AUTHENTIC RECIPE

Cjarsons della Carniaチャルソンス・デッラ・カルニア

合計
5時間28分
難易度
★★★★☆
分量
4人分
  • 準備 1時間5分
  • 調理 2時間23分
  • 待ち時間 2時間
Cjarsons della Carnia(チャルソンス・デッラ・カルニア)
難易度★★★★☆ 準備1時間5分 調理2時間23分 待ち時間2時間 分量4人分 地方北イタリア・トルメッツォ

カルニアの山村で復活祭前後や祝祭に作られてきた、甘さと塩気が同居する詰めパスタ。ゆでたじゃがいもを練り込んだ扱いの難しい生地を極薄に伸ばし、じゃがいも、フレッシュリコッタ、レーズン、砂糖漬けシトロン、無糖ココア、シナモン、野生のハーブを合わせた餡を包む。仕上げは焦がしバターと削りかけた燻製リコッタ、砂糖とシナモン。

トルメッツォで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピです。分量と時間だけでなく、次の工程へ進む目安となる状態も書いています。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

このスコアは、標準レシピの食材と手順で作った場合の値です。代わりに使える食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とあわせてスコアが変わります。

材料(4人分)

100本格度
4

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作り方

1約2時間

リコッタの水切りとレーズンの戻し

  • 1 並行(の間に)シトロンの砂糖漬け25gを3mm角に刻む。
  • 2 並行(の間に)アマレッティ25gをポリ袋に入れ、めん棒で細かく砕く。
  • 3 フレッシュリコッタ150gをペーパーを敷いたざるで2時間冷蔵し、する。
  • 4 レーズン30gを40℃のぬるま湯に20分浸し、固く絞って粗く刻む。

完了の目安

リコッタから出る水分が止まり、持ち上げても形が崩れない状態になっていること。

リコッタの重量が約120gまで落ちていること。

レーズンが芯まで柔らかく膨らんでいること。

注意点

リコッタのが甘いと詰めものが緩み、包んだ後に生地が破れる原因になる。

補足

カルニアでは詰めものの配合が家ごとに異なり、『レシピが百通りある料理』と言われる。乾物の下ごしらえを丁寧にすることが唯一共通する土台となる。

2約45分

じゃがいもを茹でて裏ごしし、生地用と詰めもの用に分ける

  • 1 並行(茹でている間に)ほうれん草80gを洗い、玉ねぎ50gを極みじん切りにする。
  • 2 並行(茹でている間に)生地用バター10gを出して柔らかくし、卵黄は使う直前に冷蔵庫から出す。
  • 3 じゃがいも430gを皮付きのまま水から火にかけ、沸騰後は中火で25〜35分茹でる。
  • 4 熱いうちに皮をむいてし、生地用190gと詰めもの用150gに分け、詰めもの用は広げて冷ます。

完了の目安

竹串が中心まで抵抗なくすっと通ること。

したじゃがいもに粒やダマが残っていないこと。

生地用190gと詰めもの用150gに計量して分けられていること。

注意点

皮をむいて茹でると吸水して生地がべたつき、粉の追加量が読めなくなる。

冷めてからすると粘りが出て、生地も詰めものも重くなる。

補足

皮付きで茹でて皮をむきすると、歩留まりは生の重量の約80%になる。生430g→約340gがこのレシピの前提。

3約12分

温かいうちにじゃがいも生地をまとめる

  • 1 温かい生地用じゃがいもにバター10g、塩2g、小麦粉70gを順に切り混ぜてそぼろ状にし、卵黄1個を加えて3〜4分こねる。
  • 2 小麦粉35gを少しずつ加えてなめらかにまとめ、ラップで包む。

完了の目安

表面が均一でひび割れがなく、指で押すとゆっくり戻る弾力があること。

作業台に生地がべたついて張り付かない状態になっていること。

注意点

こねすぎるとじゃがいものデンプンが出て生地がゴム状になり、伸ばすと切れる。

粉を一度に全量入れると硬くなりすぎ、極薄に伸ばせなくなる。

4約30分

生地を冷蔵庫で休ませる

  • 1 並行(間に)ミント8g・レモンバーム4g・マジョラム3g・イタリアンパセリ8gの葉をみじん切りにする。
  • 2 並行(間に)小鍋にほうれん草用の湯を沸かし、続けて工程5・6の詰めもの作りを進める。
  • 3 生地をラップで包んだまま冷蔵庫で30分、工程8まで冷蔵しておく。

