AUTHENTIC RECIPE
Rigatoni al Ragù Napoletanoナポリ風ラグーのリガトーニ
ブラチョーレ(ペコリーノ・松の実・レーズンを包んだ牛肉ロール)・豚スペアリブ・サルシッチャを1500mlのパッサータで最低4〜5時間「ピッピャーレ」で煮込むナポリの日曜日の伝統。肉はセコンドとして別皿で供し、ソースをかけたリガトーニがプリモとなる——一つの鍋から二つの料理が生まれる。
本場南イタリアで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- リガトーニ320g
- 牛薄切り肉(ブラチョーレ用)400g5mm以下の薄切り。厚い場合は肉たたきでのばす
- 豚スペアリブ400g骨付きのまま4〜5cm幅でぶつ切り
- サルシッチャ200g腸詰めのまま。爪楊枝で5〜6ヶ所刺して破裂を防ぐ
- パッサータ(トマトピューレ)1500ml
- 玉ねぎ(大)1個縦半分に切り、切り口を下にして鍋に入れる(みじん切りにしない)
- 赤ワイン120ml
- エクストラバージンオリーブオイル60ml
- ペコリーノ・ロマーノ60gブラチョーレのフィリング用。細かくすりおろす
- 松の実30g
- レーズン30gぬるま湯に20分浸けて戻す。水気を絞ってから使う
- イタリアンパセリ1束ブラチョーレ用はみじん切り。仕上げはざく切り
- 卵1個固茹で(沸騰後15分)にしてスライス。ブラチョーレのフィリング用
- にんにく3片2片はブラチョーレのフィリング用にみじん切り。1片はラグーの香り付け用に軽くつぶす
- バジル(生)10枚
- 塩10gラグーの調味用・パスタ茹で水用(各適量)
- 黒胡椒2gブラチョーレのフィリング用
作り方
時間を置く
- 1 レーズン30gをぬるま湯に浸けて20分戻す。
- 2 並行同時に、卵1個を水から入れて中火にかけ沸騰後15分固茹でにする。
- 3 茹で上がったら氷水に取り急冷し、殻をむいて5mm厚のスライスにする。
形を整える
- 1 ブラチョーレを作る。
- 2 ペコリーノ・ロマーノ60gを細かくすりおろす。
- 3 牛薄切り肉を1枚ずつ広げ、内側にペコリーノ・ロマーノ(大さじ1〜2)・松の実(5〜6粒)・水気を絞ったレーズン(4〜5粒)・みじん切りにしたにんにく2片分・みじん切りにしたイタリアンパセリ(大さじ1)・固茹で卵のスライス1〜2枚を乗せる。
- 4 塩・黒胡椒をひとつまみ振り、手前からきつく巻いてたこ糸で3〜4ヶ所縛る。
材料を準備する
- 1 サルシッチャに爪楊枝で5〜6ヶ所刺す。
- 2 豚スペアリブが大きい場合は4〜5cm幅のぶつ切りにする。
焼き色をつける
- 1 厚手の鍋(4L以上)にエクストラバージンオリーブオイル60mlを強火で熱し、ブラチョーレを全面をしっかり焼き色がつくまで焼く(各面2〜3分、全面で10〜12分)。
- 2 こんがりした焼き色がついてこそ旨みが生まれる。
- 3 焼き上がったら取り出す。
焼き色をつける
- 1 同じ鍋で豚スペアリブを強火で全面焼き色がつくまで焼く(各面2〜3分)。
- 2 焼き上がったら取り出す。
- 3 次にサルシッチャも同様に焼いて取り出す。
香味を炒める
- 1 火を中火に落とし、つぶしたにんにく1片を入れて30秒炒める。
注意点
赤ワイン120mlを一気に加え、木べらで鍋底の焦げをこそげながらアルコールを飛ばす(2〜3分)。
鍋底にこびりついた焦げは旨みの塊——残らず溶かし込む。
材料を合わせる
- 1 パッサータ1500mlを加える。
- 2 塩小さじ1を加えて中火で沸騰させる。
注意点
玉ねぎを縦半分に割り、切り口を下にして鍋の中央に置く(みじん切りにしない——ナポリの伝統)。
内容を確認する
- 1 ブラチョーレ・豚スペアリブ・サルシッチャをすべて鍋に戻す。
- 2 沸騰したら火を最弱にする。
完了の目安
鍋の表面が「ピポッ・ピポッ」とかすかに泡立つだけの状態(ピッピャーレ)にする。
蓋を2〜3cm開けた状態で固定する(木べらを挟む)。
火入れを進める
- 1 この状態を最低4時間(理想は5時間)維持する。
完了の目安
ソースが深い茶褐色に変わり、肉を箸でつまんでほぐれるようになったら次へ。
注意点
30〜40分ごとに底を木べらでかき混ぜ焦げ付きを防ぐ。
仕上げにまとめる
- 1 ブラチョーレ・スペアリブ・サルシッチャをすべて取り出してセコンド用の皿に移す。
- 2 バジル10枚をちぎって鍋に加え、蓋を開けたまま10分追い煮する。
- 3 塩で味を調える。
湯を沸かす
- 1 並行(ラグーを煮込んでいる間に)大鍋に湯を沸かし始める(湯1Lに対して塩10g)。
- 2 リガトーニを袋表示より1分短めに茹でる。
- 3 茹で汁100mlを取り置く
ソースを作る
- 1 リガトーニをアルデンテで引き上げてラグーの鍋に移す。
- 2 強めの中火で1〜2分炒め合わせ、ソースがリガトーニ全体にしっかり絡んだら皿に盛る。
- 3 仕上げにイタリアンパセリをちぎって散らす。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
