AUTHENTIC RECIPE
Îles Flottantesイル・フロタント
牛乳でポシェしたメレンゲの「島」を、冷たいクレーム・アングレーズの海に浮かべ、熱いカラメルを上からかけるデザート。ビストロと家庭の両方で愛される定番である。83℃で止めるアングレーズのとろみと、崩さずにポシェするメレンゲという二重の技術が要求される。卵と牛乳と砂糖だけで組み立てる、フランス菓子の基礎が詰まった一皿。
本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 牛乳(成分無調整)750mlメレンゲのポシェとクレーム・アングレーズの両方に使う
- 卵6個卵黄はクレーム・アングレーズに、卵白はメレンゲに使う
- グラニュー糖(アングレーズ用)80g
- グラニュー糖(メレンゲ用)60gメレンゲの気泡構造を安定させる
- グラニュー糖(カラメル用)80g仕上げのカラメルの骨格を作る
- 水(カラメル用)30ml砂糖を均一に溶かすための呼び水
- バニラビーンズ1本縦に裂いて種をこそげ、さやごと牛乳に加える
- 塩1つまみ卵白に加えて泡立ちを助ける
作り方
仕上げにまとめる
- 1 卵6個を卵黄と卵白に分ける。卵白に卵黄が混ざらないよう、1個ずつ小さい器で分けてから移す
- 2 バニラビーンズ1/2本を縦に裂き、包丁の背で種をこそげる。
仕上げにまとめる
広口の鍋に牛乳750mlとバニラの種・さやを入れて中火にかけ、鍋肌に小さな泡が立つ沸騰直前まで温めて火を止める。
注意点
広口の鍋に牛乳750mlとバニラの種・さやを入れて中火にかけ、鍋肌に小さな泡が立つ沸騰直前まで温めて火を止める。
材料を扱う
- 1 メレンゲを立ててポシェする。
- 2 ボウルで卵白6個分に塩1つまみを加えて泡立て、グラニュー糖60gを2回に分けて加え、泡立て器を持ち上げるとまっすぐなツノが立つしっかりしたメレンゲにする
- 3 牛乳の鍋を弱火にかけ、表面が静かに揺れる程度(約80℃)に保つ。沸騰させるとメレンゲが崩れる
- 4 大きなスプーン2本でメレンゲをラグビーボール状にすくって牛乳に落とし、片面2分ずつポシェする。4人分で計8個を数回に分けて茹で、網じゃくしでキッチンペーパーを敷いたバットに取り出す。指で軽く押して弾力があれば火が通っている。
材料を扱う
- 1 クレーム・アングレーズを作る。
- 2 ボウルに卵黄6個分とグラニュー糖80gを入れ、白っぽくもったりするまですり混ぜる
- 3 ポシェに使った牛乳をこし器で漉しながら少しずつ加えて混ぜる
- 4 鍋に戻して弱火にかけ、ゴムべらで鍋底を絶えずかき混ぜながら83℃まで加熱する。とろみがつき、ゴムべらの背を指でなぞると跡がはっきり残る状態(ナップ状態)になったらすぐ火からおろす。
注意点
84℃を超えると卵黄が固まってそぼろ状に分離する。温度計がない場合は、湯気が立ち始めてとろみを感じた時点で火からおろす。決して沸騰させない。
補足
分離しかけたら、すぐに鍋底を冷水に当てて温度を下げ、こし器で漉しながら清潔なボウルに移して混ぜると、なめらかさをかなり取り戻せる。
休ませて落ち着かせる
- 1 アングレーズをボウルに移し、底を氷水に当てて混ぜながら粗熱を取り、ラップを表面に密着させて冷蔵庫で45分冷やす。
盛り付ける
- 1 仕上げのカラメルを作って盛り付ける。
- 2 深皿4つに冷えたアングレーズを等分に注ぎ、メレンゲの島を2個ずつ浮かべる
注意点
小鍋にグラニュー糖80gと水30mlを入れて中火にかけ、かき混ぜずに加熱する。全体が濃い琥珀色になったら火を止め、固まる前に手早くメレンゲの上から細く垂らす。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
イル・フロタントは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
牛乳(成分無調整)の代わりに
低脂肪乳
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
アングレーズのコクが薄れ、ソースの厚みが物足りなくなる
バニラビーンズの代わりに
バニラエッセンス
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りが平板になり、ビーンズ特有の甘く複雑な余韻が弱まる
牛乳を温めた後、火からおろしてから小さじ1/2を加える(加熱すると香りが飛ぶ)
この料理について
「浮かぶ島々」という名のこのデザートは、フランスの古い料理書にも登場する歴史のある一皿です。厳密には、泡立てた卵白を茹でる「ウフ・ア・ラ・ネージュ(雪の卵)」と呼ばれる菓子と重なり合いながら、現在ではほぼ同じ一皿を指す名前として定着しています。
卵と牛乳と砂糖だけで組み立てられるため、古くから家庭のデザートとして作られてきました。祖母の得意料理として語られることの多い菓子で、同時にビストロのデザートメニューには欠かせない定番でもあります。大皿に山と盛られたメレンゲの島が客席を回る店もあります。
前もって仕込んで冷やしておけるため、食事の最後に冷たいまま供されます。ふわりと消えるメレンゲ、冷たいアングレーズ、ぱりっと固まったカラメルという三つの温度と食感の対比が、この一皿の現在の姿です。
READER REVIEWS
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