完了の目安

生地を指で押すとゆっくり戻り、表面が乾いていないこと。

補足

じゃがいも生地は卵生地よりが弱く、長時間も伸びはよくならない。30分で十分。

5約22分

詰めものの香味野菜とハーブを仕込む

  • 1 バター15gで玉ねぎを弱火で色づけずに8〜10分炒め、グラッパ15mlを加えて中火で煮立て、アルコール臭を飛ばして冷ます。
  • 2 ほうれん草を1分茹でて冷水に取り、固く絞って細かく刻み、再度絞る。

完了の目安

ほうれん草が水分をほとんど含まず、ぱらりとほぐれる状態になっていること。

玉ねぎが茶色に色づかず透明で、鼻を近づけてアルコールの刺激臭を感じないこと。

玉ねぎが室温まで下がっていること。

注意点

酒類には決して着火しない。煮立てて香りを残したままアルコールだけ飛ばす。

熱い玉ねぎをリコッタに入れると分離して水っぽくなる。

6約18分

甘塩折衷の詰めものを合わせる

  • 1 混ぜる前にリコッタとほうれん草から水が出ていないことを確認し、必要ならさらに水を切る。冷めた詰めもの用じゃがいもとリコッタを練らずに切り混ぜ、ハーブ、ほうれん草、玉ねぎを汁ごと混ぜる。
  • 2 レーズン、シトロン、アマレッティ、ふるったココア5g、グラニュー糖15g、シナモン1.5g、ナツメグ0.5g、レモンの皮すりおろし1個分、塩2g、黒こしょう1gを加え、色むらなく混ぜる。
  • 3 パン粉15gを2回に分けて混ぜ、工程7で冷やしてから形を保つか確認する。

完了の目安

詰めものをスプーンですくったとき、液体がにじまず形を保っている。

注意点

ゴムベラで練り込むとじゃがいものデンプンが出て、餡が糊状になる。

餡が緩いと包むときに生地が破れ、茹でている最中に流出する。冷やしても液体がにじむ詰めものは包まず、を十分にした材料で作り直す。

7約30分

詰めものを冷蔵で締める

  • 1 並行(冷やす間に)用の小麦粉30gから少量をバットに薄く振る。
  • 2 詰めものにラップを密着させ、冷蔵庫で30分冷やす。

完了の目安

詰めものが冷たく締まり、スプーンの背で押しても水気が浮いてこないこと。

注意点

室温のまま包むと餡が緩んで縁に回り込み、閉じられなくなる。

補足

冷やして締めた餡は10gずつ計量して丸めやすく、極薄の生地を破りにくい。

8約35分

生地を極薄に伸ばして48枚抜く

  • 1 生地を4等分し、使わない分はラップで包んで冷蔵庫に戻す。取り出した分だけをした台で厚さ1mmに伸ばす。
  • 2 直径8cmの丸型で抜いて布巾で覆い、端切れも伸ばし直して計48枚抜く。

完了の目安

生地の下に敷いた指の輪郭がうっすら透けて見える薄さになっていること。

円形が48枚揃い、乾かずしっとりしたまま布巾の下に並んでいること。

注意点

が多すぎると縁が接着せず、茹でたときに口が開く。

端切れを強くこね直すと生地が締まり、伸ばすと裂ける。

9約40分
チャルソンスを48個包む

チャルソンスを48個包む

  • 1 生地に詰めもの10gをのせ、縁に水を薄く塗って半月に折り、空気を押し出して閉じ、縁をつまんで襞(ひだ)を作る。
  • 2 粉を振ったバットに重ねずに並べ、バット1枚分ができるたび覆って冷蔵する。48個すべて包んだら、茹でる12個ずつ取り出す。

完了の目安

すべての個体で縁が完全に密着し、押しても口が開かないこと。

内部に空気の膨らみが残っていないこと。

注意点

空気を残したまま閉じると茹でている間に膨張して破裂する。水を塗りすぎると縁が滑って接着せず、逆に開く。

10約14分

皿を温め、焦がしバターを作り、燻製リコッタを削る

  • 1 並行(バターを焦がす間に)大鍋で水4Lと粗塩40gを沸かす。
  • 2 70℃のオーブンで皿4枚を温める。
  • 3 燻製リコッタ60gを細かく削り、仕上げ用のグラニュー糖8gとシナモン1gを混ぜる。
  • 4 小さめの厚手フライパンでバター60gを弱めの中火で4〜6分焦がし、ヘーゼルナッツ色で火を止めて濡れ布巾にのせる。できた焦がしバターを小さな耐熱容器4個に等分する。

