AUTHENTIC RECIPE

Canederli allo Speck in Brodoカネーデルリ・アッロ・スペック・イン・ブロード(スペック入りパン団子の澄ましスープ仕立て)

合計
4時間54分
難易度
★★★☆☆
分量
4人分
  • 準備 10分
  • 調理 4時間44分
Canederli allo Speck in Brodo「カネーデルリ・アッロ・スペック・イン・ブロード(スペック入りパン団子の澄ましスープ仕立て)」
難易度★★★☆☆ 準備10分 調理4時間44分 分量4人分 地方北イタリア・ボルツァーノ

硬くなった白パンを牛乳で戻し、燻製生ハムのスペック、炒め玉ねぎ、卵、少量の小麦粉でまとめる南チロルのパン団子を、澄んだ牛肉のブロードに浮かべたプリモ。

ボルツァーノで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピです。分量と時間だけでなく、次の工程へ進む目安となる状態も書いています。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

このスコアは、標準レシピの食材と手順で作った場合の値です。代わりに使える食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とあわせてスコアが変わります。

材料(4人分)

100本格度
4

Amazon・楽天市場へのリンクはアフィリエイトリンクです。

作り方

1約25分

ブロードを立ち上げ、アクを引く

  • 1 牛バラ肉600gを塊のまま流水でさっと洗い、水気を拭き取って直径24cm以上の深鍋に入れる。
  • 2 冷水3000mlを注ぎ、蓋をせずに中火にかける。
  • 3 水面が細かく揺れて白灰色のが浮き始めたら、おたまでだけをすくい、に付いた泡も濡らしたペーパーで拭き取る作業を10〜15分繰り返す。
  • 4 が出尽くしたら火を弱め、液面が5秒に1〜2粒だけ泡が上がる状態(88〜92℃)に落とす。

完了の目安

表面に新しいがほとんど浮かなくなり、液体が薄く濁った灰色から透明感を帯びてきた状態。

液面が沸き立たず、静かに揺れる程度の火加減になっている状態。

注意点

熱湯から肉を入れると表面が固まって旨みが出ない。必ず冷水から立ち上げる。

強火でぐらぐら沸かすと脂とタンパク質がして白濁し、二度と澄まない。

補足

南チロルのガストホーフでは骨付きのバラ肉を使い、濁りのない琥珀色の(だし汁)を良しとする。

肉は後で取り出して塩とホースラディッシュを添え、セコンドとして供するのが現地の習慣。

2約3分
ブロード用の玉ねぎに焼き色をつける

ブロード用の玉ねぎに焼き色をつける

  • 1 用の玉ねぎ100gを皮付きのまま縦半分に切り、切り口を油をひかないフライパンに伏せて強めの中火で3分焼き、断面を濃い焦げ茶色にする。
3約3時間
香味野菜を加えてブロードを煮出す

香味野菜を加えてブロードを煮出す

  • 1 並行(3時間煮出している間、30分ごとに)鍋に戻り、浮いたと脂をおたまで除く。
  • 2 並行(煮出し開始から約1時間20分たったところで)ステップ4〜11のカネーデルリの仕込みを始める。仕込みは約1時間40分で終わり、3時間の煮出し終了に合う。
  • 3 焼いた玉ねぎの片方にクローブ2個を刺し、鍋に加える。
  • 4 にんじん100g(皮をむいて縦半分)、セロリ80g(筋を取り10cm長さ)、ローリエ1枚、黒こしょうホール6粒を鍋に加える。
  • 5 蓋を半分ずらしてのせ、液面が揺れるだけの極弱火(88〜92℃)で3時間煮出す。

完了の目安

が澄んだ琥珀色になり、肉が骨から自然に外れる柔らかさになった状態。

液量が1800〜2000mlまで煮詰まっている状態。

注意点

この段階で塩を入れると煮詰まった際に塩辛くなる。調味は漉した後に行う。

一度でも強く沸騰させると濁るため、火加減が上がっていないか30分ごとに確認する。

補足

玉ねぎの断面を焦がすのは色と甘い香ばしさを与えるためで、アルト・アディジェの家庭でも行われる。

4約30分
パンを牛乳で戻す

パンを牛乳で戻す

  • 1 並行(パンを戻している30分の間に1度)の表面に浮いたと脂をおたまで除く。
  • 2 硬くなった白パン250gを耳ごと1cm角に切り、大きめのボウルに入れる。
  • 3 牛乳250mlを小鍋で人肌(約35℃)に温め、パン全体に回しかける。
  • 4 ゴムべらで2〜3回だけ返してパンの上下を入れ替え、表面を平らにならしてラップをかけ、常温で30分おく。

