抗なく通ったら、穴あきお玉とトングでカリフラワーを崩さないよう引き上げ、バットに置く。
  • 5 茹で汁は捨てずに鍋に残し、蓋をしてごく弱火(表面がわずかに揺れる程度)で保温する。

完了の目安

竹串が芯の中心まですっと入り、房を指で軽く押すと崩れる柔らかさになっている。

茹で汁が薄い緑色に染まっている。

蓋の下で湯が沸騰手前の状態を保っている。

注意点

茹で汁は絶対に捨てない。この汁がパスタの茹で湯と、ソースを伸ばす液体を兼ねる。

蓋をせずに保温すると湯が大きく減り、後のパスタ茹でで湯量不足になる。

茹ですぎて完全に崩壊させると、後で練る際に水っぽくなる。竹串が通ったらすぐ引き上げる。

補足

パレルモでは丸ごと(大きすぎる場合は半割り)で茹でる。房に分けて茹でると甘みと香りが湯に流れ出しすぎ、実の側が痩せる。

3約10分

サフランとトマトを立て、茹でたカリフラワーを大割りにする

  • 1 並行(サフランを浸す10分の間に)カリフラワーを大割りにし、茎を切る。
  • 2 鍋の茹で汁50mlを小さな器に取り、サフラン0.3gを指で軽く砕いて浸し、10分置く。
  • 3 別の器に茹で汁30mlを取り、トマト濃縮ペースト20gを加えてなめらかに溶きのばす。
  • 4 引き上げたカリフラワーが手で触れる温度になったら芯を切り落とし、房を3〜4cmに割る。
  • 5 太い茎はピーラーで皮をむいて1cm厚の輪切りにし、房と一緒にバットに戻す。

完了の目安

サフランを浸した茹で汁が濃いオレンジ色に色づいている。

トマトペーストにダマがなく、なめらかに溶けている。

カリフラワーが3〜4cmの房と輪切りの茎に分かれてバットに揃っている。

注意点

茹で汁を取るたびに湯量が減る。取り出したあとは必ず蓋を戻してごく弱火を保つ。

熱いうちに力を入れて扱うと房が原形をなくす。この段階では割るだけにとどめる。

補足

サフランは湯に浸して色素を溶かしてから加えると、鍋全体に均一な黄金色が回る。

4約10分

松の実の乾煎りと炒りパン粉(muddica atturrata)

  • 1 フライパンを油をひかずに弱めの中火にかけ、松の実50gを入れて木べらで絶えず動かしながら3〜4分乾煎りし、淡いきつね色になったら皿に取り出す。
  • 2 同じフライパンにオリーブオイル30mlを入れて中火で温め、ほぐしたパン粉100gを加える。
  • 3 木べらで絶えず混ぜながら5〜7分炒め、パン粉全体に油をまわして水分を飛ばす。
  • 4 炒め上がったパン粉をすぐに冷たい皿かバットに移し、平らに広げて冷ます。

完了の目安

松の実の表面に薄く色がつき、樹脂のような香ばしい匂いが立っている。

パン粉が濃い黄金色になり、木べらで押すとサクサクと乾いた音がする。

注意点

松の実は油分が多く、色づき始めてから焦げるまでが30秒ほどしかない。鍋から目を離さない。

パン粉はフライパンに入れたままにするとで焦げて苦くなる。色づいたら即座に別容器へ移す。

補足

パン粉は完全に冷めるとさらにカリッとする。仕上げまでフライパンに戻さない。

5約18分

ソフリットにアグロドルチェの要素を溶かす

  • 1 並行(玉ねぎを炒める10〜12分の間に)別鍋に水500mlを入れて沸かし、湯量補充用の熱湯として蓋をして取り置く。
  • 2 深めのフライパンか鍋にオリーブオイル60mlを入れ、弱めの中火で温める。
  • 3 薄切りの白玉ねぎ150gを加え、弱火で10〜12分、色をつけないよう木べらで返しながら炒める。
  • 4 アンチョビの身12枚を加え、木べらで押し潰しながら弱火で2〜3分炒め、油に溶かし込む。
  • 5 溶きのばしたトマト濃縮ペーストを加え、弱火で2分炒めて酸味を飛ばす。
  • 6 絞った干しぶどう50gと乾煎りした松の実50gを加え、弱火で1分炒め合わせる。
  • 7 サフランを浸した茹で汁50mlをめしべごと全量注ぎ入れ、弱火で1分煮て全体をなじませる。

完了の目安

玉ねぎが透き通ってしんなりし、茶色い焼き色がついていない。

アンチョビの形が完全になくなり、油が濁った灰茶色になっている。

鍋全体が濃いオレンジ色に染まり、甘い香りと魚の旨みが一体になっている。

注意点

玉ねぎに焼き色をつけると苦みが出て、サフランの繊細な香りを潰す。まで色をつけずに甘く炒める。

アンチョビは強火にすると一気に焦げて生臭くなる。必ず弱火で溶かす。

補足

干しぶどう・松の実・サフラン・アンチョビの組み合わせはアラブ支配期にシチリアへ入った甘塩っぱい(アグロドルチェ)の型で、パレルモ料理の骨格をなす。

6約12分

カリフラワーを練り混ぜる(arriminare)