完了の目安

バターが澄んだ琥珀色になり、ナッツのような香ばしい香りが立っていること。

茹で湯が全面で大きく沸き立っていること。

皿4枚が手で触れて温かい状態になっていること。

注意点

焦がしバターは色づき始めると数十秒で黒く焦げ、苦味が出る。火から外すタイミングを遅らせない。

燻製リコッタは熱いフライパンに入れると固まるので、必ず皿の上で使う。

補足

茹で湯の塩分は10g/L。詰めものが甘いぶん、茹で湯の塩気が全体の輪郭を作る。

11約22分

12個ずつ茹で、皿ごとに仕上げて供する

  • 1 湯を表面がかすかに揺れる約90℃(frèmere)に保ち、12個を入れて鍋底から一度剥がす。
  • 2 浮いてから2分を目安に茹で、1個を割り、詰め物の中心まで熱くなっていることを確かめる。穴あきお玉で湯を切り、温めた皿へ移す。
  • 3 1皿分の焦がしバターをフライパンに戻し、弱火で10秒温め直してかけ、燻製リコッタ15gと砂糖とシナモンの1/4量を振ってすぐ供する。残りも12個ずつ同様に茹でて仕上げる。

完了の目安

生地と詰めものに火が通り、詰めものの中心まで熱くなっている。

注意点

強く沸騰させると生地が破れて餡が湯に流れ出る。必ず沸騰直下を保つ。

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カルニアの街並み・風景
Carniaカルニア 写真:Marco Del Torchio 95 · CC BY 4.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

カルニアはフリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州の北部、オーストリア国境に接する山岳地帯です。谷ごとに集落が孤立してきた土地で、料理も谷単位で少しずつ姿を変えてきました。

チャルソンスはその谷々に伝わる詰めパスタです。詰め物には、レーズン、砂糖漬けの柑橘、シナモン、ココアといった甘いものが、じゃがいもとリコッタ、香草と一緒に入ります。かつて行商人がアルプスを越えて運んできた香辛料とドライフルーツが、山の家庭料理に定着した結果と考えられています。

トルメッツォ周辺のオステリアでは、季節を問わず品書きにあります。甘いのか塩辛いのか決めきらないまま皿に出るのが、この料理の本来の姿です。

標準レシピに使う食材

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  • フィオルディマーゾ リコッタ・フレスカ

    250g

    牛乳のホエイからつくるフレッシュチーズ。ラビオリの詰め物や、リコッタを使うお菓子に。

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TOOLS

道具

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  • OXO ポテトライサー 26981

    工程2で、加熱したじゃがいもを細かくつぶす道具です。裏ごし器でも対応できます。

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代わりに使える食材

じゃがいも(生地用・黄肉種)Patate a pasta gialla (per la sfoglia)

  • メークイン本格度: 変化なし

    粘りが強くなり生地がわずかにもっちりする。

  • 男爵いも本格度: -5 pts

    生地が崩れやすく口当たりが粗くなる。

    工程3:デンプンが多く練ると粘りが出やすい一方で保形性が低いため、小麦粉は先に70gではなく50gだけ混ぜ、手にわずかに付く硬さになるまで残りを5gずつ足す(総量105gを超えないようにする)。/こねる時間を3〜4分から2分に短縮する。

薄力寄りの小麦粉(00タイプ)Farina di grano tenero tipo 00

  • 小麦粉タイプ1(準全粒)本格度: -5 pts

    素朴な麦の香りが強まり、山村の古い作り方に近づく。

  • 中力粉(うどん粉)本格度: -5 pts

    生地の歯ごたえが増し、繊細さがやや失われる。

    工程3・4:グルテンが出やすいため、こね時間を3〜4分から2分に短縮する。/休ませ時間を30分から40分に延ばす。

卵黄Tuorlo d'uovo

  • 全卵(1/2個分を溶いたもの)本格度: -5 pts

    生地がやや締まり、コクが軽くなる。

バター(生地用)Burro (per la sfoglia)

