AUTHENTIC RECIPE
Poulet Rôti du Dimanche日曜日のローストチキン
日曜日の昼、フランスの家庭とロティスリーで最も愛されるごちそう。丸鶏をたこ糸で縛って形を整え、バターを塗り重ねながらオーブンで焼き上げる。皮はパリッと、胸肉はしっとり。焼き汁から作るジュを添え、家族で切り分けて囲むのが本場の流儀である。
本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 丸鶏1羽1.2〜1.5kg。国産の中抜き(内臓処理済み)を使う。焼く前に室温に30分戻し、水気を完全に拭く
- バター(無塩)60g皮に塗り込む用40g・ジュの仕上げ用20g。塗り込む分は室温に戻して柔らかくする
- 玉ねぎ1個1cm厚の輪切り。丸鶏の台にして焦げ付きを防ぎ、ジュの香味にする
- にんにく3片皮付きのまま軽く潰して腹腔内に詰める
- タイム(生)4枝腹腔内に詰める
- 辛口白ワイン100mlジュのベース。ロースト皿の焼き付きを溶かし出す
- 塩小さじ1.5腹腔内用小さじ1/2・表面用小さじ1
- 黒胡椒小さじ0.5粗挽き
作り方
食材を戻す
- 1 鶏肉を冷蔵庫から出し、バットにのせて室温に30分置く。
- 2 中心が冷たいままオーブンに入れると火の入りが不均一になる。
オーブンを整える
- 1 オーブンを220℃に予熱し始める
- 2 腹腔内に塩小さじ1/2を振り、軽く潰したにんにく3片とタイム4枝を詰める
- 3 玉ねぎを1cm厚の輪切りにしてロースト皿の中央に敷く
完了の目安
丸鶏の表面と腹腔内の水気をキッチンペーパーで完全に拭く。表面が乾いた状態になるまで丁寧に拭き取る(水分が残ると皮の食感が損なわれる)
材料を扱う
- 1 たこ糸(約80cm)で丸鶏を縛る(トラス)。
- 2 首側の皮を背中側に折り込み、糸の中央を尾の下に回して両ももの先端を交差させて縛る。
- 3 糸の両端を胴に沿わせて手羽を体に密着させ、首側で固く結ぶ。
- 4 形を整えることで火が均一に入り、胸肉が乾く前にももが焼き上がる。
完了の目安
全体が楕円形にまとまり、手羽ともも先が胴に密着していればよい。
食材を戻す
- 1 室温に戻して柔らかくしたバター40gを、丸鶏の皮全体に手で塗り込む。
- 2 塩小さじ1と黒胡椒を全体に振り、胸を上にして玉ねぎの上に置く。
完了の目安
胸・もも・背中まで残さず塗る。
焼き色をつける
- 1 220℃のオーブンで20分焼いて皮に焼き色をつけ、180℃に下げてさらに40〜50分焼く。
- 2 20分ごとにオーブンから取り出し、皿に溜まった焼き汁とバターをスプーンで皮全体に回しかける(アロゼ)。
- 3 この重ね塗りが皮の色と艶を作る。
- 4 腿の付け根に竹串を刺し、出てくる肉汁が透明なら焼き上がり。
- 5 赤みがかった汁が出る場合は10分焼き足して再確認する。
休ませて落ち着かせる
- 1 焼き上がった鶏をまな板に移し、アルミホイルをふんわりかぶせて15分休ませる。
- 2 休ませることで肉汁が全体に行き渡り、切り分けたときに流れ出ない。
休ませて落ち着かせる
- 1 並行(鶏を休ませている間に)ジュを作る。
- 2 ロースト皿を直接中火にかけ(火にかけられない皿の場合は焼き汁と玉ねぎを小鍋に移す)、白ワイン100mlを注いで煮立て、皿底の焼き付いた旨みを木べらでこそげ落とす。
- 3 2〜3分煮詰めてアルコール臭が消え、液量が半量ほどになったら茶こしで漉して玉ねぎを除く。
注意点
火を止めてバター20gを加えて溶かし混ぜ、軽いとろみと艶が出たら塩少量で味を調える。
材料を準備する
- 1 たこ糸を外し、もも・手羽・胸肉の順に切り分ける。
- 2 もも肉は関節に包丁を入れて外し、胸肉は骨に沿って左右から削ぎ取る。
- 3 温めた皿に盛り、熱いジュをたっぷりかけて供する。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
日曜日のローストチキンは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
丸鶏の代わりに
骨付き鶏もも肉(4本)
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
骨と皮の旨みは残るが、丸鶏を切り分ける祝祭感と胸肉・もも肉の食べ比べは失われる
たこ糸で縛るトラスは不要
焼き時間を220℃15分+180℃25〜30分に短縮
タイム(生)の代わりに
ドライタイム
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りの鮮烈さが減るが方向性は同じ。小さじ1を腹腔内に振る
この料理について
フランスでは、日曜の昼食は特別な時間です。平日は簡素に済ませる家庭でも、日曜には家族や親戚が集まり、前菜からデザートまで続く長い食事を囲みます。その食卓の中心に最も多く据えられてきたのが、丸鶏のローストです。
日曜と鶏の結びつきには長い歴史があります。16世紀末の王アンリ4世が「すべての農民が日曜には鍋に鶏を入れられるように」と願ったと伝えられ、鶏は庶民にとって週に一度のごちそうの象徴であり続けました。かつては祝祭の料理だった丸鶏の丸焼きは、時代とともに日曜の定番へと定着していきます。
現在も日曜の午前、フランスの市場や通りのロティスリー(鶏の丸焼き店)の前には行列ができます。回転する串の上で琥珀色に焼き上がる丸鶏を持ち帰る人、家庭のオーブンで焼き上げてジュを添える人。形は変わっても、日曜の昼に丸鶏を家族で切り分ける習慣は、フランスの食文化の背骨のひとつです。
READER REVIEWS
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次の週末は、コース料理を家で。
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