AUTHENTIC RECIPE
Blanquette de Veau仔牛のブランケット
ブランケット・ド・ヴォーは、肉に焼き色を一切つけずに白いまま煮る「白い煮込み」を代表するフランスの家庭料理である。仔牛肉を下茹でして香味野菜とともに静かに煮込み、仕上げに卵黄と生クリームのリエゾンでとろみをつける。仔牛肉は日本では入手が難しいため、豚肩ロースや鶏もも肉で代用しても白く煮る技法とリエゾンの体験は成立するが、本来の繊細でミルキーな風味は仔牛でこそ味わえる。赤ワインと焼き色を特徴とする他の煮込み料理とは対照的な、白さと優しさが身上の一皿である。
本場フランス料理で受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 仔牛肩肉(ブロック)800g3〜4cm角に切り分ける。表面の水気をキッチンペーパーで拭く。精肉店・通販で入手可
- にんじん2本皮をむき、乱切りにする。煮込みの香味用で仕上げには使わない
- 玉ねぎ1個皮をむき、クローブ3本を刺す
- クローブ3本玉ねぎに刺す
- ポワロー(リーキ)1本白い部分のみを4cm長に切って使う
- タイム2枝ブーケガルニ用
- ローリエ1枚ブーケガルニ用
- パセリ1束茎3本はブーケガルニに使う。葉はみじん切りにして仕上げに散らす
- 小玉ねぎ200g皮をむく
- マッシュルーム250g石づきを落とし、大きければ半分に切る
- バター(無塩)50gルー用30g・小玉ねぎとマッシュルームを白く煮る用20g
- 薄力粉40gルー(白いソースの土台)用
- 卵黄2個仕上げのリエゾン用
- 生クリーム(乳脂肪35%以上)150ml仕上げのリエゾン用。卵黄と合わせて使う
- レモン汁15ml5mlは小玉ねぎとマッシュルームを白く煮る際に、10mlは仕上げのリエゾンに使う
- 塩小さじ1
- 白胡椒2つまみ白いソースに黒い粒が残らないよう、黒胡椒ではなく白胡椒を使う
作り方
材料を準備する
- 1 仔牛肩肉800gを3〜4cm角に切り分け、水気をキッチンペーパーで拭く
- 2 にんじん2本の皮をむき、乱切りにする
- 3 玉ねぎ1個の皮をむき、クローブ3本を刺す
- 4 ポワロー1本は白い部分のみを4cm長に切り、根元の土を洗い流す
- 5 タイム2枝・ローリエ1枚・パセリの茎3本をひとまとめにし、タコ糸で縛ってブーケガルニを作る
- 6 小玉ねぎ200gの皮をむく
- 7 マッシュルーム250gの石づきを落とし、大きければ半分に切る
材料を合わせる
- 1 仔牛肉を鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで強火にかける。
注意点
沸騰したら2〜3分茹で、灰色の濁った泡が表面を覆ったらざるに上げる。
肉と鍋を流水でよく洗い、白く濁ったアクを完全に洗い流す。
材料を扱う
- 1 洗った鍋に仔牛肉を戻し、かぶるくらいの水または鶏だし1.2Lを注ぐ。
- 2 にんじん・玉ねぎ(クローブ刺し)・ポワロー・ブーケガルニ・塩小さじ1を加えて中火にかけ、煮立ったら浮いてくるアクを取る。
煮る
- 1 弱火にし、ふたを少しずらしてのせ、湯面がふつふつと揺れる程度を保ちながら1時間15分煮る。
- 2 途中でアクを取り除く。
完了の目安
仔牛肉に竹串を刺すとすっと通り、簡単にほぐれる手前の柔らかさになったら次へ。
煮込む
- 1 並行(仔牛肉を煮込む間に)小玉ねぎとマッシュルームを白く煮る。
注意点
フライパンにバター20gを弱火で溶かし、小玉ねぎと水50ml・レモン汁5mlを加えてふたをし、焦げ色をつけないよう弱火で8〜10分煮る。
マッシュルームを加えて2分煮て、水分が軽く飛んだら火を止める。
食材を下処理する
- 1 仔牛肉を取り出し、にんじん・玉ねぎ・ポワロー・ブーケガルニを取り除く。
- 2 煮汁をこし器でこし、ブイヨンとして取り置く。
香味を炒める
- 1 同じ鍋にバター30gを弱火で溶かし、薄力粉40gを加えて木べらで絶えず混ぜながら1〜2分炒める。
- 2 取り置いたブイヨンを少しずつ加えてはよく混ぜてなめらかなソースにし、中火で8分ほど煮詰める。
完了の目安
色をつけないまま、粉っぽさが消えてふつふつと泡立ったら次へ。
注意点
木べらの背に薄い膜が残る濃度になったら火を止める。
材料を扱う
- 1 鍋に仔牛肉・白く煮た小玉ねぎとマッシュルームを戻し、弱火で温める。
- 2 煮立たせない。
完了の目安
表面がふつふつと動かず、全体に湯気が立って温まったら次へ。
ソースを作る
- 1 ボウルに卵黄2個と生クリーム150mlを入れてよく混ぜる
- 2 鍋から煮汁をお玉1杯分すくって卵液に少しずつ加えて混ぜ、温度を合わせる
- 3 レモン汁10ml・白胡椒2つまみ・塩で味を調え、みじん切りにしたパセリを散らす
注意点
火を止めた鍋に卵液を戻し入れ、木べらで絶えず混ぜながら弱火にかけてとろみをつける。沸騰させると卵が分離してボソボソになるため、決して煮立てない
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
仔牛のブランケットは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
仔牛肩肉(ブロック)の代わりに
豚肩ロース(かたまり)
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
仔牛特有の淡白でミルキーな風味が失われ、豚らしいコクの強い仕上がりになる。焼き色を付けずに白く煮る技法とリエゾンの体験は同様に成立する
本煮込みの時間を55分に短縮する
仔牛肩肉(ブロック)の代わりに
鶏もも肉(骨なし・皮なし)
代わりに使える食材 · 本格度 -20点
仔牛のような繊維質のほぐれ方にはならないが、淡白さの方向性は近い。火の通りが早いため煮込み時間を大幅に短縮する
本煮込みの時間を30分に短縮する
小玉ねぎの代わりに
普通の玉ねぎ(4等分のくし切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
見た目の丸い一体感は失われるが、白く煮る技法と甘みを添える役割は変わらない
この料理について
ブランケット・ド・ヴォーの「ブランケット」は、フランス語で「白いもの」を意味する言葉に由来します。肉に焼き色をつけずに白いまま煮上げ、卵黄と生クリームで仕上げるこの調理法は、19世紀にはすでに家庭料理の教本に記載されており、フランスの中流家庭に広く定着していました。
優しい酸味とクリームのコクを持つこの料理は、子供から高齢者まで食べやすい味わいから、特に寒い季節の家庭の食卓で親しまれてきました。フランスでは「グラン・メール(おばあちゃん)の味」の代表格としてしばしば語られ、家族の集まりに作られる料理のひとつに数えられます。
現在でもビストロの定番メニューとして残り続け、家庭でも週末の手の込んだ主菜として作られています。牛肉を使った他の煮込み料理が焼き色と赤ワインの力強さを特徴とするのに対し、ブランケットは白さと優しさで対照をなす、フランス煮込み料理のもう一つの柱です。
READER REVIEWS
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次の週末は、コース料理を家で。
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