AUTHENTIC RECIPE
Steak Fritesステーク・フリット
パリのビストロを象徴する一皿。強火で焼き付けたステーキに、二度揚げで仕上げた黄金色のフリットをたっぷり添える。ソースはパセリバター(ブール・メートル・ドテル)のみと潔い。肉の焼き加減とフリットの油温管理、その二つの基本技術がすべてを決める。
本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(2人分)
- 牛ステーキ肉(サーロインまたはリブロース)2枚1枚200〜250g・厚さ2.5cm前後。焼く30分前に冷蔵庫から出して室温に戻す
- じゃがいも600g男爵などホクホク系(粉質)。皮をむいて1cm角の棒状に切り、水にさらしてでんぷんを落とす
- 揚げ油1.5Lひまわり油・米油など高温に強い油。ステーキの焼き付けにも大さじ1使う
- バター(無塩)80gブール・メートル・ドテル用60g(室温に戻す)・ステーキのアロゼ用20g
- イタリアンパセリ1束みじん切り大さじ2。ブール・メートル・ドテル用
- レモン汁10mlブール・メートル・ドテル用
- にんにく2片皮付きのまま軽く潰す。アロゼ用
- タイム(生)2枝アロゼ用。省く場合は風味が一段軽くなる
- 塩小さじ1ステーキ用小さじ1/2・バター用ひとつまみ・フリット仕上げ用
- 黒胡椒小さじ0.5粗挽き
作り方
材料を扱う
- 1 ブール・メートル・ドテルを作る。
- 2 イタリアンパセリをみじん切りにする(大さじ2分)
- 3 室温に戻して柔らかくしたバター60gをボウルに入れ、パセリのみじん切り・レモン汁小さじ2・塩ひとつまみを加えてゴムべらで均一に混ぜる
- 4 並行混ぜたバターをラップにのせ、直径3cmの棒状に包んで冷蔵庫で冷やし固める(以降の作業の間に固まる)
食材を戻す
- 1 ステーキを冷蔵庫から出し、キッチンペーパーで水気を拭いてバットにのせ、室温に30分置く。
- 2 中心が冷たいまま焼くと外側だけ焼けて中が生のままになる。
- 3 この間に次のステップのフリットの下ごしらえを進める。
食材を戻す
- 1 並行(ステーキを室温に戻している間に)フリットの下ごしらえをする。
- 2 じゃがいもの皮をむき、1cm角の棒状に切る
- 3 切ったじゃがいもをボウルの冷水に10分さらしででんぷんを落とす
完了の目安
ざるに上げ、キッチンペーパーで水気を完全に拭く。水分が残ると油はねの原因になり、カリッと揚がらない
揚げる
- 1 一度目の揚げ(低温)。
- 2 深めの鍋に揚げ油を注ぎ、130〜140℃に熱する。
- 3 乾いた菜箸の先を入れると細かい泡がゆっくり上がる程度が目安。
- 4 じゃがいもを2回に分けて入れ、色をつけずに6〜7分揚げる。
完了の目安
表面が白いまま、竹串がすっと通るまで中に火が通ったら網に上げる。
注意点
油温が150℃を超えると一度目で色がつき、二度目の揚げで焦げる。泡の出方を見ながら火加減をこまめに調整する。
一度に全量を入れると油温が急落してべたつく。必ず2回に分ける。
休ませて落ち着かせる
- 1 揚げたじゃがいもを網の上に広げ、10分以上休ませて粗熱を取る。
- 2 休ませることで内部の水分が落ち着き、二度目の揚げで表面がカリッと立つ。
焼き上げる
- 1 ステーキを焼く。
- 2 ステーキの表面に浮いた水気をキッチンペーパーで拭き、両面に塩小さじ1/2と黒胡椒を振る
- 3 厚手のフライパンに揚げ油大さじ1を入れて強火で熱し、油から薄く煙が立ったらステーキを置く
- 4 バター20g・軽く潰したにんにく2片・タイム2枝を加え、フライパンを傾けて溶けたバターをスプーンですくい、肉に回しかけながら(アロゼ)さらに1分半〜2分焼く。表面を指で押して軽い弾力が返ればミディアムレアの目安。
注意点
触らずに1分半〜2分焼き、面に濃い焼き色がついたら返す
休ませて落ち着かせる
- 1 焼き上がったステーキを温めた皿に移し、アルミホイルをふんわりかぶせて5分休ませる。
- 2 休ませることで肉汁が落ち着き、切ったときに流れ出ない。
休ませて落ち着かせる
- 1 並行(ステーキを休ませている間に)二度目の揚げ(高温)。
- 2 揚げ油を180〜190℃に上げる。
- 3 じゃがいもを2回に分けて入れ、2〜3分揚げる。
- 4 全体が黄金色になり、網に上げたときにカサッと乾いた音がすれば揚げ上がり。
- 5 熱いうちに塩を振る。
完了の目安
菜箸の先から勢いよく泡が出る状態が目安。
注意点
高温の油に水気のあるものを近づけない。じゃがいもは一度目の揚げで水分が抜けているが、網や箸が濡れていないか確認する。
余熱でも色が進む。狙いの色の一歩手前で引き上げる。
材料を準備する
- 1 ステーキを温めた皿に盛り、冷やし固めたブール・メートル・ドテルを1cm厚の輪切りにして肉の上にのせる。
- 2 フリットをたっぷり添える。
- 3 バターが肉の余熱で溶け始めたところで供する。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
ステーク・フリットは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
牛ステーキ肉(サーロインまたはリブロース)の代わりに
牛ランプ肉
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
脂の甘みが減り赤身の風味が立つ。フランスのビストロでも定番の部位で、好みの違いであり本格度は変わらない
じゃがいもの代わりに
メークイン(粘質いも)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
中のホクホク感が減り、ややしっとり重い食感になる。外側のカリッと感は同様に出せる
この料理について
ステーク・フリットは、パリのビストロとブラッスリーを象徴する一皿です。19世紀、都市で働く人々に手早く温かい食事を出す食堂文化が広がる中で、焼いた肉と揚げたじゃがいもという簡潔な組み合わせが定着しました。
昼のビストロでこの皿を注文すると、給仕は必ず焼き加減を尋ねます。血のしたたるセニャン、ほどよいア・ポワン。客がためらいなく答えるのは、焼き加減の好みが各人の食のアイデンティティの一部だからです。付け合わせは山盛りのフリットと、せいぜい緑のサラダだけ。ソースはパセリバターがひとかけら、というのが古典的な姿です。
現在でもステーク・フリットは、フランスの外食で最も広く注文される定番のひとつに数えられます。星付きレストランの技巧とは対極にある、素材と基本技術だけで成立する料理として、ビストロ文化の核心に位置し続けています。
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次の週末は、コース料理を家で。
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