ナポリ風ラグーのリガトーニは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
リガトーニの代わりに
ジーティ(半分に折る)
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
ナポリでは最も伝統的な形状。管の中にラグーが入り込み一口ごとの旨みが増す
リガトーニの代わりに
パッケリ
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
大きな管がラグーの肉の旨みを包み込む豪快な組み合わせ
牛薄切り肉(ブラチョーレ用)の代わりに
豚薄切り肉
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
旨みは近いが牛特有の深みが出ない
豚スペアリブの代わりに
豚バラ肉(骨なし・ブロック)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
骨から出る旨みとゼラチンが減る
サルシッチャの代わりに
粗挽き豚ソーセージ(生)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
フェンネルシードの香りが欠ける場合は小さじ1/2追加する
パッサータ(トマトピューレ)の代わりに
ホールトマト缶 × 3(手でつぶす)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
繊維感が残るが旨みは近い
缶の中のトマトを手でよくつぶしてから加える
赤ワインの代わりに
白ワイン
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
ソースの深みが薄れ軽い仕上がりになる
ペコリーノ・ロマーノの代わりに
パルミジャーノ・レッジャーノ
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
やや甘くマイルドな仕上がりになる
この料理について
ナポリには「日曜日のラグー」があります。土曜日の夜から材料を準備し、日曜日の朝8時頃に火にかけ、昼食(12〜13時)に間に合わせる——これがナポリの家庭の日曜日のリズムです。
このラグーで最も重要な言葉は「ピッピャーレ(pippiare)」です。ナポリ語で「ごく小さな泡がかすかに表面をはじく」状態を指す言葉で、強火でも弱火でもなく、鍋を覗き込んでようやくわかる程度の最小の動きです。この状態を4〜5時間維持することで、ブラチョーレ・スペアリブ・サルシッチャのコラーゲンと旨みがパッサータの中に溶け込み、他に類を見ない深みのあるソースになります。
一つの鍋から二つの料理が生まれます。ソースをかけたリガトーニがプリモ、煮込んだ肉をセコンドとして別の皿で提供する——これがナポリの日曜の食卓の構造です。この料理はボローニャのラグー(ボロネーゼ)とは別物で、にんじん・セロリは入れません。
QUESTIONS
よくある質問
ナポリ風ラグーのリガトーニに豚薄切り肉を使ってもいいですか?
使えます。ただし牛薄切り肉(ブラチョーレ用)を豚薄切り肉に替えると本格度が5点下がります。旨みは近いが牛特有の深みが出ない。
ナポリ風ラグーのリガトーニに豚バラ肉(骨なし・ブロック)を使ってもいいですか?
使えます。ただし豚スペアリブを豚バラ肉(骨なし・ブロック)に替えると本格度が5点下がります。骨から出る旨みとゼラチンが減る。
ナポリ風ラグーのリガトーニに粗挽き豚ソーセージ(生)を使ってもいいですか?
使えます。ただしサルシッチャを粗挽き豚ソーセージ(生)に替えると本格度が5点下がります。フェンネルシードの香りが欠ける場合は小さじ1/2追加する。
ナポリ風ラグーのリガトーニを失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。赤ワイン120mlを一気に加え、木べらで鍋底の焦げをこそげながらアルコールを飛ばす(2〜3分)。鍋底にこびりついた焦げは旨みの塊——残らず溶かし込む。玉ねぎを縦半分に割り、切り口を下にして鍋の中央に置く(みじん切りにしない——ナポリの伝統)。
ナポリ風ラグーのリガトーニを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
4人分で合計5時間23分です(準備13分・調理5時間10分)。
ナポリ風ラグーのリガトーニは家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中4で、技術の見極めが要る一皿です。全12工程のうち仕上がりを左右するのは「香味を炒める」「材料を合わせる」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
READER REVIEWS
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