  • 1 並行(練り混ぜる12分の間に)カリフラワーの茹で汁の鍋を蓋をしたまま強火にかけ、パスタを茹でる完全な沸騰に戻す。
  • 2 大割りにしたカリフラワーをすべて(香味野菜のみじん切りをじっくり炒めた土台)の鍋に加える。
  • 3 木べらで房をに押しつけて潰しながら、中火で10〜12分練り混ぜる。
  • 4 水分が飛んで鍋底につきそうになるたびにカリフラワーの茹で汁を50mlずつ加え、合計200mlを使い切るまで練り続ける。
  • 5 食塩3gを加えて味を整え、さらに1分練り混ぜる。

完了の目安

房の8割が崩れてクリーム状になり、2割ほどが小さな塊で残っている。

木べらで鍋底をなぞると、ソースがゆっくり戻って筋が数秒残る濃度になっている。

注意点

水分が足りないまま練り続けると鍋底が焦げ、全体に焦げ臭が移る。茹で汁を継ぎ足しながら練る。

完全なにしないこと。塊が少し残ることで食感の輪郭が出る。

補足

加える茹で汁は合計200mlを基準とする。鍋径が広い・火力が強い場合は蒸発が早いため±50mlの範囲で前後してよい。

arriminare はシチリア方言で「練り混ぜる」の意で、この料理名そのものの由来。木べらで潰す作業が味の一体感を作る。

7約14分

パスタを茹で、ソースと合わせる

  • 1 並行(パスタが茹だる間に)皿4枚を熱湯か低温のオーブンで温めておく。
  • 2 沸騰した茹で汁の湯量を確認し、3.5Lを下回っていれば取り置いた熱湯を最大500ml足し、足した500mlにつき粗塩5gを加えて塩分濃度を10g/Lに保つ。
  • 3 強火の完全な沸騰でブカティーニ400gを入れ、菜箸でほぐし、袋の表示時間より2分短く茹でる。
  • 4 茹で上がる直前に、茹で汁を計量カップで300ml取り置く。
  • 5 ブカティーニを湯切りしてカリフラワーの鍋に移し、取り置いた茹で汁を150ml加える。
  • 6 中火にかけ、トングで麺を持ち上げては返す動作を繰り返しながら2〜3分あおる。
  • 7 締まりすぎたら取り置いた残りの茹で汁を50mlずつ、最大150mlまで足してとろみを保つ。

完了の目安

麺の芯にごく細い白い線が残る手前で、ソースが麺全体に黄金色に絡んでいる。

鍋を傾けてもソースが流れ落ちず、麺にまとわりついている。

注意点

湯量が3.5Lを大きく下回ったまま400gの麺を入れると、湯温が落ちて麺が糊状になり塩味も濃くなる。必ず投入前に確認する。

茹で汁は塩分10g/Lに加えカリフラワーの旨みで濃い。塩を追加する前に必ず味を見る。

ブカティーニは穴の中にも湯が入るため、湯切り後に急速に水分が抜ける。ソース合わせは手早く行う。

補足

取り置く茹で汁は300mlと多めに確保する。練り込んだカリフラワーが想像以上に水分を吸うため。

8約5分

炒りパン粉で仕上げて盛る

  • 1 温めた皿4枚にパスタを等分に盛り、トングで高さを出して山型にまとめる。
  • 2 炒りパン粉の半量を4皿に均等に振りかける。
  • 3 黒こしょう1gをミルで挽きたてを各皿に振る。
  • 4 残りの炒りパン粉を小鉢に入れ、卓上に添えて供す。

完了の目安

黄金色のパスタの上にパン粉の層が乾いたまま乗り、湿ってしまっていない。

注意点

パン粉を鍋の中で混ぜ込むと水分を吸ってふやけ、食感のざらつきが失われる。必ず盛りつけ後にかける。

補足

パレルモではこの料理にチーズをかけず、緑のハーブも散らさない。炒りパン粉と挽きたて黒こしょうだけで締めるのが街場の型。

供する直前に卓上でさらにパン粉を足すのがトラットリアの流儀。

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パレルモ/シチリアの街並み・風景
Palermo, Siciliaパレルモ/シチリア 写真:Benjamín Núñez González · CC BY-SA 4.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

