AUTHENTIC RECIPE

Pot-au-Feuポトフ

Pot-au-Feu(ポトフ)
難易度★★★★☆ 準備23分 調理3時間23分 分量4人分 地方フランス全土

ポトフはフランスの家庭料理の根幹を成す、複数の部位の牛肉と根菜を弱火でじっくり煮込む一皿である。牛すね肉・牛肩バラ肉・牛すじを組み合わせて出汁を取り、丹念にアクを取り除きながら3時間ほどかけて透明なブイヨンに仕上げる。日本で「ポトフ」として親しまれているコンソメ味の洋食は市販の顆粒だしで手早く煮た副菜的な料理だが、本場のポトフは肉そのものが主役であり、粗塩・コルニッション・ディジョンマスタードを添えて、まずブイヨンをスープとして味わい、次に肉と野菜を味わう二段構えの日曜の主菜である。

本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。

100 / 100

AUTHENTICITY SCORE

本格度スコア

標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。

材料(4人分)

4
  • 牛すね肉(骨付き)700g骨付きの輪切り。表面の血合いを流水で洗い流す
  • 牛肩バラ肉(塊)600g塊のまま使う。タコ糸で3〜4か所縛ると煮崩れを防げる
  • 牛すじ300g骨髄の代用としてブイヨンにコクを加える。下茹でして臭みとアクを抜いてから使う
  • にんじん4本皮をむき、縦半分に切る
  • かぶ4個皮をむき、大きければ半分に切る
  • ポワロー(リーキ)2本白い部分と青い部分の境目で切り分ける。白い部分は4cm長に切って根元をよく洗う。青い部分はブーケガルニに使う
  • セロリ2本筋を取り、4cm長に切る
  • 玉ねぎ1個皮をむき、クローブ3本を刺す
  • クローブ3本玉ねぎに刺す
  • にんにく2片皮付きのまま包丁の腹で軽く潰す
  • タイム3枝ブーケガルニ用
  • ローリエ2枚ブーケガルニ用
  • パセリ(茎)4本ブーケガルニ用
  • 黒胡椒(粒)10粒
  • 粗塩15gブイヨンの下味用
  • コルニッション12本食卓に添える
  • ディジョンマスタード大さじ4食卓で肉に添える

作り方

1約8分

食材を下処理する

  • 1 牛すね肉(骨付き)700gと牛肩バラ肉600gの表面の血合いを流水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭く
  • 2 牛肩バラ肉はタコ糸で3〜4か所縛り、煮崩れを防ぐ
2約15分

材料を準備する

  • 1 にんじん4本の皮をむき、縦半分に切る
  • 2 かぶ4個の皮をむき、大きければ半分に切る
  • 3 ポワロー2本は白い部分と青い部分の境目で切り分け、白い部分は4cm長に切って根元の土を洗い流す
  • 4 セロリ2本は筋を取り、4cm長に切る
  • 5 玉ねぎ1個の皮をむき、クローブ3本を刺す
  • 6 にんにく2片は皮付きのまま包丁の腹で軽く潰す
  • 7 タイム3枝・ローリエ2枚・パセリ(茎)4本・ポワローの青い部分をひとまとめにし、タコ糸で縛ってブーケガルニを作る
3約8分

材料を合わせる

  • 1 牛すじ300gを別鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで強火にかける。
  • 2 沸騰したら5分茹で、ざるに上げて流水で表面のアクと脂を洗い流す。
4約15分

茹でる

  • 1 大きな鍋に牛すね肉・牛肩バラ肉・下茹でした牛すじを入れ、水2.5Lを注いで強火にかける。
  • 2 沸騰直前に灰色の濃いアクが大量に浮くので、玉じゃくしで丁寧にすくって取り除く。
  • 3 差し水を50mlほど加えながら、表面が澄んだ状態になるまでアクを取り続ける。
5約2時間

材料を合わせる

  • 1 灰色のアクが出なくなったら弱火にし、ブーケガルニ・玉ねぎ(クローブ刺し)・にんにく・黒胡椒の粒10粒・粗塩15gを加える。
  • 2 ふたを少しずらしてのせ、湯面がふつふつと揺れる程度の弱火を保ちながら2時間煮る。
  • 3 30分おきに浮いてくる脂とアクを取り除く。

完了の目安

牛すね肉に竹串を刺すとほぼ抵抗なく通るくらいまで柔らかくなったら次へ。

6約30分

煮る

  • 1 にんじんとかぶを鍋に加え、弱火のまま30分煮る。

完了の目安

かぶに竹串がすっと通ったら次へ。

7約20分

煮る

  • 1 セロリとポワローの白い部分を鍋に加え、さらに20分煮る。

注意点

ポワローがしんなりと柔らかくなり、全ての野菜に竹串がすっと通ったら火を止める。

8約10分

仕上げにまとめる

  • 1 ブーケガルニ・玉ねぎ・にんにくを取り出す
  • 2 鍋の表面に浮いた脂をお玉で丁寧にすくい取る
  • 3 牛肉をひと口大に切り分け、深皿にブイヨン・野菜・肉を盛り付ける
  • 4 粗塩・コルニッション・ディジョンマスタードを添え、各自好みで肉につけながら食べる

INGREDIENT OPTIONS

手に入る食材で、本格の輪郭を保つ

ポトフは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。

牛すね肉(骨付き)の代わりに

牛すね肉(骨なし)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

骨からのゼラチン質とコクがやや減るが、長時間煮込むことで十分な柔らかさとブイヨンの旨みは出る

牛肩バラ肉(塊)の代わりに

牛肩ロース(かたまり)

代わりに使える食材 · 本格度 -10点

脂の入り方が均一になり、肩バラ特有のとろけるような食感がやや薄れる。長時間煮込む点は変わらない

牛すじの代わりに

牛骨髄付き骨(マルソー)

本場のバリエーション · 本格度への影響なし

骨髄の芳醇な脂がブイヨンに溶け出し、より深いコクが出る。精肉店や輸入食材店で手に入るなら、本来はこちらを使うのが本式

牛すじの下茹でステップを省略し、骨の表面を軽く洗ってそのまま鍋に加える

ポワロー(リーキ)の代わりに

長ねぎ(白い部分)

代わりに使える食材 · 本格度 -5点

香りが強く和風の方向に寄るが、ブイヨンに甘みを加える役割は保たれる

この料理について

「ポトフ」という言葉は、フランス語で文字通り「火にかけた鍋」を意味します。19世紀のフランスでは、都市の労働者から地方の農家まで、階層を問わず日曜の食卓に牛肉と根菜の煮込みが並びました。長時間かけて肉と野菜からじっくり旨みを引き出す調理法が、限られた材料で家族全員を満たす知恵として広く根づいたのです。

食べる順番にも独自の作法があります。まず澄んだブイヨンをスープとして味わい、その後で肉と野菜を皿に取り分け、粗塩やコルニッション、ディジョンマスタードを添えて食べるのがフランスの家庭の習わしです。ひとつの鍋から二つの料理が生まれる構成は、素材を無駄にしない台所の知恵でもあります。

現在でも、ポトフはフランス全土の家庭で冬の日曜に作られる定番料理であり、残った肉はサラダやアッシ・パルマンティエに姿を変えて翌日の食卓にも上がります。特定の地域に結びつかない「どこの家庭にもある料理」として、フランスの家庭料理の基準点であり続けています。

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