  • ラード本格度: -5 pts

    生地がよりほろりと崩れ、山岳部の古式に近い風味になる。

フレッシュリコッタ(牛乳製)Ricotta fresca vaccina

  • 羊乳リコッタ本格度: -5 pts

    乳の香りが濃厚になり、甘さとの対比が強まる。

  • 水切りしたカッテージチーズ(裏ごし)本格度: -10 pts

    酸味が立ち、口当たりがやや粒状になる。

    工程1・6:2時間の水切り後に裏ごしを2回行って粒感を消し、その状態で詰めものに加える。

ほうれん草Spinaci freschi

  • スイスチャード(不断草)本格度: 変化なし

    わずかに土の香りが強く、より野草に近い風味になる。

  • イラクサ(新芽)本格度: 変化なし

    青く野性的な香りが加わり、最も現地に近い味になる。

    工程5:手袋を着用し、湯1Lで1分ではなく2分茹でて刺毛を無害化してから冷水に取り、固く絞る。

ミント(生)Menta fresca

  • ドライミント本格度: -10 pts

    清涼感が鈍り、乾いた薬草的な香りになる。

    工程5:生ミント8gの代わりにドライミント3gを使い、刻まずに指で揉んで香りを立たせてから他のハーブと合わせる。

レモンバームMelissa

  • レモンタイム本格度: -5 pts

    柑橘感は残るが樹脂的な香りが加わる。

マジョラムMaggiorana

  • オレガノ(生)本格度: -5 pts

    香りが強く苦味寄りになる。

玉ねぎCipolla

  • エシャロット本格度: -5 pts

    甘みが上品になり辛味が減る。

レーズンUvetta sultanina

  • 干しいちじく本格度: -10 pts

    甘みが穏やかになり、種のプチプチした食感が加わる。

    工程1:繊維が固いため先に5mm角に刻み、それから40℃程度のぬるま湯200mlで20分戻して固く絞る。

シトロンの砂糖漬けCedro candito

  • オレンジピールの砂糖漬け本格度: -5 pts

    柑橘の香りが甘く華やかになり、苦味が減る。

  • ゆずの砂糖漬け本格度: -20 pts

    和柑橘の華やかな香りが前に出て、山村的な素朴さが薄れる。

無糖ココアパウダーCacao amaro in polvere

  • ダークチョコレート(カカオ70%・削り)本格度: -5 pts

    油脂のコクと甘みが加わり、苦味の輪郭がやわらぐ。

    工程1・6:ココア5gの代わりにカカオ70%のチョコレート15gを冷蔵庫で15分冷やし、目の細かいおろし金で細かく削って冷蔵庫に戻しておく。/ふるったココアの代わりに、削ったチョコレート15gをレーズン・シトロン・アマレッティと一緒に加える。

アマレッティ(固焼き)Amaretti secchi

  • ビスコッティ+アーモンドエッセンス本格度: -10 pts

    杏仁香が単調になり、余韻が短くなる。

    工程1・6:アマレッティの代わりにビスコッティ25gを同様に粉状に砕く。/砕いたビスコッティにアーモンドエッセンス2滴を混ぜてから詰めものに加える。

  • アーモンドの固焼きクッキー(市販)本格度: -20 pts

    杏仁の苦みと軽い歯ざわりが失われ、甘さが前に出る。

    食感:砕くと粉になりやすい。

    砕く前にアーモンドエッセンスを数滴たらす

グラニュー糖(詰めもの用)Zucchero semolato (per il ripieno)

  • はちみつ本格度: -10 pts

    甘みに花の香りが加わり、詰めものが緩くなる。

    工程6:グラニュー糖15gの代わりにはちみつ12gを加える。/水分が増えるためパン粉を15gから20gに増やし、3回に分けて硬さを見ながら加える。

グラッパGrappa

  • ラム酒(ダーク)本格度: -5 pts

    甘い樽香が加わり、山のブランデーらしい辛口の香りが弱まる。

  • りんごの蒸留酒本格度: -10 pts

    果実香が前に出て後味が軽くなる。

燻製リコッタRicotta affumicata

  • リコッタ・サラータ本格度: -10 pts

    燻香が消え、塩味とミルク感だけの輪郭になる。

  • パルメザンチーズ(すりおろし)本格度: -20 pts

    燻製の香りがなくなり、熟成チーズの旨みになる。

    食感:水分が少なく、細かく削って仕上げにかけられる。

    同量をすりおろして仕上げにかける/塩は味を見て調整する

  • スカモルツァ・アッフミカータ(削り)本格度: -20 pts

    燻香は残るが乳脂が多く、粉状ではなく細い糸状に散り、熱で溶けて糸を引く。

    工程10・11:削る前に冷凍庫で15分締めてから目の細かいおろし金で細かく削る。/溶けて固まらないよう、皿に盛って焦がしバターをかけた直後に散らす。

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