AUTHENTIC RECIPE
Purée de Pommes de Terreじゃがいものピュレ
フランス全土で作られる付け合わせの基本にして、シェフの実力が最も表れるとされる一皿。皮付きのまま茹でて水分を入れず、熱いうちに裏ごしし、じゃがいもの25〜30%量の冷たいバターを段階的に乳化させる。具や調味を混ぜ込む日本のマッシュポテトとは別物で、絹のようになめらかな、ソースに近い存在である。
本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- じゃがいも(メークイン)800gメークインなど煮崩れしにくい粘質品種。皮付きのまま丸ごと茹でる
- バター(食塩不使用)200g1cm角に切り、使う直前まで冷やしておく。じゃがいもの25%量が本場の基準
- 牛乳150ml温めてから加える。冷たいまま加えるとピュレの温度が下がり、つやが失われる
- 塩小さじ1.5茹で湯用小さじ1・仕上げ用小さじ1/2
- 白胡椒小さじ0.5
作り方
食材を下処理する
- 1 じゃがいも800gを皮付きのままよく洗い、丸ごと鍋に入れる。
- 2 かぶるくらいの水と塩小さじ1を加えて強火にかけ、沸騰したら弱火で25〜30分茹でる。
- 3 竹串が中心まですっと通れば茹で上がり。
補足
皮をむいて茹でると水分を吸って水っぽくなる。皮付き・丸ごとが本式
茹でる
- 1 バター200gを1cm角に切り、使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく
- 2 小鍋に牛乳150mlを入れて弱火で温める(沸騰させない。人肌より熱い程度に保つ)
- 3 並行(じゃがいもを茹でている間に)
材料を準備する
- 1 茹で上がったじゃがいもの湯を切り、熱いうちに布巾やキッチンペーパーで持ちながら皮をむく。
注意点
冷めるとでんぷんが固まって裏ごしできなくなるため、手早く行う。
材料を準備する
- 1 皮をむいたじゃがいもを、熱いうちに裏ごし器(またはポテトライサー)で鍋に直接裏ごしする。
注意点
フードプロセッサー・ミキサーは使わない。高速の刃がでんぷんの細胞を切り裂き、糊のような粘りが出てピュレが台無しになる
仕上げにまとめる
- 1 裏ごししたじゃがいもの鍋を弱火にかけ、木べらで混ぜながら1〜2分水分を飛ばす。
- 2 冷たいバターを4〜5回に分けて加え、そのたびに完全に溶けて混ざりきってから次を加える。
完了の目安
全量が乳化してつやが出たら次へ。
仕上げにまとめる
- 1 ピュレの鍋に温めた牛乳150mlを3回に分けて加え、そのつど混ぜてのばす。
- 2 塩小さじ1/2と白胡椒小さじ1/4を加え、味を見て調整する。
完了の目安
スプーンですくうとつやがあり、ゆっくり流れ落ちる濃度になれば完成。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
じゃがいものピュレは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
じゃがいも(メークイン)の代わりに
男爵
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
粉質で口当たりは軽くなるが、水分を吸いやすく水っぽくなりやすい。裏ごし後の水分飛ばしを長めに行う
裏ごし後、弱火で水分を飛ばす時間を2〜3分に延長する
バター(食塩不使用)の代わりに
発酵バター(食塩不使用)
本場のバリエーション · 本格度への影響なし
乳酸発酵の香りが加わり、より本場のバターの風味に近づく
この料理について
じゃがいものピュレは、フランス全土の家庭からグランメゾンまで、あらゆる食卓に登場する付け合わせの基本です。地方色の強い料理が多いフランスにあって、国じゅうで共有される数少ない一皿でもあります。
じゃがいもが18世紀末、薬剤師パルマンティエの働きかけでフランスの食卓に定着して以来、ピュレは煮込みやローストに寄り添う日常の味となりました。家庭では肉料理の日の定番として、子どもから大人まで世代を超えて親しまれています。
1980年代には、シェフのジョエル・ロブションがこの素朴な付け合わせを看板料理に据えたことで、ピュレは世界のガストロノミーの舞台に立ちました。現在でも「シェフの基礎が最も表れる皿」として、料理学校の課題であり続けています。
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