パレルモを中心とするシチリア西部では、冬にカリフラワーが最盛期を迎えます。この島では緑や紫の在来種が育てられ、市場に色ごとに積まれます。

この料理には、サフラン、干しぶどう、松の実が入ります。いずれも9世紀以降のアラブ支配期にこの島へもたらされた材料で、そのまま定着しました。アッリミナーティとは方言で「かき混ぜられた」という意味です。カリフラワーを崩しながら混ぜ、麺と一体にする作り方が、名前になっています。

パレルモの家庭とトラットリアでは、冬の定番として作られています。仕上げに散らす炒りパン粉は、魚介のパスタにも使われます。

代わりに使える食材

ブカティーニBucatini

  • メッツィ・ジーティ(折ったもの)本格度: 変化なし

    筒状の短い麺にソースが入り込み、より粘度のある一体感になる。

    工程7:長さ4〜5cmに手で折ってから茹でる。/茹で時間は袋の表示より2分短く取り、鍋の中で2〜3分あおって仕上げる。

  • スパゲッティ本格度: -5 pts

    穴がないぶんソースの含みが浅く、口当たりが軽くなる。

    工程7:湯切り後に水分が抜けやすいので、鍋であおる時間を2分に短縮する。

緑カリフラワー(シチリア産種のカリフラワー)Cavolfiore verde siciliano (vruocculu)

  • ロマネスコ本格度: -5 pts

    ナッツ様の香りが強く、崩れにくいため粒感がやや残る。

    工程2・6:丸ごと茹でる時間を2分ほど長くし、竹串が芯まで抵抗なく通るまで加熱する。

  • 白カリフラワー本格度: -5 pts

    甘みが穏やかで香りが淡く、全体の色がサフラン寄りの黄色一色になる。

    工程2:丸ごと茹でる時間を13〜15分に短くする(白種は繊維がやわらかい)。

白玉ねぎCipolla bianca

  • 黄玉ねぎ本格度: 変化なし

    甘みがやや濃く、輪郭のはっきりした香りになる。

    工程5:色づきやすいので炒めは弱火のまま10分にとどめる。

塩漬けアンチョビAcciughe sotto sale

  • オイル漬けアンチョビフィレ(12枚)本格度: -5 pts

    塩気と熟成香がやや弱く、丸みのある旨みになる。

    工程1・5:塩抜きは不要。12枚の油を軽く切ってそのまま使う。

  • コラトゥーラ・ディ・アリーチ(魚醤)本格度: -10 pts

    旨みは通るが身のコクがなく、後味が澄んだ塩味になる。

    工程1・5・7:ソフリットには加えず、パスタを鍋であおり終える直前に小さじ2を回し入れる。/塩漬けアンチョビの塩抜き作業は不要になる。

干しぶどう(小粒のパッソリーナ)Uva passa (passolina)

  • サルタナレーズン本格度: -5 pts

    粒が大きく甘みが直線的で、酸味の余韻が弱くなる。

    工程1・5:戻したあと粗く刻んでからソフリットに加える。

  • カラント(干しすぐり)本格度: -5 pts

    酸味が強めで、甘塩っぱさのコントラストが鋭くなる。

    工程1:粒が小さく戻りが早いので、浸水は10分にする。

松の実Pinoli

  • スライスアーモンド本格度: -10 pts

    樹脂香が消え、香ばしさが軽く乾いた印象になる。

    工程4:焦げやすいので乾煎りは弱火で2分に短縮する。

サフラン(めしべ)Zafferano in pistilli

  • サフランパウダー本格度: -5 pts

    香りの立ち上がりが早く、余韻はやや短い。

    工程3:めしべ0.3gの代わりにパウダー0.15g(0.125g入り小袋1袋+ひとつまみ)を茹で汁50mlに溶く。/浸す時間は3分で足りる。

  • ターメリック本格度: -35 pts

    色は近づくが、サフラン特有の干し草様の甘い香りが失われ土っぽい苦みが出る。

    工程3・5:茹で汁に浸す工程を省く。/小さじ1/2をソフリットの油に直接加えて弱火で30秒炒め、香りを出してから茹で汁50mlを注ぐ。

トマト濃縮ペースト(エストラット)Estratto di pomodoro

  • トマトペースト(缶・チューブ)本格度: -5 pts

    塩味と発酵的な深みが薄く、酸味がやや前に出る。

    工程3:溶きのばす茹で汁を20mlに減らし、同量で扱う(水分が多いため)。

エキストラバージンオリーブオイルOlio extravergine di oliva

  • ピュアオリーブオイル本格度: -10 pts

    青い辛みと果実香が消え、ソース全体の輪郭がぼやける。

    工程4・5:発煙点が高く色づきが早いので、パン粉の炒りは中弱火で5分に調整する。

固くなったパンの中身(パン粉用)Mollica di pane raffermo

  • 乾燥パン粉(粗挽き)本格度: -10 pts

    粒が均一で軽く、噛んだときのざらつきと小麦の甘みが弱まる。

    工程4:水分が少ないため炒る時間を3〜4分に短縮し、色づきを早めに止める。

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