AUTHENTIC RECIPE
Bœuf Bourguignonブフ・ブルギニョン
ブフ・ブルギニョンはブルゴーニュ地方を代表する、牛肉の赤ワイン煮込みである。牛肩バラ肉を一晩赤ワインに漬け込んでから、そのマリネ液ごと使って3時間近く煮込む本式の作り方が、深いコクと複雑な酸味を生む。ラルドンはブロックベーコンで、ブルゴーニュワインは日本で買えるミディアムボディのピノ・ノワールで代用しても、技法と味わいの骨格は十分に再現できる。小玉ねぎとマッシュルームの「ガルニチュール・ブルギニョンヌ」を添えるのが正式な仕上げである。
本場リヨンとブルゴーニュで受け継がれてきた作り方を基準にした本格レシピを、仕上がりを左右する判断点まで省略せずに紹介します。
AUTHENTICITY SCORE
本格度スコア
標準レシピの食材と手順です。代替食材を選ぶと、味・食感・工程への影響とともにスコアが変わります。
材料(4人分)
- 牛肩バラ肉(ブロック)900g3〜4cm角に切り分ける
- 赤ワイン(ブルゴーニュ、ピノ・ノワール種)750ml瓶1本分。マリネと煮込みの両方に使う
- ラルドン(燻製豚バラの角切り)150g1cm角の拍子木状。輸入食材店・通販で入手可
- にんじん3本皮をむき、乱切りにする
- 玉ねぎ2個皮をむき、くし切りにする
- にんにく3片みじん切りにする
- タイム3枝ブーケガルニ用
- ローリエ2枚ブーケガルニ用
- パセリ1束茎4本はブーケガルニに使う。葉はみじん切りにして仕上げに散らす
- マッシュルーム300g石づきを落とし、大きければ半分に切る
- 小玉ねぎ200g皮をむく
- 薄力粉30g肉にまぶして焼き付ける用
- バター(無塩)40g肉を焼き付ける用20g・小玉ねぎとマッシュルームを炒める用20g
- サラダ油30ml肉を焼き付ける際にバターと合わせて使う(焦げ付き防止)
- トマトペースト30g煮込みに深みと色を加える
- 牛のブイヨン300ml煮込みの液量を補う
- 塩小さじ1
- 黒胡椒小さじ1
作り方
材料を準備する
- 1 牛肩バラ肉900gを3〜4cm角に切り分ける
- 2 にんじん3本の皮をむき、乱切りにする
- 3 玉ねぎ2個の皮をむき、くし切りにする
- 4 にんにく3片をみじん切りにする
- 5 マッシュルーム300gの石づきを落とし、大きければ半分に切る
- 6 タイム3枝・ローリエ2枚・パセリの茎4本をひとまとめにし、タコ糸で縛ってブーケガルニを作る
- 7 保存容器に牛肉・にんじん・玉ねぎ・ブーケガルニを入れ、赤ワイン750mlを注いでよく浸す
味をなじませる
- 1 ラップをかけて冷蔵庫で一晩(12時間)漬け込む。
完了の目安
ワインが肉全体に染み込み、肉の色が赤紫色に変わっていれば漬かっている。
味をなじませる
- 1 ざるにボウルを重ね、マリネ液と具材を分ける。
- 2 マリネ液は取り置く。
- 3 牛肉・にんじん・玉ねぎ・ブーケガルニを分け、牛肉の水気をキッチンペーパーで拭いてから薄力粉30gを薄くまぶす。
香味を炒める
- 1 厚手の鍋にラルドン150gを中火で炒め、脂が透き通り軽く色づいたら取り出す。
- 2 同じ鍋にバター20gとサラダ油30mlを足し、牛肉を重ならないよう並べて動かさずに焼き付ける。
- 3 全面にしっかりと濃い焼き色がついたら取り出す。
- 4 数回に分けて焼く。
味をなじませる
- 1 同じ鍋にマリネのにんじんと玉ねぎを入れ、中火で5分炒める。
- 2 しんなりしたらトマトペースト30gを加えて1分炒め、牛肉とラルドンを鍋に戻す。
- 3 取り置いたマリネ液を注ぎ、中火で3〜4分煮立ててアルコールの刺激臭を飛ばす。
- 4 牛のブイヨン300ml・ブーケガルニ・塩小さじ1・黒胡椒小さじ1を加える。
煮込む
- 1 ふたをして弱火にし、湯面がふつふつと揺れる程度を保ちながら2時間30分〜3時間煮込む。
- 2 30分おきに浮いてくる脂を取り除く。
完了の目安
牛肉に竹串を刺すとほとんど抵抗なく通り、繊維がほろほろとほぐれる柔らかさになったら次へ。
香味を炒める
- 1 並行(牛肉を煮込む間に)小玉ねぎとマッシュルームを炒める。
注意点
フライパンにバター20gを弱火で溶かし、小玉ねぎを加えてふたをし、焦げ色をつけないよう弱火で10分蒸し煮にする。
マッシュルームを加えてふたを外し、中火で5分炒め、軽く色づいたら火を止める。
食材を下処理する
- 1 牛肉を取り出し、ブーケガルニを除く。
- 2 煮汁を中火で5分ほど煮詰めて木べらの背に薄い膜が残る濃度にし、牛肉・ラルドン・小玉ねぎ・マッシュルームを戻して温める。
- 3 塩・黒胡椒で味を調え、みじん切りにしたパセリを散らす。
INGREDIENT OPTIONS
手に入る食材で、本格の輪郭を保つ
ブフ・ブルギニョンは、次の食材でも作れます。味や食感、手順への影響を確認して選んでください。
牛肩バラ肉(ブロック)の代わりに
牛すね肉(ブロック)
代わりに使える食材 · 本格度 -10点
赤身の締まりが強く、コラーゲンがほぐれるまでにやや時間がかかる。長めに煮込めばほろほろにほぐれる
煮込み時間を30分延長する
赤ワイン(ブルゴーニュ、ピノ・ノワール種)の代わりに
ミディアムボディの赤ワイン(ピノ・ノワール種)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
本場特有の複雑な果実味と土っぽさはやや控えめになるが、酸とタンニンのバランスが近く、マリネ・煮込みとも問題なく機能する
ラルドン(燻製豚バラの角切り)の代わりに
ブロックベーコン(角切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
燻製香がやや軽く、脂の甘みも穏やかになるが、コクの土台としての役割は同等
小玉ねぎの代わりに
普通の玉ねぎ(4等分のくし切り)
代わりに使える食材 · 本格度 -5点
見た目の丸い一体感は失われるが、甘みと食感を添える役割は変わらない
この料理について
ブフ・ブルギニョンは、ブルゴーニュ地方で牛を使う農作業に従事していた「働く牛」の硬い部位を、土地のワインで長時間煮込んで柔らかくする、もともとは農家の知恵から生まれた料理でした。ブルゴーニュはピノ・ノワール種の赤ワインの産地として知られ、この料理にもその土地のワインが煮込みの土台として使われてきました。
1961年にアメリカで出版されたジュリア・チャイルドの料理書でブフ・ブルギニョンが大きく取り上げられたことをきっかけに、この料理は国際的にフランス料理を代表する一皿として広く知られるようになりました。
現在でもブルゴーニュの家庭とビストロの双方で、日曜の家族の集まりや特別な日の食卓に作られる料理として位置づけられています。前夜からのワイン漬け込みを含む手間のかかる工程は、週末にゆっくり時間をかけて作る「特別な煮込み」としての性格を今も保っています。
READER REVIEWS
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