完了の目安

パンの角がなくなり、指で押すとつぶれるが形は残っている状態。

ボウルの底に牛乳が溜まっていない状態。

注意点

熱い牛乳を使うとパンの外側だけが溶けて糊状になり、団子が重くなる。

混ぜすぎるとこの段階でパンが崩れてしまうので、返すのは2〜3回にとどめる。

補足

乾きが強いパンで底に牛乳が残る場合は、さらに10分おいて吸わせる。

5約9分

スペックと玉ねぎを炒める

  • 1 スペック150gを5mm角に切り、生地用の玉ねぎ60gをみじん切りにする。
  • 2 フライパンにバター30gを入れて中弱火で溶かし、泡が細かくなったら玉ねぎを加えて5〜6分、色づけずに透明になるまで炒める。
  • 3 スペックを加えて中火で2〜3分、脂が透き通り縁がわずかに縮むまで炒め、火を止める。

完了の目安

玉ねぎが透明で、スペックの燻香とバターの香りが立っている状態。

注意点

玉ねぎに焼き色をつけると苦みが団子全体に回る。

補足

スペックは炒めすぎるとカリカリになり、団子の中で硬い粒として残ってしまう。

6約10分

炒めた具材を冷ます

  • 1 並行(冷ましている10分の間に)イタリアンパセリ10gの葉をみじん切りにし、グラナ・パダーノ30gをすりおろし、常温の卵2個をボウルで溶く。
  • 2 炒めたスペックと玉ねぎを脂ごとバットに広げ、常温で10分冷ます。

完了の目安

炒めた具材が手で触れる温度まで下がっている状態。

注意点

熱いまま生地に混ぜると卵が固まりダマになる。

補足

バットに薄く広げるほど早く冷める。急ぐ場合はバットの底を冷水に当てる。

7約10分
カネーデルリの生地をまとめる

カネーデルリの生地をまとめる

  • 1 戻したパンのボウルに、溶いた卵2個を加える。
  • 2 みじん切りのイタリアンパセリ10g、グラナ・パダーノ30g、ナツメグ0.5g(削りたて)、食塩6g、黒こしょう1gを加える。
  • 3 冷ました炒め玉ねぎとスペックを脂ごと加える。
  • 4 結着用の薄力粉30gを全体に振り入れる。
  • 5 手のひらで底から返すように、パンの粒を軽く押しつぶしながら20〜30回だけ合わせる。こねたり握り込んだりしない。

完了の目安

粉が見えなくなり、全体が均一な淡いベージュ色にまとまった状態。

ひとすくいを手に取って軽く握ると形が保たれ、手を開いても崩れ落ちない硬さ。

注意点

練り込むととパンの澱粉が締まり、茹で上がりがゴムのように重くなる。

この時点で緩く感じても粉を足さない。締まり具合はステップ9〜11の試し団子で判断し、調整用の薄力粉20gの範囲で直す。

補足

南チロルでは粉は「つなぎの最小限」とされ、パンそのものの味を主役にする。

生地は試し団子1個と、4人分の団子8個に使う。

8約20分

生地を休ませる

  • 1 並行(生地をいる20分の間に)別の深鍋(口径24cm以上)に水3000mlと粗塩30gを入れて中火にかけ、85〜90℃(湯面がかすかに揺れ、泡が立たない状態)に温めて火加減を保つ。
  • 2 並行(生地をいる20分の間に)チャイブ5gを小口切りにして皿に取り、ラップをかけておく。
  • 3 ボウルにラップをかけ、常温で20分。

完了の目安

生地の表面がしっとりと落ち着き、余分な水分が底に溜まっていない状態。

茹で湯が湯面だけかすかに揺れる85〜90℃を保っている状態。

注意点

すぎるとパンがさらに水分を吐いて緩むため、20分を大きく超えない。

補足

ことで粉と卵が水分を均一に抱き、成形時に割れにくくなる。

9

試し団子を丸める

  • 1 生地の重さを量り、その9分の1を取り、湿らせた手のひらで15〜20秒転がして球に丸める。残りの生地はラップをかけておく。
10約15分

試し団子を静かに茹でる

  • 1 並行(試し団子を茹でている15分の間に)の鍋の火加減を確認し、88〜92℃を保つ。
  • 2 85〜90℃に保った塩湯に試し団子を静かに沈め、沸騰させずに15分茹でる。

注意点

試し団子は15分で必ず取り出す。入れたままにすると加熱が進んで煮崩れ、塩湯を濁らせる。

湯を沸騰させると試し団子が踊って割れ、生地の判定ができなくなる。

11
試し団子の断面を見て生地を調整する

試し団子の断面を見て生地を調整する

  • 1 15分たったら穴あきおたまで試し団子を取り出して皿にのせ、包丁で半分に割って断面を見る。
  • 2 表面が割れた、または湯の中で形が崩れた場合は、ボウルの残りの生地に調整用の薄力粉を5gずつ(合計20gまで)振り入れ、底から返すように10回だけ合わせる。

