AUTHENTIC RECIPE
Crème Brûléeクレーム・ブリュレ
卵黄と生クリームのリッチなアパレイユを低温の湯煎焼きでとろりと固め、食べる直前に表面の砂糖を炙ってパリッとした薄い飴の層を作るデザート。スプーンで飴を割る瞬間の音と、冷たいクリームと香ばしい飴の対比が身上である。すを入れない低温焼成と、焦がしすぎない炙りの見極めという二つの温度管理がすべてを決める。
本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 生クリーム(乳脂肪40%以上)400mlアパレイユのコクの中心。バニラとともに沸騰直前まで温める
- 牛乳(成分無調整)100ml生クリームと合わせて口当たりを調整する
- 卵黄5個全卵は使わない。卵黄だけがこのとろける質感を作る
- グラニュー糖(アパレイユ用)60g
- バニラビーンズ1本縦に裂いて種をこそげ、さやごとクリームに加える
- カソナード(表面用)大さじ4食べる直前に表面に薄く振って炙る。この飴の層が名前の由来
作り方
湯を沸かす
- 1 やかんに湯煎用の湯を沸かし始める。
- 2 オーブンを150℃に予熱し始める。
- 3 並行(湯とオーブンを待つ間に)バニラビーンズ1/2本を縦に裂き、包丁の背で種をこそげる。
ソースを作る
- 1 鍋に生クリーム400ml・牛乳100ml・バニラの種とさやを入れて中火にかけ、鍋肌に小さな泡が立つ沸騰直前まで温めて火を止める。
注意点
鍋に生クリーム400ml・牛乳100ml・バニラの種とさやを入れて中火にかけ、鍋肌に小さな泡が立つ沸騰直前まで温めて火を止める。
仕上げにまとめる
- 1 ボウルに卵黄5個分とグラニュー糖60gを入れ、泡立てないようにすり混ぜる。
- 2 温めたクリームをこし器で漉しながら少しずつ注いで混ぜ、浅めの耐熱ココット4個に静かに等分に注ぐ。
完了の目安
表面に泡があればスプーンですくって除く。
材料を合わせる
- 1 深めのバットにココットを並べ、型の高さの半分まで熱湯を注ぐ。
- 2 150℃のオーブンで35〜40分湯煎焼きにする。
注意点
湯がぐらぐら沸く温度やオーブンの高温では、卵黄に「す」(細かい気泡の穴)が入ってなめらかさが失われる。150℃を守り、途中で湯が煮立っていたら差し水をして温度を下げる。
休ませて落ち着かせる
- 1 型ごと粗熱を取り、ラップをかけて冷蔵庫で4時間冷やす。
- 2 冷やすことでアパレイユが締まり、飴の層との温度差が生まれる。
仕上げる
- 1 食べる直前に仕上げる。
- 2 冷えたクリームの表面の水気をキッチンペーパーで軽く押さえ、カソナード大さじ1ずつを各ココットの表面全体に薄く均一に振る。
- 3 料理用バーナーで、砂糖が溶けて泡立ち、濃い琥珀色の薄い飴の層になるまで炙る。
- 4 飴が固まってから供する。
完了の目安
砂糖が溶けて泡立ち、表面全体が濃い琥珀色の薄い飴の層になれば完成。
注意点
同じ場所に炎を当て続けると黒く焦げて苦くなる。バーナーを絶えず動かし、全体を均一に色づける。
補足
バーナーがない場合は、オーブンの上火(または魚焼きグリル)を最高温に予熱し、ココットをできるだけ火に近づけて1〜2分、砂糖が溶けて色づくまで炙る。庫内の熱でクリームが緩みやすいため、炙る前に型の底を氷水に当てて冷やしておくとよい。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
クレーム・ブリュレは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
生クリーム(乳脂肪40%以上)の代わりに
生クリーム(乳脂肪35%)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
コクがやや軽くなり、口当たりの厚みが少し減る
牛乳(成分無調整)の代わりに
低脂肪乳
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
アパレイユ全体のコクがわずかに軽くなる
バニラビーンズの代わりに
バニラエッセンス
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
香りが平板になり、ビーンズ特有の甘く複雑な余韻が弱まる
クリームを温めた後、火からおろしてから小さじ1/2を加える(加熱すると香りが飛ぶ)
カソナード(表面用)の代わりに
グラニュー糖
代わりに使える食材 · 本格度への影響なし
蜜香がわずかに減るが、パリッとした飴の層は同様に作れる
この料理について
クレーム・ブリュレの最初期の記録は、1691年に宮廷料理人フランソワ・マシアロが著した料理書に残されています。「焦がしたクリーム」を意味するこの名前の通り、当時から熱した鉄ごてを砂糖の表面に押し当てて飴の層を作っていました。
似た菓子はスペインのカタルーニャ地方にもあり、どちらが先かをめぐる議論は今も決着していません。フランスでは20世紀後半にビストロやレストランの定番デザートとして広まり、スプーンで飴を割る瞬間の音とともに、フランス菓子を代表する一皿として世界に知られるようになりました。
現在では家庭でも料理用バーナーの普及とともに作られるようになり、前日に仕込んで当日は炙るだけという段取りのよさもあって、もてなしの食卓の定番になっています。冷たいクリームと温かい飴の層の対比は、供する直前に炙って初めて生まれます。
QUESTIONS
よくある質問
クレーム・ブリュレに生クリーム(乳脂肪35%)を使ってもいいですか?
使えます。ただし生クリーム(乳脂肪40%以上)を生クリーム(乳脂肪35%)に替えると本格度が5点下がります。コクがやや軽くなり、口当たりの厚みが少し減る。
クレーム・ブリュレに低脂肪乳を使ってもいいですか?
使えます。ただし牛乳(成分無調整)を低脂肪乳に替えると本格度が5点下がります。アパレイユ全体のコクがわずかに軽くなる。
クレーム・ブリュレにグラニュー糖を使ってもいいですか?
使えます。カソナード(表面用)をグラニュー糖に替えるとも本格度への影響はありません。蜜香がわずかに減るが、パリッとした飴の層は同様に作れる。
クレーム・ブリュレを失敗せずに作るコツはありますか?
つまずきやすいのは次の点です。鍋に生クリーム400ml・牛乳100ml・バニラの種とさやを入れて中火にかけ、鍋肌に小さな泡が立つ沸騰直前まで温めて火を止める。湯がぐらぐら沸く温度やオーブンの高温では、卵黄に「す」(細かい気泡の穴)が入ってなめらかさが失われる。150℃を守り、途中で湯が煮立っていたら差し水をして温度を下げる。同じ場所に炎を当て続けると黒く焦げて苦くなる。バーナーを絶えず動かし、全体を均一に色づける。
クレーム・ブリュレを作るのにどれくらい時間がかかりますか?
4人分で合計5時間5分です(準備15分・調理50分・待ち時間4時間)。待ち時間は手を離せるため、他の料理と並行して進められます。
クレーム・ブリュレは家庭で作るのが難しいですか?
難易度は5段階中3です。全6工程のうち仕上がりを左右するのは「ソースを作る」「材料を合わせる」で、各工程に見極めの目安と注意点を明記しています。
READER REVIEWS
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次の週末は、コース料理を家で。
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