完了の目安

試し団子が球形を保ち、割った断面の中心まで生地が均一にしっとり火が通っていれば、残りの生地はそのまま成形できる状態。

粉を足した場合は、生地をひとすくい軽く握って形が保たれ、手を開いても崩れ落ちない硬さ。

補足

南チロルでは Probeknödel(試し団子)を1個だけ茹でて生地の締まりを確かめるのが定石で、試し団子は味見として調理人が食べる。

12約15分
ブロードを漉し、脱脂して味を決める

ブロードを漉し、脱脂して味を決める

  • 1 3時間の煮出しを終えたから、トングで牛肉と香味野菜を取り出す。
  • 2 鍋の中身を目の細かい(または濡らしたさらしを敷いたザル)で別鍋に漉す。押さえつけず自然に落とす。
  • 3 表面に浮いた脂をおたまの底で薄くすくい取り、最後にキッチンペーパーを液面に1〜2秒当てて残った脂の膜を吸わせる。
  • 4 液量を計量し、1800mlに満たなければ熱湯を足し、多ければ中火で1800mlまで煮詰める。
  • 5 粗塩12gを加えて溶かし、味をみて塩気を確認したら、弱火で85℃に保つ。

完了の目安

液面に脂の輪がほとんど浮かず、澄んだ琥珀色になっている状態。

がちょうど1800mlあり、そのまま飲んで塩気がはっきり感じられる状態。

注意点

の中身をへらで押すと微粒子が落ちて濁る。

煮詰めるときに沸き立たせると再び濁るので、静かな沸きを保つ。

補足

前日に引いて冷蔵すれば脂が固まり、表面をはがすだけで完全に脱脂できる。

1800mlのうち1600mlを4皿に注ぎ、残る200mlは卓上での追い注ぎ分になる。

13約12分
残りの生地を8個の団子に丸める

残りの生地を8個の団子に丸める

  • 1 バットに用の薄力粉10gを広げる。
  • 2 はかりで残りの生地の重さを量り、8等分する。
  • 3 湿らせた手のひらで1個ずつ、押しつけずに転がすように15〜20秒かけて球に丸め、を薄くまとわせてバットに間隔をあけて並べる。

注意点

強く握って締めると中心まで密になり、茹でても火が通りにくく重い団子になる。

補足

表面に亀裂が残るとそこから煮崩れるため、成形時に指先で軽くなでて塞ぐ。

14約15分
団子8個を静かに茹でる

団子8個を静かに茹でる

  • 1 並行(団子を茹でている15分の間に)深皿4枚を60℃のオーブンで5分温める。
  • 2 並行(団子を茹でている15分の間に)1800mlを85℃に保つ。
  • 3 塩湯を85〜90℃に保ち、団子8個を1個ずつおたまに載せて静かに沈め、沸騰させずに15分茹でる。
  • 4 団子が浮き上がったら、おたまの背で軽く転がして上下を返す。

完了の目安

8個すべてが浮き上がり、竹串を中心まで刺して2秒後に抜いても生地が付いてこない状態。

団子の表面が張り、形が崩れていない状態。

注意点

沸騰させると団子が踊って割れる。泡が立ち始めたらすぐに火を弱める。

一度に詰め込むと湯温が下がり生煮えになる。鍋は8個が重ならずに並ぶ広さが必要。

補足

塩湯で別茹でするのは、パンの澱粉で澄ましを濁らせないためのガストホーフの作法。

15約8分

盛りつけて供する

  • 1 温めた深皿4枚に、穴あきおたまで団子を2個ずつ入れ、湯を軽くきる。
  • 2 85℃のを1皿あたり400ml(4皿で1600ml)、団子の肩が出る高さまで器の縁に沿わせて静かに注ぐ。
  • 3 チャイブ5gの小口切りを4皿に等分して散らし、ただちに供する。
  • 4 残した200mlは小鍋のまま卓上に運び、追い注ぎ用に添える。

完了の目安

が澄んだまま、湯気が立つ状態で皿に注がれている状態。

注意点

冷たい皿に注ぐと数十秒で温度が落ちる。皿は必ず温めておく。

注ぐ勢いが強いと団子が割れるので、器の縁に沿わせて静かに注ぐ。

補足

南チロルでは1人2個が標準で、澄ましのカネーデルリにはチーズを振らずチャイブのみで供する。

残った団子は翌日スライスしてバターで焼き、卵を絡めて食べる。

から取り出した牛肉は捨てずに、繊維に沿って厚めに切り分け、粗塩を振ってセコンドとして供する。現地ではこの肉(bollito)をホースラディッシュとともに食べ、とカネーデルリを一食の前半とする。

Hodie の160品をすべて見る

ボルツァーノ/南チロルの街並み・風景
Bolzano, Alto Adigeボルツァーノ/南チロル 写真:Palickap · CC BY-SA 4.0(リサイズ・表示トリミング)

この料理について

トレンティーノ=アルト・アディジェ州は、イタリアの最北部でオーストリアと国境を接しています。ドイツ語を話す住民が多く、料理もアルプスの北側と地続きです。

硬くなったパンを捨てずに食べ切るための団子として、カネーデルリは山の家庭に定着し、そこに保存食のスペックが加わりました。この州では、プリモとしてブロードに浮かべて出すのが基本の形です。

ボルツァーノやトレントの周辺では、冬の食卓と山小屋の定番です。スープ皿の大きな団子が、金色のブロードに浮かんで運ばれてきます。

関連記事

代わりに使える食材

硬くなった白パンPane bianco raffermo

  • バゲット(1cm角)本格度: -5 pts

    皮の割合が増えて噛みごたえが強く、素朴な風味になる。

    工程4:牛乳の浸漬時間を30分から40分に延ばす。

  • 食パン(耳を落として1cm角、天板で乾燥焼き)本格度: -10 pts

    甘みと柔らかさが出て、団子の食感がややふんわり軽くなる。

    工程4:食パンを1cm角に切り、150℃のオーブンで10分乾燥させてから牛乳を注ぐ。

牛乳(成分無調整)Latte intero

  • 牛乳150ml+ブロード100ml本格度: -10 pts

    乳のコクが減り、肉の旨みが前に出た辛口の団子になる。

    工程4:牛乳150mlとブロード100mlを合わせて35℃に温め、パンに回しかける。

卵Uova

  • 卵1個+卵黄1個本格度: -5 pts

    結着がやや弱まる代わりに、口当たりがしっとりする。

    工程7・9・10・11:生地が緩い場合は、調整用の薄力粉を10g先に混ぜ込んでから休ませる。

スペック(燻製生ハム)Speck Alto Adige

  • 燻製パンチェッタ(ブロック)本格度: -10 pts

    脂の甘みが強く、杜松の香りが消えて燻香が単調になる。

    工程5:脂が多いため、玉ねぎを炒めるバターを30gから20gに減らす。

  • プロシュット・クルード(厚切り)本格度: -20 pts

    燻製香が失われ、塩気と熟成香だけの穏やかな味になる。

    工程7:燻香を補うため、生地をまとめるときに燻製パプリカパウダー1gを加える。

玉ねぎCipolla

  • エシャロット本格度: -5 pts

    甘みが上品になり、青い辛みが減る。

    工程2・3・5:ブロード用は皮付きのまま半割にして断面を焼き、生地用はみじん切りにする(分量は同量)。

バター(食塩不使用)Burro

  • ラード本格度: -5 pts

    乳の香りが消え、より力強く素朴な山の風味になる。

    工程5:ラードは焦げやすいため、玉ねぎを炒める火加減を中弱火から弱火に落とす。

イタリアンパセリPrezzemolo

  • チャービル本格度: -10 pts

    青々しさが弱まり、甘く繊細な香りに変わる。

    工程7:香りが飛びやすいので、生地に混ぜる直前にみじん切りにする。

グラナ・パダーノ(すりおろし)Grana Padano grattugiato

  • パルミジャーノ・レッジャーノ本格度: 変化なし

    塩味と旨みがやや濃くなるが、ほぼ同等に仕上がる。

ナツメグNoce moscata

  • メース本格度: -5 pts

    より軽やかで柑橘寄りの香りになる。

牛バラ肉(骨付き)Biancostato di manzo

  • 牛すね肉600g+牛骨200g本格度: 変化なし

    脂が減って澄んだ味になり、ゼラチン質のとろみが増す。

    工程1・2・3:牛骨は肉と一緒に冷水から入れ、アク引きの時間を15分確保する。

  • 鶏手羽元800g本格度: -20 pts

    軽く優しい味わいになり、牛の厚みのある旨みは弱まる。

    工程1・2・3・4:煮出し時間を3時間から1時間30分に短縮する。/煮出し開始から10分後にステップ4のパン戻しを始め、1時間30分の煮出し終了に合わせる。

クローブ(丁子)Chiodi di garofano

  • オールスパイス(ホール)2粒本格度: -5 pts

    薬草的な刺激が和らぎ、丸みのある香りになる。

    工程2・3:玉ねぎに刺せないため、黒こしょうホールと一緒に鍋へ直接加える。

READER REVIEWS

ユーザーレビュー

まだレビューはありません。作ったら、最初のレビューを書いてみませんか。

この料理を作った感想を教えてください

CHOOSE AN INGREDIENT

代わりに使える食材を選ぶ